1168_子供の賢さは育った環境ではなく親の遺伝の影響のほうが大きい #認知 #遺伝 #環境
「音楽の造詣も深かったフランスの神学者アルベルト・シュバイツァーは『人は自分の問題を環境のせいにするのをやめなければならない』と言ってます。問題はいつだって、自分の心の中にあります」
「やっほー、新しい知識は面白い。世界一の美女サクラです! 今回は『子供の賢さは育った環境ではなく親の遺伝の影響のほうが大きい』です。よろしくお願いします」
「読者様は自分が賢いと思いますか?」
「賢さというのは色々な要素に影響を受けます」
「たとえば、環境です。勉強できる環境にいることは重要です。学校や塾に通える、教え上手な先生がいる、読みたい本を読めるなどです」
「孟母三遷の教えにあるように、環境は大切です。悪い影響を受けないことも大事です」
「また、賢さは遺伝も影響していると言われています。親が賢ければ、子供も賢くなりやすいです」
「蛙の子は蛙とも言います。親子が似ることは当然です」
「では、環境と遺伝、どちらが子供の賢さに大きな影響を与えるのでしょうか?」
「子供の賢さを語る上で、どちらのほうが比率が大きいのでしょうか?」
「今回は、子供の認知能力は環境と遺伝、どちらのほうが影響が大きいのかについてお話しします」
「参考文献はドイツのビーレフェルト大学の研究となります」
「研究者は子供の認知能力は親の遺伝の影響が大きいのか、育ってきた環境の影響が多きのか調べるため、双子に協力してもらいました」
「一卵性双生児と二卵性双生児のデータを分析して、環境と遺伝のそれぞれの影響を調べました」
「双子はほぼ同じ環境で育ちます。そのため、環境の影響が大きいのなら、一卵性と二卵性で同じような認知能力になります」
「しかし、遺伝の影響が大きいのなら、一卵性では遺伝子が同じなので、認知能力も同じになります。二卵性では遺伝子が半分しか同じではないので、能力に差が出てることになります」
「だからこそ、双子が研究に選ばれたのです」
「また、データには子供の頃の認知能力と成人してからの認知能力が含まれていました。認知能力の成長についても考慮しています」
「さて読者様、子供の認知能力は環境の影響が大きいのでしょうか? それとも遺伝の影響が大きいのでしょうか?」
「環境の影響が大きいのなら、親の賢さが低くても努力でカバーできます」
「ところが、遺伝の影響が大きいのなら、親が賢くないと努力しても大きな成果は得られないかもしれません」
「反面、親が賢ければ、努力せずとも賢くなれるかもしれません」
「テスト前に『全然勉強してないから』と言って、高得点を叩き出す奴の正体は、遺伝子に恵まれた子供だったのかもしれません」
「もしくは、環境と遺伝の影響はちょうど半々だったのでしょうか?」
「はたして、蛙の子は蛙だったのか、それとも鳶が鷹を生むことがあるのか、どうだったのでしょうか?」
「双子の認知能力を調べた結果、子供の認知能力に大きな影響を与えるのはーー」
「遺伝でした!」
「子供の認知能力を調べた結果、環境よりも遺伝の影響のほうが大きいことが判明しました」
「親子の認知能力が似てくるのは、育った環境が似ているからではなく遺伝子が似ていることが影響していたようです」
「というか、今回の研究では環境はほとんど意味がないことが判明しました。影響力は無視できるほどに小さかったよです」
「一般的に子供の頃は遺伝子よりも環境のほうが子供の成長に大きな影響を与えると言われています」
「しかし、今回の研究では、それらを裏付ける証拠は確認されませんでした」
「環境が認知能力にまったく影響を与えないとは言えません」
「兄弟姉妹がいる、友達、外での活動など、遺伝以外の影響は無数にあります。遺伝だけで子供の能力が決まるとは言えないでしょう」
「ちなみに、子供の運動能力、性格、IQ、創造性などは比較的遺伝の影響が大きいと言われています。他にも、身長や体重も遺伝の影響が大きいみたいです」
「ですが、詳しいことは分かっていないので盲目的に信じるのはやめましょう」
「鳶が鷹を生むことがあったり、烏の白糞だったり、出藍の誉れという言葉もあります」
「非凡な親から優秀な子供が生まれることは不思議ではありません。諺や慣用句があるということは、昔からよく見られたからでしょう」
「まあ、蛙の子は蛙だったり、瓜の蔓に茄子はならぬだったり、燕雀鳳を生まずだったりするのも普通のことです」
「この親にしてこの子あり、という状況も当たり前です」
「結局のところ、子供が親に似るか、親とかけ離れた存在になるかは、育ってみないと分からないです」
「ですので、遺伝についてはあまり深く考えないほうがいいでしょう。親が子供にするべきは、最高の環境を用意してあげることです」
「ということで今回のまとめです」
「研究者は双子のデータを使って、子供の認知能力は育った環境の影響が大きいのか、それとも親の遺伝の影響が大きいのか調べたよ」
「すると、子供の認知能力は親の遺伝の影響が大きかったよ」
「環境の影響はほとんどないことが判明したよ」
「親子は似るみたい」
「読者様は賢かったですか?」
「その賢さは、もしかしたら親の影響を受けていたのかもしれませんね」
「でも、本人が努力をしていれば、親を越えることはできます」
「自分ができないことを遺伝子のせいにしないでくださいね。単なる怠慢の可能性がありますよ」
「今回は『子供の賢さは育った環境ではなく親の遺伝の影響のほうが大きい』でした。知識は素晴らしいですね」
「ありがとうございました。次回は『新しいことを覚えるとき、声に出すのはよくないかもしれない』となります! バイバイ」




