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121_ロボットに見られると集中力が奪われるぞ #集中力 #認知

「ヘレン・ケラーの家庭教師であるアン・サリヴァンは『知識は愛であり光であり、未来を見通す力なのだ』と言い残したそうです」


「やっほー、賢明なる読者様。読むだけで人生よくなる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『ロボットに見られると集中力が奪われるぞ』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は他人の視線に耐えられますか?」


「大抵の人は誰かに見られていると、気になると思います」


「え? 『そんなことはない。むしろ見られているほうがいい』ですか。中々の強心臓の持ち主ですね」


「一部の例外を除いて、人は誰かに見られていると集中力が失われます。読者様も一人での練習では完璧にこなせても、いざ本番で人前に立つと上手くできなかった経験があるかと思います」


「私も何度も練習を重ねて、ようやく皆様に素晴らしい情報をお届けできるようになりました。日々の練習って大事ですね」


「やっぱり練習が一番なんですよ」


「……って、違います! 今回のお話は視線で集中力が途切れる、のが本題です」


「今回のお話はイタリア工科大学の研究です」


「他者の視線によって集中量が削がれるのはわかった。では、ロボットの視線だったら、どうなんだろうか? ということで、研究者はヒューマノイドロボットを使って実験を行いました」


「要は、人型ロボットに見られながら作業をすると、集中力は落ちるのか検証したのです」


「前回はロボットに褒められると作業効率がアップするなんて話をしました。今回はどうなんでしょうか?」


「研究者は、40人の参加者にチキンゲームをしてもらいました」


「どのようなゲームかと言いますと、車を直進させるのですが、同時に正面からも車が走ってきます。車と車がぶつかる前に避ける。という至極簡単な内容です」


「もちろんシミュレーションゲームです。実際に車を運転したわけではありません。安心してください」


「どれだけギリギリで避けられるか競っていた、というわけです、まさにチキンゲームです」


「ゲームの際、参加者には指示が与えられました。車がぶつかる前にロボットを見てもらいました。ロボットに見られている、と意識してもらうためです」


「しかも、ロボットはロボットで動きます。単なる置物ではありません」


「ロボットは参加者に見られると、目を逸らす、もしくは目を合わせたまま、のどちらかの行動を取ります」


「さて、読者様はロボットの視線によって、判断が変わると思いますか?」


「もし、そうなら、判断は早くなったのでしょうか? それとも遅くなったのでしょうか?」


「結果は、参加者はロボットに見られたままだと、反応が遅くなりました」


「たとえロボットであっても。見られているという感覚が付きまといます。そのため、意識の一部がロボットに持っていかれて、反応が遅くなりました」


「要は、ロボットであろうと見られていると、ロボットが気になります。そこに集中力を使ってしまうのです」


「この実験では脳波も測定していまして、脳の波形は注意を向けるパターンと似通っていたそうです」


「ロボットはよくも悪くも、人に影響を与えるみたいです。褒めてくれたらモチベーションに繋がり、見られていると集中力を奪う存在」


「使い方を間違わないようにしたいです」


「もしかしたら勘の鋭い読者様なら、『ロボットじゃなくても、そこに何かあるから意識が持っていかれた』と考えたかもしれません。いい着眼点です、花丸をあげましょう」


「実験でロボットは参加者に見られると、目を合わせたまま、と目を逸らすの二つの行動があります」


「まだ、ロボットが目を逸らした場合を話していませんでした」


「目を逸らした場合は、参加者の集中力が落ちることはありませんでした!」


「チキンゲームで反応するポイント、つまり車を避ける場所に変化はありませんでした」


「つまり、そこに何かある、だけでは人の集中力を奪うことはないのです。あくまで、見られている感覚が集中力を奪うのです」


「とても興味深い結果です。読者様も集中したい時は個室でしたほうがいいかもしれません」


「これからの時代、ロボットが活躍する機会は増えていくでしょう。その度に集中力を持っていかれては堪りませんね」


「ロボットはロボットと割り切るのか、それともロボットの視線に耐え抜く強靭な精神を手に入れるのか。読者様はどちらを選びますか?」


「え? 『引きこもりだから関係ない』ですか。その回答は予想外でした」


「ロボットと関わらない人生なら、関係ない話でしたね。その発想に脱帽です。とても素晴らしい考えだと思います」


「目から鱗な新情報が飛び出した所で、今回のまとめです。人に見られると集中力が削がれてしまうが、研究者はロボットでも同じことが起こるか調べたぞ」


「結果、ロボットに見られていると、やっぱり集中力が削がれちゃうぞ」


「見られている感覚を振り払うには多大な労力が必要です。誰かと一緒にいる時に集中する必要があるなら、心の片隅に留めておいてください」


「何かしら、役立つと思います」


「とはいえ、”058_視線が合うのは気のせいじゃない?”では見られている感覚は気のせいと結論が出ています」


「モナリザの視線が気のせいなら、ロボットの視線も気のせいかもしれません……」


「無駄に自意識過剰を発揮して、集中力を持っていかれるようなバカな真似はしないでくださいね」


「人が他人を見ていないように、ロボットも読者様のことを見ていないかもしれません」


「それに、ロボットの視線が問題になったら、カバーでも被せればいいのです。ロボットはセンサーで関知しているので、目を隠しても問題ありません」


「視線を合わせなければ、集中力が削がれることもありません」


「これで万事解決です!」


「ということで、今回は『ロボットに見られると集中力が奪われるぞ』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」


「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『アイコンタクトは短くても長くてもダメだ』で、お会いしましょう」


「もしくは、読者様が気になるお話でお待ちしております。バイバイ」



参考文献

Mutual gaze with a robot affects human neural activity and delays decision-making processes

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