1147_子供のうつ病の原因はSNSではなく親の過干渉だ #メンタル #子育て
「関ヶ原の戦いの軍功により豊前小倉城主になった江戸時代の武将である細川忠興は『齢八十にして親父の云うこと、ようやく心得たり』と言ってます。親の心子知らず、ですね」
「やっほー、知識は力なり。世界一の美女サクラです! 今回は『子供のうつ病の原因はSNSではなく親の過干渉だ』です。よろしく」
「近年問題になっているものの一つに、うつ病があります」
「子供、大人、高齢者、どの世代にもうつ病の患者はいます。世界的に見ても、うつ病は問題になっています」
「で、そんなうつ病の原因として挙げられるのが、SNSです」
「SNSが普及したことによって、うつ病が増えたという主張です」
「SNSを利用することで比較が生まれて劣等感を感じたり、ストレスが増えたりすることでメンタルを病むと考えられています」
「しかし、子供のうつ病の原因はSNSではないらしいです。SNS以外の要素で鬱になっているのかもしれないのです」
「今回は子供のメンタルヘルスを悪化させる原因についてお話します」
「参考文献はアメリカのボストン大学などの研究となります」
「研究者は子供のメンタルヘルスを調べるため、過去の文献を集めてレビューしました」
「そして、子供のメンタルへスルを悪化させている原因を特定しました」
「さて読者様、子供のメンタルが悪くなる原因は何だったと思いますか?」
「運動不足でしょうか?」
「運動は体も心も元気にします。現代では、外で遊ぶ機会が減りました。外で遊ばなくなったのでメンタルが悪くなったのでしょうか?」
「睡眠時間でしょうか?」
「いつでも、どこでも、暇潰しができるようになりました。テレビ、映画、動画、ゲームなど、時間が無限にあっても足りないくらい楽しいことが世の中に溢れています」
「楽しいことが増えたことで、睡眠時間が削られ、メンタルにも悪影響が出たのでしょうか?」
「食事はどうでしょうか?」
「不健康な食事は体も心も害します」
「加工食品、外食、お菓子、塩分、脂質など、美味しいものが食べれますが、代わりにメンタルを犠牲にしているのでしょうか?」
「はたして、子供のメンタルを悪化させる原因とは何だったのでしょうか?」
「子供のメンタルヘルスに影響を与えるものを調べた結果、子供のメンタルを悪化させる要因はーー」
「親の過干渉でした!」
「最近、ヘリコプターペアレントという言葉が生まれました」
「ヘリコプターペアレントとは、親が子供の周りに常にいて、干渉やコントロールすることです。ざっくり言えば、子供を必要以上に見張る親のことです」
「上空から常に監視する様子から生まれた言葉です」
「この、親による子への過剰な干渉によって、子供のメンタルが悪化していたようです」
「研究者は子供の自立活動について調べました」
「すると、昔に比べて子供の自立活動が大きく減っていることが判明しました」
「1971年のイギリスでは、子供が学校から一人で帰る割合は86%でした。1990年には35%、2010年には25%まで減りました」
「また、公共バスに一人で乗る割合も48%、15%、12%と、減っています」
「子供を一人にさせない傾向はアメリカでも確認されました」
「現代の子供は昔の子供に比べて、自由の少ない窮屈な生活をしているのかもしれません」
「研究者は過保護な親が増えたことで子供のメンタルが悪化したと考えているようです」
「というのも、子供の頃に自由にさせてもらって育つと、大人になってからの幸福度や自尊心が高いことが判明しています」
「また、社会的に成功している人の割合も多かったです」
「つまり、自由に育った子供ほど、メンタルに問題を抱えていなかったのです」
「健全なメンタルを保つには、自立心が必要です。自分で考え、自分で決めることが幸せに繋がります」
「しかし、親が決めたことしかせずに育つと、自立心が育ちません。大きくなっても自分で決めることができないので、メンタルヘルスが低下するのでしょう」
「他にも、この結果を裏付ける証拠があります」
「大学生とその親の過保護を調べた研究では、過保護な親に育てられた子供ほど、不安やうつになる可能性が増えていました」
「子供のためを思って、親は守っていると思いますが、過剰な守りは逆に子供のためにはなりません」
「本当に危険なことは止める必要がありますが、子供が安全な場所で遊ぶ時は、自由にさせたほうがいいのでしょう」
「子育てにおいて、子供を守るのと子供を見守るのは大きく違うようです。時には、子供を信頼して、子供の自由にさせましょう」
「ちなみに、メンタルヘルスの悪化がSNSのせいと考えている人の主張は、2000年代に入ってから子供の自殺率が増えているから、という理由のようです」
「確かに、2000年代に入ってから子供の自殺率は増えていますが、これにはからくりがあります」
「子供の自殺率は1970年代から1980年代にかけて増加していました。ですが、90年代に入ると、急激に下がりました」
「そして、2000年代以降にまた増えたのです」
「つまり、今の子供自殺率というのは、1970年代や80年代とそう変わらないのです。SNSのない時代と自殺率はどっこいどっこいです」
「いつの時代と比べるかで、結果は大きく変わります。SNSが原因かどうか判断するのは難しいです」
「もちろん、メンタルヘルスは一つの要因で決まるものではありません。公衆衛生の改善なども進んでいるので、一概にこれがうつ病の原因だ、とは断言はできません」
「ですが、今の子供のうつ病の原因がSNSばかりでないことも確かなようです」
「ということで今回のまとめです」
「研究者は子供の自立活動とメンタルヘルスの関係を調べたよ」
「すると、子供の自立活動は昔に比べて少なくなっていたよ。親と一緒に行動する子供が増えているみたい」
「この親の過干渉によって、子供のメンタルが悪化しているかもしれないよ。子供を守ることがすべてじゃないよ」
「子供にとって、遊びの時間はとても大切です。遊ぶことで、社会性、精神、感情、創造性、リスク、コミュニケーションなどを学びます」
「子供が自由に遊ぶ時間を奪わないようにしましょう」
「それと、宿題の増加も問題かもしれません。昔に比べて宿題が多くなりました。それによって遊ぶ時間が減っています」
「勉強も大切ですが、勉強がすべてではありません。時には時間を忘れて、自由に遊びましょう」
「過保護、よくない」
「それでは、今回は『子供のうつ病の原因はSNSではなく親の過干渉だ』でした。人生のお悩みは知識で解決よ!」
「ありがとうございました。高評価、コメント、リクエスト待ってます」
「次回の『公園に5分いるだけで気分は晴れる』で、お会いましょう! バイバイ」




