1174_チームでいいアイデアを作るには? #アイデア #チーム
「ノーベル化学賞とノーベル平和賞を受賞しているアメリカの物理化学者ライナス・ポーリングは『できるだけ多くのアイデアを持っていなければ、本当によいアイデアは生まれない』と言ってます。アイデアは質も大事ですが、その前に量がなくてはスタートラインに立てません」
「やっほー、新しい知識は面白い。世界一の美女サクラです! 今回は『チームでいいアイデアを作るには?』です。よろしくお願いします」
「現代では斬新なアイデアがかなり重要です」
「お金がなくてもアイデア次第ではヒット商品を生み出したり、顧客に満足してもらえるサービスが生み出せます」
「アイデアさえよければ、弱者も強者に勝てたりします」
「そんなアイデアですが、一人で黙々と考えることもあれば、皆で集まって考えることもあります」
「一人で考える場合は、ぼーっとしたり、インプットを増やしたり、自然と触れ合うといいアイデアが浮かんだりします。まあ、大半は益体もないアイデアですが……」
「では、チームでアイデアを考える場合は、どうしたらいいアイデアが浮かぶのでしょうか?」
「会議室に集まって、自由に話し合うといいのでしょうか? それとも、何かしら制限を設けたほうがいいアイデアが出てくるのでしょうか?」
「そこで今回は、チームでいいアイデアを生み出すための方法を紹介したいと思います」
「チームの取り組み次第で、いいアイデアを生み出せるか、ゴミのようなアイデアが生まれるか左右されるみたいです」
「参考文献はアメリカのニューヨーク州立大学ビンガムトン校などの研究となります」
「研究者はチームでいいアイデアを生み出す条件を調べるため、オンラインで617人の大学生を集めました」
「参加者を1チーム20人~25人に振り分け、アイデアを出すタスクに挑戦してもらいました」
「タスクは二種類ありました。一つ目は、ノートパソコンのキャッチコピーを考えます。二つ目は、短い小説を書きます」
「提出されたアイデアを外部の人に評価してもらって、いいアイデアを生み出すチームの条件を調べました」
「ランダムにチームを作っても、いいアイデアを生み出すチームの条件は分かりません。研究者はチームを作る際に、条件を設定しました」
「まずは、コミュニケーションで三つの条件に分けました」
「その①、全チームメイトが自由にアイデアを交換できる」
「その②、限られたチームメイトとしかアイデアの交換ができない」
「その③、ランダムに選ばれたチームメイトしかアイデアの交換ができない」
「さらに、参加者の背景も考慮して、チームを作成の際に三つの条件を課しました」
「その①、同じ人、似たような人を集める。同じ学部や似たような専門分野の人を集めました」
「その②、ランダムに集める。専門分野がそれなりにバラけるようにしました」
「その③、完全に専門分野が異なる人を集める。まったく異なる勉強をしていた人たちを集めました」
「それぞれの条件でチームを作成し、アイデアを出してもらいました」
「期間は10日間、毎日15分アイデアを出しました」
「さて読者様、どのチームが一番いいアイデアを出していたのでしょうか?」
「自由に話し合えるチームがよかったのでしょうか?」
「自由に話し合えると、知らない知識や新しい意見に出会える確率が高そうです。様々な意見の組み合わせが行えるので、いいアイデアがでたのでしょうか?」
「限られたメンバーとしか話せないと、知識の幅は狭くなりますが、深い知識に触れることができます。濃密な時間がいいアイデアを生む条件だったのでしょうか?」
「専門分野はどうだったのでしょうか?」
「同じことを学んでも、感じ方は異なります。この差がいいアイデアには必須だったのでしょうか?」
「それとも、正反対な人と組み合わせるのがよかったのでしょうか? 普通なら生まれない組み合わせも生まれそうな予感がします」
「はたして、いいアイデアを生み出すチームとは、どんなチームだったのでしょうか?」
「大学生に様々なチームを組んでもらってアイデアを出してもらった結果、いいアイデアを出していたのはーー」
「限られたチームメイトとしかアイデアの交換ができなくて、参加者がランダムに集められたチームでした!」
「ディスカッション相手が適度に決まっており、チームメイトとそれなりに専門分野が異なると、一番いいアイデアを生み出せるみたいです」
「反対に、チームメイトが自由にアイデアを交換できると、いいアイデアを生み出せなくなっていました」
「つまり、自由すぎるのはダメで、適度に制限があるほうがいいアイデアは生まれやすいみたいです」
「どうして制限があるといいアイデアが出てくるのでしょうか?」
「制限を設けると、少人数のチームが形成されます。人数が少ないので、意見交換が活発になります」
「その上、適度に専門分野が離れているのと、多種多様な意見が出てきます。それぞれの分野のいい部分を集めて、アイデアが洗練されるのです」
「そして、小さなチームの洗練されたアイデアは、他のチームのアイデアと統合されたり、刺激を受けるのでより洗練されます」
「そのため、質のいいアイデアが生まれるみたいです」
「一方、自由にアイデアを交換できると、どうしてダメなのでしょうか?」
「それは、多様性がなくなるからです」
「自由に意見を言い合えるのなら、多様性が生まれそうなものですが、結果は違います」
「というのも、人間はたんさん人数が集まると同調してしまうからです」
「一ついいアイデアが出てくると、他の人が「それはいいアイデアだ」と意見を合わせます。すると、どんどん他の人も同調してきます」
「そうなると、別の人がいいアイデアを持っていても言い出しにくくなります。空気が読めてない、となるので意見を引っ込めることになります。最初に生まれたアイデアの議論しかしなくなるので、多様性がなくなるみたいです」
「読者様もチームでアイデアを募る際は、大人数にならないようにしましょう」
「メンバーを分けて少人数のチームを作りましょう」
「また、同じような人を集めるのではなく、適度に専門分野が異なる人を集めましょう」
「似たような人を集めたら、似たようなアイデアしか出てきませんよ」
「ということで今回のまとめです」
「研究者はチームでアイデアを生み出す際、いいアイデアを生み出せるチームの条件を調べたよ」
「すると、全員が自由にアイデアを交換できるより、特定の人とした意見を交換できないほうが、いいアイデアが生まれていたよ」
「それに、適度に背景の異なる人を集めるといいことも判明したよ。多様性が大事みたいだね」
「自由であれば、いいアイデアが生まれる、というのは幻想です」
「人は、適度な制限があったほうがいいアイデアを生み出しやすいです。自由すぎると選択肢が多くなるので、最適なものを選びづらくなるのでしょう」
「それぞれでアイデアを出して、アイデア同士を足したり組み合わせたりすることが重要です」
「全員で一斉によーいドン、ではいいアイデアも生まれません。グループ分け、チーム分けがいいアイデアを生み出す第一歩です」
「今回は『チームでいいアイデアを作るには?』でした。知識は素晴らしいですね」
「ありがとうございました。次回は『【徒歩・交通機関・運転】通勤ストレスを比べてみました』となります! バイバイ」




