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1158_無知な人ほど自分の意見に自信満々になる #意見 #自信

「晩年はポール・ロワイヤル修道院に隠退しているフランスの数学者ブレーズ・パスカルは『無知をおそれてはいけない。偽りの知識を恐れよ』と言ってます。知らないこともり、時に間違っている知識のほうが危険です」


「やっほー、知識は心を奮わせてくれる。世界一の美女サクラです! 今回は『無知な人ほど自分の意見に自信満々になる』です。最後までよろしくお願いします」


「読者様は自分の意見を自信満々に主張する人に出会ったことはありますか?」


「私の意見は絶対に正しい、僕の意見が間違っているはずがない、俺についてくればいいんだ、みたいな主張をしている人たちです」


「世の中には、なぜか分かりませんが、自分の意見が完全に正しいと信じて疑わない人がいます」


「どうして、こうなってしまうのでしょうか?」


「世の中には絶対なんて存在しません。自分の意見が間違っている可能性はあります。それでも、自分を疑わない理由はどこにあるのでしょうか?」


「ということで今回は、自分の意見が正しいと主張する人の特徴についてお話ししたいと思います」


「参考文献はアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学などの研究となります」


「研究者は自分の意見が正しいと信じる人たちの特徴を調べるため、1261人に協力してもらいました。平均年齢は40歳です」


「参加者には架空の記事を読んでもらいました。タイトルは『私たちの学校の水が消えつつある』です」


「内容は、水が枯渇している地域に位置する学校が、水が豊富な別の地域の学校と合併するか、もしくは別の解決策を探すかどうか、というものです」


「記事を読んだ後、参加者は三つのグループに分けられ、それぞれ別の意見を主張する記事を読みました」


「一つ目のグループは、合併に賛成するという内容の記事を読みました」


「二つ目のグループは、合併に反対し、別の解決策を模索するべき、という内容の記事を読みました」


「三つ目のグループは、合併に賛成と反対の両方の記事を読みました」


「記事を読んだ後、参加者は学校が直面している問題について自由に回答してもらいました」


「そして、読んだ記事によって回答にどのような違いが出たのか調べたのです」


「要するに、賛成の記事を読んだ場合、反対の記事を読んだ場合、賛成と反対の両方の記事を読んだ場合、それぞれで意見に違いが出るのか調べたのです」


「さて読者様、どのような違いが出たのと思いますか?」


「賛成の記事を読んだ人は、賛成に傾くのでしょうか?」


「記事の内容を素直に読み取って、賛成に一票投じるのでしょうか?」


「反対の記事を読んだ人は反対に投票するのでしょうか?」


「それとも、読んだ記事と逆の行動をしていたのでしょうか?」


「賛成の記事を読んだ人は反対に、反対の記事を読んだ人は賛成に、それぞれ傾いてたのでしょうか?」


「記事の内容が疑われて、信憑性を失っていたのでしょうか?」


「もしくは、読んだ記事に関係なく、賛成が増えていたり、反対が増えていたのでしょうか?」


「また、両方の記事を読んだ人はどうだったのでしょうか? 賛成も反対もしない中立な意見を主張していたのでしょうか?」


「はたして、賛成の記事、反対の記事、両方の記事で、どのような違いが出たのでしょうか?」


「1200人以上を集めて、賛成・反対の記事を読んでもらった結果、参加者はーー」


「情報が不完全な時に、自分が読んだ意見に流されていました!」


「しかも、自分は適切な判断をするに十分な情報を持っていると確信していることも確認されました」


「どういうことかと言いますと、賛成の記事を読んだ人は学校の合併に賛成する傾向が、反対の記事を読んだ人は学校の合併に反対する傾向が、それぞれ確認されました」


「その上、自分の意見は間違っていないと信じて疑わないことも確認されたのです」


「一方、賛成と反対の両方の記事を読んだ人は、賛成すべきか、反対すべきか迷っていました」


「最終的な決断では、賛成と反対がほぼ半々でした。どちらかの意見に傾くことはありませんでした」


「要するに、自分の意見に自信を持っている人は、情報の一側面しか知らない人、ということです」


「表と裏のどちからしか知らない人が、自信満々に意見を主張していたのです。しかも、自分はすべての情報を持っていると錯覚しているという厄介さも持ち合わせています」


「読者様の周りに自分の意見を自信満々に主張している人はいませんか?」


「その人は、情報の一部分しか知らない可能性が高いです。一部だけ切り取った情報を見て、主張している可能性が高いです」


「表と裏、両方を検証していない可能性があります。本当に正しいかは謎です」


「厄介なことに、情報は持っていないのに自信は持っています。自信があると正しそうに思えてしまいます。知識や経験に裏打ちされているから自信があるのだろう、考えてしまいます。ですが、それは間違いです」


「偏った意見に流されないためにも、自信満々に意見を主張する人には、反対の意見も聞くようにしましょう」


「反対の意見を主張する際に、しどろもどろになったり、明確な根拠がない場合は、片方の情報しか知らないことの証左になります」


「自信満々な人ほど傍迷惑な存在はいません」


「誰かに意見を聞く際は賛成と反対の両方を聞かなければ意味がありません。どちらかだけで判断しないようにしましょう」


「それでは今回のまとめです」


「研究者は自分の意見を自信満々に主張する人の特徴を調べたよ」


「すると、情報の一部分しか知らない人は、その情報に流されることが判明したよ」


「その上、自分は全部の情報を知っていると思い込んでいたよ」


「情報が不足していると、自信満々になりやすいみたい」


「読者様も自信満々に意見を主張している人がいたら気を付けてね。その自信がどこから来ているのか知らないと、偏った情報に流されちゃうよ」


「研究者は、このバイアスを情報の適切性の錯覚と呼んでいます。人間の脳は情報が少ないほど、自分はすべてを知っていると思い込む傾向があるそうです」


「というのも、自分がどれほど情報を逃しているか検証することがないためです。自分が知らない情報を進んで探すことは滅多にありません」


「ですので、自分の知っている情報がすべてだと錯覚してしまうようです」


「まあ、ネットの意見やメディアを見ていると、素人ほど断言する傾向があり、専門家ほど断言を避ける傾向があります」


「素人は自分とは反対の意見を知らないので、自分の意見が正しいと思うのでしょう。対して、専門家は賛成の意見も反対の意見も知っており、どちらにも妥当性を見出だしています。だからこそ、断言できないのでしょう」


「よほどのことがない限り、断言している人の意見は素直に受け取るのは控えましょう。まったくの的外れかもしれません」


「自信と意見の正当性は比例しません。自信に騙されないようにしましょう」


「今回は『無知な人ほど自分の意見に自信満々になる』でした」


「ありがとうございました。次回は『休日に来る仕事のメールが燃え尽き症候群の原因だ』となります! バイバイ」

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