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1311_棒グラフを使うと予測が小さく見積もられる #ビジネス #数字

「年間ゴールデンスラムを達成しているプロテニス選手のシュテフィ・グラフは『どのポイントもみな大事。全力を尽くそう、全力を尽くそうと、自分に言い聞かせながらプレイをした』と言ってます。些細なことも全力を尽くすことが大事です」


「やっほー、知識は力なり。世界一の美女サクラです! 今回は『棒グラフを使うと予測が小さく見積もられる』です。よろしくね」


「読者様はプレゼンの際にグラフを活用しませんか?」


「グラフを活用することで、データが見やすくなります。数字で見るより直感的に理解しやすくなります」


「また、説得力を高めたり、関心を引きつけやすくなることでしょう」


「過去の研究では、グラフを使うと予測精度が向上するなんてデータもあります。情報伝達においてグラフはとても重要です」


「では、何グラフを使っていますか?」


「グラフにはいくつか種類があります。棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、点グラフ、帯グラフなど」


「それぞれのグラフには向き不向きがあるわけですが、どうやら予測にも影響を与えるみたいです」


「同じ数字でも、使っているグラフによって大きく印象が変わってしまうのです」


「今回はグラフについてのお話です」


「参考文献はイギリスのロンドン大学の研究となります」


「研究者はグラフの種類ごとの予測を調べるため、四つの実験を行いました。合計で4000人以上が参加しました」


「研究では、架空の会社の業績のグラフを用意しました。過去50週間の売り上げから、グラフを三種類作成します。折れ線グラフ、棒グラフ、点グラフの三つです」


「参加者にいずれかのグラフを見せて、今後8週間の売り上げの予測をしてもらいました」


「で、グラフごとに予測が違うのか調べたのです」


「さて読者様、グラフの種類は予測にどう影響するのでしょうか?」


「当然ですが、数値はいじっていません。あくまでグラフの種類を変えただけです。いずれかのグラフで異常な予測がされるようになったのでしょうか?」


「折れ線グラフは時系列によるデータの増減を一目で分かりやすくしてくれます。売り上げの予測に向いているのでしょうか?」


「棒グラフはベーシックなグラフです。見慣れている人も多いはず。見慣れているので、予測にプラスの影響を与えるのでしょうか?」


「点グラフは分布や相関関係を調べるのに向いています。また、外れ値を見つけやすいという特徴もあります。これこそが売り上げの予測に向いているのでしょうか?」


「はたして、グラフの違いはどう予測に影響を与えたのでしょうか?」


「4000人以上にいろいろなグラフを見せて売り上げを予測させた結果、グラフが変わるとーー」


「予測にも大きな影響が出ていました!」


「やはり、見るグラフによって同じ数字でも印象は大きく異なるようです」


「では、具体的にどう違っていたのでしょうか?」


「ずばり、棒グラフを使うと売り上げの予測が小さくなっていました」


「折れ線グラフや点グラフで予測した人に比べて、棒グラフで予測した人は売り上げの予測が下方修正されていました」


「折れ線グラフや点グラフを見た人は来週は100個売れると予測するのに対して、棒グラフを見た人は50個しか売れないと予測してしまうのです」


「棒グラフでプレゼンを行うと、オーディエンスにしょぼい予測をされてしまうのです」


「しかも、予測する未来が先になればなるほど、この影響は大きくなっていました」


「会社の売り上げが好調なのに、売り上げの予測がしょぼかったら嫌ですよね。もしかしたら、棒グラフを使って上司に見せたのがいけなかったのかもしれません。そんな時は折れ線グラフや点グラフを使いましょう」


「研究者は棒グラフの影響を調べるため、面白い実験を行っています」


「たとえば、色です。棒グラフの色を変えて、参加者に見せて予測させました」


「しかし、結果は変わりませんでした。色を変えても売り上げの予測が小さくなるのは同じだったのです」


「次に、棒グラフの向きを逆にしました。下から棒が伸びるのではなく、上から棒が伸びるグラフを作成しました」


「すると、少しだけ予測が大きくなりましたが、大きな差とは言えません。微差です」


「というか、逆向きのグラフはとても見にくいです。見慣れていないこともあって、予測に影響が出たと考えられます」


「研究者は色々試しましたが、棒グラフだと予測が小さくなることに違いはありませんでした。そもそも棒グラフは予測に向いていません。それも影響したのでしょう」


「とにもかくにも、明るい未来を予測させたいのなら棒グラフを使うのは厳禁です。折れ線グラフや点グラフを活用しましょう」


「同じ数字でも使っているグラフで相手に与える印象は変わります。いつも使っているからという理由で同じグラフを使っているとプレゼンが失敗する原因になります。今一度、使っているグラフが目的に合致しているか確認しましょう」


「数字を見える化できるグラフはとても便利です。しかし、使い方を間違うと印象が悪くなります。ご注意ください」


「ということで今回のまとめです」


「研究者はグラフが与える印象について調べたよ。複数の実験を行って、折れ線グラフ、点グラフ、棒グラフから予測をしてもらったよ」


「すると、棒グラフで予測した人は折れ線グラフや点グラフで予測した人に比べて、小さい数字を出していたよ」


「棒グラフで予測すると低く見積もられるみたい」


「オーディエンスにすごいと思わせたかったら、棒グラフを使わないほうがいいかもね」


「逆に事故の件数や病人の数なんかは小さく予想してもらったほうが悲観的にならずに済みます。棒グラフを使うといいかもしれません」


「グラフの種類は予測に大きな影響を与えます。適切なグラフを選ぶようにしましょう」


「数字の見える化も重要ですが、どう見えるかも重要です」


「プレゼンの資料のグラフ選びは慎重に行いましょう。プレゼンが成功するかはグラフ次第」


「今回は『棒グラフを使うと予測が小さく見積もられる』でした。我、格物致知なり」


「ありがとうございました。次は『知り合いより初対面のほうがシンクロ率は高い』です! バイバイ」

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