21 鈴の音って書いてスズネ。どやっ!
四角い型に、空気が残らないよう、そっとレジン液を注ぎ込む。
コンコンと軽く衝撃を与えて、気泡を浮かせていく。
何度かの工程を経て、ここまできたが、複雑な形の犬を封入しようとして、かなり苦労をしていた。
一応先に、犬をレジンでコーティングしておいたが、さあどうなるか。
犬の中心には、ご神木の粉末──神木粉を混ぜ込んだ粘土が仕込んである。
例の、ほとんど力を使い果たした枝を、粉末にしたものだ。
優佳の見立てでは、お守りの効果があるようなので、ひとまず安心したのだが、気軽に持ち運べるよう、アクセサリーに加工しようとたら、思ったより大変なことになった。
だがまあ、こういう苦労は嫌いじゃない。
夜のうちにできるだけ進めておきたかったが、日の出どころか昼も近い。
パソコンの上に置き、できるだけ光が当たらないように、覆いを被せておく。
このまましばらく放置だ。
待っている間に、一般向けのお渡し用お守りも準備する。
知り合いに配る分も含めて、とりあえず六十個ほど用意すればいいだろう。
窓辺で太陽光に晒していたものを、型から取り出す。
大丈夫そうだ。ちゃんと固まっている。これでやっと三十個を超えた。
形は、雫奈にちなんで雫形に。大きさは小指の先ぐらいだが厚みはない。
それを、アキツシズナヒメとアキツユカヤヒメが印刷された二種類の和紙で用途別に包もう……と考えているが、まだ和紙の調達や印刷方法までは調べていない。さらに言えば、イラストもまだだ。
型に新たなレジンを注ぎ、神木粉を封入する。
気泡を抜くため、軽くコンコンと衝撃を与える。
温かいパソコンの上に置いて、覆いを被せる。これもしばらく放置だ。
この待ち時間で、封入するイラストを考える。
やはり本来の姿で描くべきだろうが、金髪やピンク髪なのはどうだろう。とはいえ、それを変えてしまっては、二人の存在を否定するようで可哀想だ。
ならば、髪色はそのままで、装飾品や髪型で日本の神様っぽくアレンジするしかないが、これもまた難しい。
まあ、お守りの中を開ける奴は、そうはいないし、悪魔姿はともかく西洋女神姿なら、別にいい気もするが。
考えてみれば、俺もお守りの中を開けたことは無い。
墨で描いた札でも入っているのだろうか。
だったらカラーにする必要もないので、髪色の問題も解決する。
ペンタブを取り出してパソコンに向かう。
シズナは元気で可愛く、ユカヤは優美で気高く、どちらも羽衣和装の姿で描く。
印刷時の解像度が分からないので、線を太めにして極力減らす。それでも、萌え要素だけは、キッチリと押さえておく。ただし、萌えキャラにはしない……つもりだが、他人が見たらどう思うのか、ちょっと不安だ。
欲を言えば二柱の専用武器、弦楽器のような銃と、虚空から現れる鎖も表現したかったのだが、さすがにごちゃごちゃするので、諦めた。
これに背景を付けて着色すれば、立派なトレカになる……とは言わないが、これで十分だろう。
その画像データを、ケータイに送っておく。
思ったより早く終わってしまった。
まだ昼食まで時間がある。
もう一度、犬アクセの状態をチェックする。
どうだろうか。見た感じ、大丈夫そうだが……
もう少しレジンを注いで、七割ぐらいにする。
これでもう少し様子を見よう。
一般向けお守りのほうは、もう大丈夫だろう。
多少、変になっても、お守りとしての効力に影響はない。
太陽光の当たる、窓辺に置いておく。
