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1312_知り合いより初対面のほうがシンクロ率は高い #人間関係 #脳

「長年ゼネラルモーターズの社長を務めたアメリカの実業家アルフレッド・スローンは『五一パーセントの確率で正しいことをしていれば、やがてヒーローになれる』と言ってます。半数を超えていれば勝ちです」


「やっほー、知識が増えると気持ちいい。世界一の美女サクラです! 今回は『知り合いより初対面のほうがシンクロ率は高い』です。よろしくね」


「二人が同じ作業をしていると脳波が似てくるというのはこれまでの研究で判明しています。作業でなくとも、同じ作品を見たりすることで脳波は似通ってきます」


「デートで映画を見るといいと言われていますが、これは脳波がシンクロすることで同じような思考になるからです」


「この脳波のシンクロですが、親子や恋人など親密な相手ほどシンクロ率が高くなることが分かっています。仲がいいほどシンクロ率が高くなるのは納得です」


「しかし、社会的な結びつきが弱い相手とのシンクロについてはあまり調べられていません。見知らぬ他人とどれくらいシンクロするのか不明なんです」


「そこで研究者は見知らぬ他人とのシンクロについて調べました」


「今回は初対面の相手とどれくらいシンクロするのかについてのお話です」


「参考文献は早稲田大学の研究となります」


「研究者は初対面の相手とのシンクロ率を調べるため、14組の初対面のペアを集めました。比較をするため、13組の知り合いのペアにも参加してもらっています。合計27組54人、平均年齢22歳となります」


「参加者にはタッピングタスクを実行してもらいました。タップすると音が鳴るので、ペアの二人が交互にタップを繰り返して正確なリズムを取るタスクとなります」


「事前にお手本を見てから挑戦してもらいます。またメトロノームも用意されました」


「要するに協力ゲーです。二人が協力して一つのことを成す。それだけです」


「で、その様子をEEGを使って脳波を調べて、シンクロ率がどうなっているのか確かめたのです」


「さて読者様、初対面の相手とのシンクロ率はどうなると思いますか?」


「直感的に考えたら、シンクロ率は低くなりそうです」


「相手のことが分からないので、シンクロもくそもありません。ただ一緒に作業をする相手と認識してもおかしくありません」


「意外にもシンクロ率は高くなるのでしょうか?」


「実は初対面とか知り合いとか関係なく、同じ作業をするとシンクロ率は高まるのでしょうか? 人間には元から協力する下地が備わっているのでしょうか?」


「はたして初対面の相手とのシンクロ率とはどれほどだったのでしょうか?」


「初対面の相手とリズムを取るタスクで協力してもらった結果、初対面の相手とーー」


「めっちゃシンクロしてました!」


「たとえ初対面の相手でも同じ作業をすると脳波が高いレベルでシンクロすることが判明したのです」


「気になるのは、知り合いのペアのシンクロ率です」


「一般的には社会的な繋がりが強いほどシンクロ率も高くなると考えられています。仲がいいほどシンクロするというわけです」


「ところが予想に反して、知り合いのペアのシンクロ率は低かったです」


「初対面のペアに比べて知り合いのペアのほうがシンクロ率が低いという結果になりました。これは、今までの考えとは反する結果となりました」


「どうして、初対面のほうがシンクロして、知り合いのほうがシンクロしないのでしょうか?」


「研究者はお互いに気を配るから、と考えています」


「初対面だと相手のことを何も知らないので、とりあえず気遣います」


「お互いに相手のことを考えて行動するので、それが結果としてシンクロに繋がったようです」


「そして、知り合い程度の仲だと相手に気遣いをしなくなります。かといって恋人ほど親密でもありません。知っている仲だからこそ、雑な部分が出てしまいシンクロ率が低くなったと考えられます」


「ですので、初対面はシンクロ率が高いかもしれませんが、時間が経って仲良くなればシンクロ率が下がる可能性が高いです。そこからさらに仲良くなって親友や恋人になれば、またシンクロ率が高くなると考えられます」


「面白い結果ですよね。初対面だからこそ生まれる絆があるみたいです」


「読者様も初対面の相手と一緒に同じ作業をしてみましょう。シンクロ率が高まって、仲良くなれるかもしれません。ですが、いくらか時間が経過したら一緒の作業をするのが苦になるかもしれません。それは相性が悪いというわけではなく、仲良くなった証拠です。決して悪いことではありません」


「まあ、本当に反りが合わないこともありますが……」


「ということで今回のまとめです」


「研究者は初対面の相手との脳波のシンクロ率を調べたよ」


「すると、知り合いより初対面のほうが同じ作業をしたときのシンクロ率は高くなることが判明したよ」


「どうやら、お互いに気遣いを発揮するため、シンクロ率が高くなるみたい」


「相手のことを知っていると気遣いがなくなるから、知り合いだとシンクロ率が低くなるみたい」


「面白い結果だね。初対面だからこそ、発生する読み合いがあるみたい」


「それと、脳についてはまだまだ分かっていないことが多いです。ご注意ください」


「それに、日本人はもっぱら空気を読む種族です。お互いに気遣うというのは、もしかしたら日本人特有の現象かもしれません。他の文化で同じになるかは不明です」


「ともあれ、相手とのシンクロ率が高いと親近感を抱いたり、信頼してもらいやすくなります。コミュニケーションが円滑になります」


「初対面の相手と仲良くなるために、一緒に同じ作業をするのは悪いことではないでしょう」


「新入生や新入社員を仲良くするには、同じ作業を一緒にしてもらうことかもしれません」


「この時、難しい課題に挑戦してもらうといいでしょう。難題に一緒に挑戦して、問題に悩んで、一緒にゴールしたら達成感があります。きっと大きな壁を乗り越える間に絆が生まれ、より仲良くなれるでしょう」


「初対面の相手は同じ場所にまとめるといいでしょう」


「今回は『知り合いより初対面のほうがシンクロ率は高い』でした。知識があれば問題ナッシング」


「ありがとうございました。次は『エッチな動画が好きな人は恋人との関係がよくない』です! バイバイ」

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