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1383_猫は匂いでご主人様とそれ以外の人間を嗅ぎ分けることが可能だにゃ #動物 #五感

「帝国大学の英文科を卒業している作家の夏目漱石は『人間にせよ、動物にせよ、己を知るのは生涯の大事である。己を知る事が出来さえすれば人間も人間として猫より尊敬を受けてよろしい』と言ってます。客観的に自分を知る、とても難しいですが、これができると色々とオトクです」


「やっほー、知識を増やすことは人生の至福。世界一の美女サクラです! 今回は『猫は匂いでご主人様とそれ以外の人間を嗅ぎ分けることが可能だにゃ』です。よろしくね」


「読者様は匂いを嗅ぎ分ける動物と聞いて思い浮かべるのは何ですか?」


「多くの人は犬を思い浮かべるのではないでしょうか?」


「犬は警察や空港で活躍しています。犬の嗅覚がすごい、と知っている人は多いでしょう」


「他にも、象も嗅覚が優れています。あの長い鼻は伊達ではないのです。また、熊や豚も嗅覚が優れています」


「熊は鋭い嗅覚で獲物を見つけますし、豚はトリュフを採取する際に活躍します」


「動物の中には優れた嗅覚を持つ種が数多くいます」


「では、猫の嗅覚はどう思いますか?」


「猫の嗅覚は優れていると思いますか? それとも全然役に立たないと思いますか?」


「今回は猫の嗅覚についてお話します」


「参考文献は東京農業大学の研究となります」


「研究者は猫の嗅覚を調べるため、30匹の飼い猫とその飼い主を集めました。オス11匹、メス19匹です」


「まずは飼い主の匂いを採取しました。綿棒を使って、耳の後ろ、脇、足の指の間から集めました」


「そして、猫ちゃんには飼い主の匂い、他の人の匂い、無臭のいずれかの匂いを順番に嗅いでもらって、その際の反応を観察しました」


「で、猫ちゃんは飼い主の匂いを嗅ぎ分けられるのか調べたのです。それと、飼い主には猫の性格のアンケートにも回答してもらいました」


「さて読者様、猫は飼い主の匂いを嗅ぎ分けられると思いますか?」


「以前、猫は飼い主の名前を憶えている、そんな話をしました」


「猫の能力は人間が思っている以上に優れており、名前だけでなく匂いも覚えていたのでしょうか?」


「それとも、猫は飼い主の匂いを全く覚えていなかったのでしょうか?」


「飼い主の匂いも赤の他人の匂いを嗅いでも同じ反応をしたのでしょうか? 飼い主の匂いに特別な反応をしなかったのでしょうか?」


「もしくは、微妙に覚えていたのでしょうか?」


「飼い主の匂いを何となく覚えており、知っている匂いだと判別できたのでしょうか? ですが、飼い主までたどり着けなかった、そんな結果が得られたのでしょうか?」


「はたして、猫は飼い主の匂いを嗅ぎ分けることができたのでしょうか?」


「30匹の飼い猫を対象にご主人様の匂いを嗅ぎ分けられるか調査した結果、猫は飼い主の匂いを嗅ぎ分けることがーー」


「できました!」


「猫は無臭の匂いを嗅いだとき平均1.9秒匂いを嗅ぎました。これが飼い主の匂いになると平均2.4秒に伸びました。見知らぬ人の匂いになると、平均4.8秒まで伸びました」


「飼い主と見知らぬ人の匂いを嗅いでいる時間が違うことから、猫は飼い主の匂いを嗅ぎ分けられると判断できます。匂いを嗅ぎ分けられないのなら、飼い主と見知らぬ人の匂いで同じくらいの時間匂いを嗅ぐことになるはずですから」


「猫に限らず、動物は未知のものを見つけるとそれを長く観察する傾向があります。言葉を話せない赤ちゃんもこの反応を見ることで興味を持っているのか調べることができます」


「つまり、匂いを嗅いでいる時間を調べることで、匂いから何を感じ取っているのか推察することが可能です」


「無臭だと時間が短いのは、特に興味を惹かれないからです。何も感じないので、自ずと匂いを嗅ぐ時間も短くなります」


「飼い主の場合、知っている匂いなので、すぐに判断できます。そんなに長い時間匂いを嗅ぐ必要がありません。安心できる匂いなので、そこまで興味は持ちません」


「しかし、知らない人の匂いの場合、警戒したり安全なのか見極め……ではなく嗅ぎ分ける必要があります。そのため、時間も長くなるのです」


「研究はこれで終わりではありません。実は、猫が左と右、どちらの鼻で匂いを嗅ぐのかも調べました」


「その結果、最初は右の鼻を使うことが多いことが判明しました」


「実はこの行動、猫に限りません。犬や鳥、魚も右の鼻を先に使う傾向があります。詳しいことは不明ですが、右脳が新しい情報を処理する部位だからと考えられています。反対に左脳は慣れ親しんだ情報を処理する部位です」


「そのため、まずは右の鼻で匂いを確かめ、慣れてきたり、見知った匂いだと判別すれば左の鼻を使うようになります」


「ちなみに、オス猫は性格によって匂いを嗅ぐ回数が異なることが判明しています。神経質だと何度も匂いを嗅ぎ、協調性が高いと匂いを嗅ぐ回数が少ないです」


「メス猫ではこのような差はありませんでした。不思議なことです」


「とにもかくにも、猫の嗅覚は人間が思っている以上に優れているみたいです」


「しからば、今回のまとめだにゃー」


「研究者は30匹の飼い猫とその飼い主を集めて、猫に飼い主の匂いを嗅ぎ分ける能力があるか調べたにゃ」


「すると、猫は飼い主の匂いを嗅ぎ分けることができたにゃ」


「猫の嗅覚すごいにゃ」


「読者様は猫を飼っていますか?」


「猫を飼っているのならよく観察してみてください。匂いを嗅ぐ時間、右の鼻と左の鼻の使い分けなど、細かい違いが見えてくると思いますよ」


「それにしても、どうして猫ってあんなに可愛いのでしょうか?」


「私も猫になりたいにゃ」


「今回は『猫は匂いでご主人様とそれ以外の人間を嗅ぎ分けることが可能だにゃ』でした。大体の問題は知識で解決できる」


「ありがとうございました。次は『口臭対策って意味あるの?』です! バイバイ」

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