さあどうしようか。
久しぶりに「姫」や「妹」の調整や、新しい衣装「巫女服」なんてものを作りたい所だが、やり始めると今日の残りが潰れそうだ。
せっかくだから、お守りの相談でもしようか……
雫奈や優佳は呼べば来てくれると思うが、それはかなり申し訳がない。
──仕方がない、買い物ついでに寄るとするか……
軽くお辞儀をして鳥居をくぐる。
参拝客がちらほら見える。
といっても狭い境内だ、確認できるだけで三人か。
時末さんが応対しているようだ。
俺と目が合った三藤さんが、お辞儀をする。こちらも軽くお辞儀を返す。
家の入口が丸見えなので、このまま入ったら目立ちそうだが、まあ仕方がない。
雫奈と優佳は二階にいるが、俺に気付いているようで、下に降りてきた。
それなら丁度いい。玄関で靴を脱ぎ、そのまま社務所へ向かう。
これは、三藤さんも交えて話したほうがいいだろう。
「ちょっと邪魔するぞ」
「どうしたんですか? 繰形さんがこちらに来るなんて、珍しいですね」
授与所に出ている三藤さんが、障子越しに返事をする。
たぶん、こちらとは、社務所のほうに……という意味だろう。
「ちょっと三藤さんにも相談があったんだが、今は無理そうだな」
「そうですね。お客様がいる間は、離れるわけにもいきませんからね」
「それでしたら、私が変わってきますね。兄さま」
優佳が巫女服で現れた。
いやまあ、俺が描いた服だが……
「おー、初めて見た気がするが、すごく似合ってるな」
「ありがとうございます。兄さま」
そう言うと、優佳はその場で優雅にターンをして、恥ずかしそうにうつむき加減で微笑むと、障子を開けて授与所へ出て行く。
うん、完璧だ。
優佳が授与所を手伝うのは、初めてじゃないようで、三藤さんが「いつも、ありがとね」と優佳にお礼を言って、中に入ってきた。
「すみません、お待たせしました」
「いえいえ、こちらこそ邪魔をして済まない。新しいお守りのことなんだが」
「あっ、この前聞いた、ご神木がどうのって話ですね」
「そうそう、それで、こんなものを作ったんだが、どうやって商品にしようかと思ってな」
雫形の物体をいくつか取り出す。
「うわ~、綺麗ですね」
「呼び名がないと不便なんで、仮に雫石って呼んでるんだが……」
「なるほど、雫奈さんだから、雫の形にしたんですね」
「熊とか木とかいろいろ考えたんだが、あんまり複雑になると大変だからな」
「そうなんですね。あっ、この中の欠片がご神木ですね」
うなずいて、雫奈にも渡す。
「どうだ。一応、お守りとしての効果はあると思うんだが」
「うん、大丈夫。これなら、お渡しできると思う」
女神が言うんだから間違いない。
「だけど、このままってわけにもいかんだろ? お守り袋とか、そんな経費込みでお渡し品にできるかを考えてもらいたい。あっ、あと、この雫石を保護するのに、紙で包もうと思うんだが、その紙に、神様の御姿が印刷されてたら、なんだかありがた味が増さないかと思って、こんなのを用意してきた」
ケータイの画面を二人に見せる。
例の、アキツシズナヒメとアキツユカヤヒメのイラストだ。
「えっ、これ、どうしたんですか? すごく可愛い神様ですね。……って、これ名前、逆じゃないんですか? たしかアキツシズナヒメがお姉さんでしたよね」
「まあ、普通そう思うよな。でも、これでいいんだ。秋月神社の文献では、そんな感じだったから。まだ全部解読されてないみたいだけど」
