1214_目標達成には公言することが大事だが、誰に話すかが鍵 #目標 #人間関係
「父親の無心に生涯悩まされたイタリアの彫刻家ミケランジェロは『私たちにとって最大の危機は、高い目標を目指して失敗することではなく、低い目標を目指して達成することである』と言ってます。低い目標を達成しても糧になるどころか、害悪になるかもしれません」
「やっほー、面白い知識をたくさん知りたい。世界一の美女サクラです! 今回は『目標達成には公言することが大事だが、誰に話すかが鍵』です。よろしくお願いします」
「読者様は達成した目標がある時、その目標を公言しますか?」
「目標を公言することをパブリックコミットメントといい、様々なメリットがあると考えられています」
「宣言することで責任が発生し、より一層努力するようになる」
「他人の目がプレッシャーになるので、サボれなくなる」
「目標を公言することで自然と周囲のサポートを受けられる」
「などの理由から、目標を公言すると達成しやすくなると考えられます」
「しかし、目標を公言しても上手くいかないパターンもあります」
「せっかくのパブリックコミットメントが無駄に終わることもあります」
「その失敗の原因はなんなのでしょうか? もしかしたら、それは話す相手が悪かったのかもしれません」
「実は、目標を宣言する際、誰に話すかで目標の成功のしやすさが変わるのです」
「そこで今回は、目標は誰に話すべきか、について考えたいと思います」
「参考文献はアメリカのオハイオ州立大学の研究となります」
「研究者は目標の公言とその達成率を調べるため、複数の実験を行いました」
「会社で働いている人が目標を話しているかどうか調べて、さらに誰に話しているか調べて、話した相手によって成功率が変わっているのか調べる実験」
「大学生を集めて、タスクをこなしてもらい、同じタスクを行う前に次のタスクの目標を書いてもらい、さらに、その目標を誰かに話したら達成率が変わるのか調べる実験」
「大学生を集めて、学期の最初に高い目標を立ててもらい、その目標を誰に話すかで成功率に違いが出るのか調べる実験」
「目標を話した相手をどれくらい気にしているのか調べて、それがどの程度影響するのか調べる実験」
「これらの実験を行って、目標を話す相手によって、成功率が上下するのか調べました」
「さて読者様、目標は誰に話すべきでしょうか?」
「友達や家族などの近しい人でしょうか?」
「気心を知れている相手に伝えることで、監視の目が厳しくなります。強いプレッシャーを感じて、努力するのでしょうか?」
「一方で、強すぎるプレッシャーは萎縮を引き起こします。適度に距離が離れた相手、同僚やクラスメイトなどの知り合いに話すといいのでしょうか? 少し弱めのプレッシャーがよかったのでしょうか?」
「不特定多数の人に公言するのがよかったのでしょうか?」
「SNSで顔も見えない相手に知らせることで、いい感じのプレッシャーとなり、成功に近づくのでしょうか?」
「はたして、目標達成に近づくためには誰に目標を公言するとよかったのでしょうか?」
「複数の実験を行って、目標の公言について調べた結果、目標達成に近づく公言相手はーー」
「偉い人でした!」
「研究では、目標を上司に話した場合と同僚に話した場合、教師に話した場合とクラスメイトに話した場合、研究者に話した場合とアシスタントに話した場合など、目標を公言する相手を自分の立場と同じくらいの人と異なる人に変えました」
「その結果、自分より立場が上の人に目標を公言すると、目標の達成率が上がっていたのです」
「同僚やクラスメイト、部下や後輩に目標を宣言しても目標達成に近づきません」
「目標を宣言するなら、自分より上の人にしましょう。少しだけ、目標達成に近づきます」
「ただし、公言する相手を意識しすぎると逆効果になることもあります」
「公言することで、相手に認められたい、褒められたいなどの感情が生まれます」
「ポジティブな感情から、より努力をするようになり、目標を達成しやすくなります」
「しかし、相手を気にしすぎると、認められるか分からない、褒めてもらえるか分からない、と期待が不安に変わります」
「不安は努力の質を下げます。不安はパフォーマンスを下げます。結果として、目標から遠ざかることになります」
「ですので、自分が強く意識している偉い人に目標を公言することは、あまりオススメできません」
「尊敬している相手はいいでしょうが、目標にしている相手に目標を公言するのはダメかもしれません。注意してください」
「また、自分より下の立場の人に目標を公言した場合、目標を公言しなかった人より目標の達成率が低くなりました」
「部下や後輩に目標を宣言しても、意味はないみたいです」
「パブリックコミットメントを活用するなら、自分より偉い人に限ります」
「政治家の人には公約があるじゃないですか。でも、あまり達成されませんよね? もしかしたら、市民は自分より立場が下だと思っているので、公約を宣言しても、やる気が上がらなかったり、努力しなかったりするのでしょうか?」
「はてさて、ということで今回のまとめです」
「研究者は目標を誰に公言するかで目標の達成率が変わるのか調べたよ」
「すると、自分より上の立場の人に目標を公言していたら、目標達成に近づいていたよ」
「ポジティブな感情が生まれるから、努力に励むみたい」
「でも、自分より下の立場の人に目標を公言すると、目標達成から遠ざかるよ。部下や後輩に目標を宣言しても、やる気にならないみたい。気を付けてね」
「読者様も達成した目標がありましたら、上司や先輩などの尊敬している相手に宣言しましょう。少しだけ、達成しやすくなりますよ」
「また、読者様が上の立場なら、下の立場の人の目標を積極的に聞き取りましょう。目標を公言させることで、頑張ってくれるようになるかもしれません」
「ただし、世の中には目標を公言することに満足してしまい、実際に努力に移らない人もいます」
「パブリックコミットメントが逆効果になる場合もあります」
「他にも、高い目標を決めてしまったがために、期限までに目標を達成するため無茶をする人もいます」
「周りからのプレッシャーは時には味方になりますが、時には敵になります。目標はきちんと考えてから、宣言してください」
「口は災いの角、それとも、有言実行」
「今回は『目標達成には公言することが大事だが、誰に話すかが鍵』でした。知識はすごい」
「ありがとうございました。次回は『たった10秒の軽い運動でも脳の血流はアップする』となります! バイバイ」




