1276_サイコパスは失敗から学ばない #性格 #失敗
「大学は苦労していたイギリスの小説家オリヴァー・ゴールドスミスは『われわれにとっての最大の名誉は、一度も失敗しないということではなく、倒れるごとに必ず起き上がることである』と言ってます。失敗が問題ではありません、失敗して諦めることが問題です」
「やっほー、知識を増やすことは人生の至福。世界一の美女サクラです! 今回は『サイコパスは失敗から学ばない』です。よろしくね」
「読者様はサイコパスにどのようなイメージを持っていますか?」
「サイコパスといえば、平気で嘘をついたり、他人を利用したり、衝動的に行動したり、自己中心的、自信過剰、恐怖や不安とは無縁の存在など、様々なイメージがあります」
「で、サイコパスって何となく仕事ができるイメージもありませんか?」
「冷酷な決断を下せるので経営者に向いているなど言われたりします」
「しかし、そんなサイコパスには経験において大きな欠点があるみたいです」
「今回はサイコパスの経験に関する特徴についてお話しします」
「参考文献はオランダのラドバウド大学などの研究となります」
「研究者はサイコパスの特徴を調べるため、健全な111人に協力してもらいました。平均年齢29歳、女性61人、男性47人、ノンバイナリ2人です」
「まず参加者には、アンケートを行いました。他人を操る傾向があるか、感情が欠如していないか、衝動性などを調査してサイコパス傾向を調べました」
「次に、痛みの耐性を調べました。昔からサイコパスの人は痛みに鈍感、と言われています。参加者の腕に電気ショックを与えて、痛みに耐えられるか調べました」
「で、最後に学習について調べました。参加者には二つの選択肢が与えられ、どちらかを選びます。その際、成功すると報酬を得られ、失敗すると罰があります。何度か繰り返して、参加者がどのように学ぶのか調べました」
「そしてサイコパス傾向がある人の特徴を分析したのです」
「さて読者様、サイコパスは経験においてどのようなマイナスを背負っているのでしょうか?」
「経験をすぐに忘れてしまうのでしょうか?」
「サイコパスは実は鳥頭だったのでしょうか? 記憶力に問題を抱えていたのでしょうか?」
「反対に経験を重視しすぎるのでしょうか?」
「成功体験に固執して、何度も同じ失敗を繰り返していたのでしょうか?」
「それとも反省しないのでしょうか?」
「経験を忘れることはないが、失敗を顧みない特徴が確認されたのでしょうか?」
「はたして、サイコパスは経験をどのように扱っていたのでしょうか?」
「100人以上を対象にサイコパス傾向と学習について調べた結果、サイコパスはーー」
「失敗から学びを得ていませんでした!」
「正確に言うと、痛みを伴う失敗から何も学びを得ていませんでした」
「通常、痛い目を見ると学習する物です。食べ過ぎてお腹が痛くなった、お酒を飲みすぎて頭が入たくなった、硬い壁を殴って拳が痛くなった、詐欺師に騙されてお金を失ったなどの経験をすると、もう二度としないと反省と後悔をするものです」
「しかし、サイコパスは痛みがあっても反省も後悔もしないみたいなんです」
「学習に関する実験では、失敗するとお金を失うか電気ショックを与えられました。アタリとハズレはランダムなため、アタリを予想することは不可能です」
「研究者が見ていたのは、ハズレを引いた後の行動です」
「サイコパス傾向が低い人はハズレを引いた後、自分の選択を変えることが多かったです」
「一方、サイコパス傾向が高い人はハズレを引いても、自分の選択を変えることは少なかったです。お金を失ったり電気ショックを受けても自分の信念を曲げなかったのです」
「信念を曲げないのならいいのでは? と考えそうですが、違います。これは反省していないだけです。失敗から何も学んでいないだけだったのです」
「成功確率が高いから信念を曲げないのではありません。単に何も学習していない結果だったのです」
「ならばサイコパスの人は失敗から何も学ばないのでしょうか?」
「いいえ、そんなことはありません」
「というのも、痛みがない場合だと、状況が異なっていたからです」
「ハズレを引いてもペナルティがない場合、自分の信念に固執する傾向は確認されませんでした」
「つまり、サイコパスは痛みを伴う失敗からは何も学びませんが、痛みがない場合は学ぶ可能性があるのです」
「不思議ですね。普通は痛みがあると学び、痛みがないと学びません。サイコパスは逆みたいです」
「サイコパスの人に反省を促すためペナルティを与えても、あまり効果はないのかもしれません」
「ちなみに、サイコパスが痛みを伴う失敗から学ばないのは痛みに鈍感だからだと考えられています」
「普通は痛みを感じることでも痛みを感じにくいので、失敗から学ばなかったり自分の信念を曲げないみたいです」
「ということで今回のまとめです」
「研究者は健全な人を100人以上集めて、サイコパス傾向とその特徴を調べたよ」
「すると、サイコパス傾向が高い人は痛みがある失敗から何も学ばないことが判明したよ」
「サイコパスの人に反省させたり、失敗から学ばせるのは難しいかもしれないね」
「今回の研究ですが、あくまで一般人を対象にしています。世間ではサイコパス傾向が高いかもしれませんが、犯罪者などのよりサイコパス傾向が高い人は対象になっていません」
「犯罪者にも当てはまるかは不明です」
「昔からサイコパスは痛みに鈍感と言われています。痛みを与えてもあまり効果がないのは確かでしょう」
「物理的・精神的にダメージを与えてもへこたれない、それがサイコパスです」
「まあ、非情な決断をする際は、この性格がありがたかったりするのですが」
「今回は『サイコパスは失敗から学ばない』でした。大体の問題は知識で解決できる」
「ありがとうございました。次は『過労の人は脳が大きいが……』です! バイバイ」




