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1286_【悲報】ミツバチは鏡の上を飛べない #生物 #道具

「ミズノの創業者水野利八は『素人だって頑張りしだいでは玄人に勝つことができるのだ』と言ってます。努力は裏切らない」


「やっほー、知識を増やすことは人生の至福。世界一の美女サクラです! 今回は『【悲報】ミツバチは鏡の上を飛べない』です。よろしくね」


「読者様は鏡を使いますか? あの、光を反射する道具のことです。身だしなみを整えたり、髪の毛をチェックしたり、インテリアとして使ったりする道具です」


「普通、壁にかけたり、手に持って使うことでしょう。床に置いて、その上を歩く、なんて使い方は普通しないでしょう」


「仮に、床に置いたとして、その上を歩けますか? 鏡は強靭で、割れないものとします」


「おそらく、普通に歩けるでしょう。地面が鏡になっているからといって、歩けない道理はありません。床が鏡張りになっている施設もあり、多くの人が楽しんでいます。問題なく歩けるでしょう」


「しかし、世の中には鏡の上を移動できない生き物が存在するのです」


「今回は鏡の上を移動できない生物についてのお話です」


「世の中には、ウユニ塩湖のような天空の鏡と呼ばれる場所が天敵の生物が存在するのです」


「参考文献はフランスのエクス=マルセイユ大学の研究となります」


「約60年前、昆虫学者は不思議な生態に気づきました。それは、ミツバチは湖の上を飛べない、というものです」


「訓練したミツバチに湖の上を横切る飛行をさせました。すると、湖面が波打っていると問題なく空を飛べたのですが、湖面が波を打たず、鏡のようになっていると空を飛べず、湖に墜落することが判明しました」


「このことから、ミツバチは視覚の情報を活用して、飛行していると考えられました」


「ですが、本当にミツバチは視覚の情報から空を飛んでいるのか不明です。そこで研究者は新たに調査をすることにしたのです」


「まず用意したのは長さ220cm、高さ71cm、幅25cmの長方形のトンネルです」


「このトンネル、ただのトンネルではありません。床と天井が鏡張りになっているのです。しかも、鏡を隠して、普通のトンネルにすることもできる代物です」


「27匹のミツバチにトンネルを飛行してもらい、ゴールに辿り着けるか実験を行いました。ゴールには報酬の砂糖水が用意されています」


「まずは床と天井の鏡を覆って、飛行してもらいました。すると、特に問題なく飛行することができました」


「次に、トンネルの天井の覆いを外して、天井だけ鏡張りにしてミツバチを飛行させました。鏡を使っているので、ミツバチの視点だと天井の高さが2倍になっているように見えます」


「でも、問題なく飛行することができました」


「次に、天井の鏡を覆って、床を鏡にしました。ミツバチからすると、下方向の高さが2倍になったように見えます」


「この条件だと、ミツバチは飛べなくなっていました。地面に墜落するようになっていたのです」


「スタートから40㎝ほど進んだところで、高度を失い、墜落しました。床にぶつかって、まともに飛べなくなっていました」


「さらにですね、床だけでなく、天井も鏡張りにした所、すごい結果になりました」


「ミツバチはスタートから8㎝ほどしか進めなくなっていました。ちょっと進んだだけで、高度を失い床に墜落したのです」


「実験はこれだけではありません。トンネルの前半の鏡は覆い、後半は鏡張りにするという構成にしました」


「その結果、前半は普通に飛べたのに、後半に入った瞬間に墜落するようになったのです」


「鏡がミツバチを狂わせるのです」


「不思議な結果ですよね。どうしてミツバチは地面が鏡になっていると上手に飛行できないのでしょうか?」


「それは、ミツバチが地面からの視覚的な情報を頼りに高度を維持しているからと考えられます」


「要するに目測で高度を決めているのです」


「しかし、地面が鏡になると、目測が狂います。地面からの情報を得ようと高度を下げます。ですが実際には鏡の床が認識しているより、近くにあるため墜落してしまうのです」


「ミツバチからすると、地面はもっと下にあるはずなのに、なぜか見えない壁にぶつかっている、という状態になるのです」


「ちなみに、このような感覚を失うのはミツバチに限った話ではありません。パイロットにも似たようなことが起きます。空間失調症という現象です」


「夜や霧の中で飛行していると、視覚からの情報が遮断されるので一時的に平衡感覚を失います。機体が上昇してるのか、下降しているのか分からなくなります」


「まあ、パイロットの場合、計器からの情報があるので、大事には至りません。しかし、ミツバチの場合はその補佐を受けられないので、困ったことになってしまうのです」


「読者様は鏡張りの床の上を歩けますか?」


「もし、歩けないのなら、前世はミツバチだったのかもしれません。遠い昔の記憶を思い出し、足がすくむのかもしれませんね」


「ということで今回のまとめです」


「研究者はミツバチが鏡の上を飛行できないのか、オリジナルのトンネルを作って調査したよ」


「すると、ミツバチは床が鏡だと上手に飛べないことが判明したよ」


「天井が鏡でも問題ないけど、床が鏡だとダメみたい。しかも、床と天井の両方が鏡だと、余計にダメになるみたい。不思議だね」


「どうやらミツバチは視覚的な情報から高度を維持するため、地面が鏡になると情報を得られなくなって墜落するみたい」


「今回の研究はミツバチで行われましたが、過去には別の昆虫で行われたこともあります。その際は、鏡の上も普通に飛行できていました」


「そのため、すべての昆虫が視覚からの情報で高度を維持している訳ではないようです。あくまでミツバチは視覚に頼っているという話です」


「読者様、ミツバチを捕まえたいのなら、地面に巨大な鏡を設置するといいかもしれません。エサでおびき寄せて、鏡の上を飛行させましょう。きっとたくさんのミツバチが墜落しますよ」


「今回は『【悲報】ミツバチは鏡の上を飛べない』でした。大体の問題は知識で解決できる」


「ありがとうございました。次は『クルミを食べている子供は頭が良くなるかもしれない』です! バイバイ」

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