「ふむふむ、なるほど。ギャップ萌えですね」
──申し訳ない、秋月様。あとで報告に参ります。
……と、心の中で謝る。
はしゃぐ三藤さんに対して、雫奈は何も言わずにじっと見つめている。
「どうした、雫奈。嫌だったら別に拒否していいんだぞ。これはちょっとした遊び心って奴だからな」
「……あっ、ごめん。そういうわけじゃないの。こんなことしてもらって、いいのかなって。栄太、タダ働きなのに」
「……まあ、そうなんだが。でもまあ、気にするな。俺が神社にしてやれることは、こんな事ぐらいだからな」
──あれ? 今、雫奈、何かを誤魔化したよな……
まあいい。こっちは素材を提供するだけだ。後のことは雫奈たちに任せよう。
「繰形さんって、絵描きさんの知り合いがいるんですか?」
「ん? あっコレ? 俺が描いたんだが?」
「そ……そうなんですかっ?! 繰形さんの謎が、またひとつ増えました」
「俺の謎って何だよ」
「えー、だって謎だらけじゃないですか。ここの神主さんなのに、給料もらってなくて、滅多に来ないとか。私のピンチに現れてあっという間に解決してくれて、すごい人なのかなって思ったら、よく気絶しちゃうとか。
突然お守りを作って、絵まで描いて来るし。なぜか時末さんには、繰形殿って、すっごく尊敬されてるし。二人の信頼を篤いし。一体、何者なんですか?」
たしかに、それだけ聞くと、自分でも訳が分からない。
「俺はただの会社員で、雫奈の知り合いで、時々神社を手伝ってるだけだぞ」
「しかして、その実態はっ! この世に巣くう悪い奴をバッタバッタとなぎ倒す、闇の掃除人……とかだったら、面白そうですよね」
「俺は平和が一番だと思うがな……」
思わずドキッとしたじゃねぇか。
……って、そう言えば三藤さんは、雫奈と優佳が人間じゃないって知ってるんだよな。だったら、全くの冗談でもないのか?
まあ、ともかく……
「雫石は六十個ほど用意する。この画像も三藤さんに預けるから、好きなように使ってくれ。あっ、お守りが出来たら、ミヤチとユカリにプレゼントしてやって欲しい。三藤さんと時末さんも遠慮なくもらってくれ」
「はい、確かに画像、受け取りました。……あれ? 優佳さんの友達の……郡上さん? は、いいんですか?」
「ああ、美晴には別のを用意してあるからな。まあ、欲しがってたらやってくれ」
「分かりました。できるだけ安く、でも、ちゃんとした良い物を用意しちゃいますからね。じゃあ、優佳さんと変わってきますね」
すごい意気込みに圧倒されてしまう。
本当に、前向きで明るい人だ。
「雫奈、さっき、この絵を見た時、様子が変だったろ。何か気になる事でもあったか? 絵の修正ならいくらでもやるぞ?」
「ううん、そうじゃなくて。私、本当に土地神になったんだなって」
「誰にも認識してもらえなかっただけで、前から土地神だったんだろ?」
「そうなんだけど、神社で祀ってもらえるような神様になったって、まだ信じられなくて」
「まあ、姿も名前も、俺が勝手に変えちまったからな。そこはスマン」
「それは別にいいのよ。大事なのは私の存在を認識してもらえたってこと。神様の名前や姿が変わるなんて、よくあることでしょ?」
「そうだな。十以上の名前を持ってる神様もいるからな」
「だから、栄太には感謝しなきゃ」
そう言うと、雫奈は俺の方に寄ってきて、手で頭を優しく包み込む。
てっきり、頭を撫でられるか、抱きしめられるかと身構えたのに……
──えっ?
雫奈の唇が俺の額に触れた。
「ちょっ、な、何をされておるのですかな? 雫奈さん?」
「何その変な話し方。ただの祝福、ご褒美だから」
「でしたら、私からもご褒美を差し上げますね。兄さま」
「おい、優佳? こんな所で暴れるな。迷惑だろ」
「兄さまが、抵抗しなければいいのですよ」
まあ、俺が優佳に格闘戦で勝てるわけがない。
ありがたく祝福を頂き、おまけに雫奈から昼食まで頂いてしまった。
買い物をしてアパートに戻る。
雫石は、ちゃんと固まっていた。
取り出して次をセットし、気泡抜きをする。
犬アクセのほうも問題がなさそうなので、最後まで注いで、気泡を抜く。
そして訪れる待ち時間。
ドライヤーで温めれば一発だとは書いてあったが、そんなものはここにはない。
俺の髪は、常に自然乾燥だ。
まあ焦ることは無い。のんびりやろう。
会社への提出物は、簡単なものだったので、既に送った。だから自由だ。
何をしようかと悩んだ挙句、二柱の神様を、ちゃんとカラーイラストに仕上げることにした。武器……じゃなくて、神器だったか、それを込みの完全版だ。
途中で、雫石を壁際に移して太陽光に晒す。今回は犬アクセも一緒だ。
──よし、できた。
アキツシズナヒメとアキツユカヤヒメの、カラーイラストが出来上がった。
とはいえ、世に出せるものではない。
まあ、あるとすれば、静熊神社に奉納するぐらいか。
次の雫石をセットする。
犬アクセのほうは……、どうやらちゃんと固まったようだ。
ここから犬アクセの仕上げが始まる。
穴を貫通させてポールチェーンを通すことも考えたが、金属パーツを埋め込むことにした。
上部中央にドリルで穴を開け、液体と一緒に接続用の金具を埋め込む。
これが固まれば完成だ。
念のために、いろんな角度から太陽光を浴びせる。
雫石の方も、この後もう一回で、予定の数が出来上がる。
まだ十五時を回ったところなので、今日中には終わるだろう。
「そろそろ休憩しませんか? 兄さま」
「ああ、そうだな。……って、優佳、いつの間に」
「せやで、兄さん。根詰めすぎたら身体にわるいで」
「なんだ、美晴も一緒か。遊びに来たのか?」
いやまあ、二人が居ることはとっくに分かっていた。
隣の部屋だから、気にしていなかっただけだ。
驚いたフリも、美晴に向けた演技で、本当に驚いたわけではない。
「何をしてたんだ?」
「明日提出する、宿題やねんけど……」
「歴史のプリントなのですけど、暗記のお手伝いをしているのですよ、兄さま」
「歴史か……。美晴よ、チカラになれなくてスマン」
「うわ~ん、頼む前に断られてもた~」
いやまあ、そんなに苦手ってわけでもないが、俺の時とはかなり内容が変わっているようなので、力にはなれないだろう。
「後で見てあげますからね。美晴さん。ちょっと休憩にしましょうね。兄さまも一緒にどうですか?」
「そうだな。頼む」
当たり前のように美晴も手伝い、マットとテーブルを運んでくる。
あっという間に、おやつの用意が整った。
「みたらし団子か。こっちは?」
「それは、餡子入りの団子ですよ、兄さま。美晴さんが、頭を使ってお疲れでしょうから、甘いものが欲しくなるかと思いまして」
「ホンマに気ぃ付くええ子や。もう、優佳ちゃんはアタシの嫁やから、兄さんにはあげへんで」
「それで二人が幸せになるなら、俺は別に構わんぞ」
「えっ? ホンマか? やった~、兄さんから許しが出たで。優佳ちゃん、結婚しよ~」
なんだか美晴がおかしいが、元気が空回りするのはいつものことだ。
騒いでいる間に、雫奈が戻ってきたようだ。
どうやって……とは、あえて聞くまい。
「なんだか賑やかね。私もお邪魔するね」
「よっ、おつかれ」
通路から現れた雫奈は、ちゃんと外出着に着替えていた。
しかも、ちゃんと上着を脱いでいる。
「みたらし団子ですよ。姉さま」
「だったら、緑茶のほうがいいかな……」
そう言いながら自分の部屋に戻り、取ってきたのはお茶のセット。
コップも全員分ある。
すでに急須にお湯が入っているのか、ポットの横を通り過ぎる。
「なんだか、香ばしいかおりがするな」
「頂き物の、ほうじ茶なんだけど、たぶん合うと思うから試してみて」
………。
美味しかった。
みたらしの団子は少し固めだけど、少し焦げた所に、とろみの付いた甘いタレが絡むと、おこげの苦みも美味く感じる。
それに、餡入り団子のほうも、絶妙な甘さで、ほうじ茶とよく合った。
「ちょっ、ちょちょ、これ、どーしたん? うわ、めっちゃ可愛いやんっ!」
なんだか美晴が叫んでいる。
……あっ、見つかったか。
「ちょっと待て、美晴。まだ触るなよ」
ベッドに乗り、窓際に置いた、犬アクセを手に取る。
金具を突っつくが、どうやらちゃんと固定できたようだ。
念のために、逆さにしたり横にしたり、いろんな角度からチェックする。
……たぶん、大丈夫そうだ。
机に向かうが、その後ろを美晴がピタリと付いてくる。
用意していた二つのオプション、キーホルダーとストラップを交互につけて、強度を確かめる。
犬の姿も……良く見える。
よし、完成だ。
まさか、こんなに早く渡すことになるとは思わなかったが、まあいいだろう。
オプションもまとめて、美晴に渡す。
「えっ、なに? 見ても、ええのん?」
「静熊神社で新しいお守りを作ることになって、その材料を使ってちょっと遊んでみた。まあ、こんなに上手くできるとは思わなかったが、良かったら、もらってくれ。一応、これもお守りだからな」
美晴の目が、なんだかキラキラしている。
感動で息を忘れたのか、硬直したようになっている。
……と思ったら、食い入るように、犬アクセを見つめ始める。
「ホンマにシェルティーちゃんや。めっちゃ細かいんやけど、優しくて美人そうな顔やし、もっふもふ感もちゃんと出てるやん。ほんで、尻尾が可愛いんよな。そうそう、この感じ。なんか、遊んで遊んでって言ってるみたいやん」
大興奮で、凄い早口でまくし立てる。
まあ、そこまで喜んでもらえたら、作った甲斐があるってもんだ。
この間に、雫石を回収して、最後の一回分をセットする。
「兄さん。ホンマにコレ、貰てえぇのん?」
「もちろんだ。じゃなきゃ、そんな形にはしないだろ。シェルティーちゃんって、有名な犬なのか? 調べたら、あっちこっちに書いてあったが」
「えっ、なに言うてるの? あっ、なんや兄さん、面白いなぁ。シェットランド・シープドッグって長いやろ? せやからみんな、シェルティって呼んでんねん。まっ、愛称やな。アタシはシェルティーって伸ばすほうが好きやけど。あーでも、せやな。せっかくやから名前付けよっか」
なんだか、真剣に悩んでいる。
悩みながら、何だか、部屋を見回している。
「よし決めたっ! 今日からこの子は、鈴音ちゃんや。鈴の音って書いてスズネ。どやっ!」
その瞬間、見覚えのある現象が起こる。
テーブルが邪魔になるかと思って視線を向けると、既に片付けられていた。
──雫奈か優佳か分からんが、こうなることを分かってたのか?
とりあえず俺は、こういう時の定位置、ベッドの縁に座る。
よろけた美晴も、俺の横でベッドに座り、雫奈と優佳は、壁際に下がって場所を開けた。
美晴の手の中、犬アクセからあふれ出た光が、集まって……犬の姿になる。
アクセの中の犬と、ほぼ同じように見えるが、もっとちゃんと犬っぽい。
口を開けて、吠えるのかと思ったら……
「初めまして、人間の皆さん。ボクは豊矛の娘にあたる土地神です。これから、よろしくお願いしますね」
──あー、なんだ。これで、ペットを飼いたいっていう美晴の望みが叶ったな。
つかの間の思考放棄から復活した俺は、美晴にどう説明すればいいのか分からず、ベッドに腰掛けたまま、頭を抱えた。