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私の事を好きなら、“好きって”私の耳元で囁いて。

作者: 七瀬









私の彼は、私になかなか“好き”と言ってくれません。

付き合った当初から、私の事を可愛いと言った事もありませんでした。

彼は、本当に私の事が好きなんでしょうか?




こんな事を、いつも私がお昼に必ず聴くラジオで相談のハガキを

送ると? 私の名前が呼ばれて、私の悩みがラジオ越しに聞こえてきて。

まさか!? 読まれるとは思ってもみなかった私は驚きました。

それでも、真剣に私の悩みを聞いてくれて解決方法を探してくれた。

きっと、たくさんの女性ひとが共感する事なのでしょう。

そして、ふと私は思いました。

この時間、彼もこのラジオを聞いているかもしれない。

私の名前が流れて自分の事をまさか言われているとは彼も思っても

みない事だとおもいます。

仕事仲間と一緒に聴いていたら? 皆に揶揄わられているかもしれません。

それでも、彼も私の事を少しは考えてくれるのかな?

少し、期待もしながら私は彼と住む家に帰りました。





・・・でも? 私が家に帰ると?

彼はお風呂から出てきて、缶ビールを飲みながらリビングでテレビを

見ていたのです。


『あぁ、おっ、お帰り!』

『・・・あぁ、ううん。』





彼の顔を見て、私は直ぐに分かりました。

彼は、今日のお昼のあのラジオを聴いていないと...。

私は、そのままテーブルに行き彼の目の前に座ると?

彼は、キョトンとして私の顔を見たんです。


『何? なんかあったの?』

『今日のお昼頃、何してた?』

『いやー 今日は仕事が忙しくてお昼ご飯も食べる時間がなかったんだ』

『・・・ふーん、』

『えぇ!?』

『何にもない!』

『いやいや? あるでしょ! なんかあるよね?』

『本当に、何にもないから気にしないで!』

『・・・・・・』





彼が聞いていないなら聞いていないでいいと思ったんです。

説明するのも面倒くさいし。

なんか、気を遣って言われるのも嫌だったからだ。

ただ、ラジオを聞いてくれていた女性達には、共感してもらい

凄く嬉しかったんです。

同じ悩みを持つ女性ひとがいると知って私の心の支えになったから。

みんな、何らかの悩みを彼氏に持っている!

ただ、変な性癖のある人じゃなくて良かったと思ったんです。

他の女性ひとは? 性癖の変わった彼氏に悩みが爆発していたし。

まだ、私の悩みなど大したことじゃないと分かっただけマシでした。




・・・ただ、どうしても彼に言ってほしい時もある。

彼とふたりきりの時間の時は、ほんの少しでいいから好きぐらい

言ってほしい!

私ばっかり、彼の事が好きみたいで辛い時もあるから。

少しでいい! “好きって言って!”

私の願いは、彼にいつか届くのかな?





 *




あれから数日後。

彼とふたりきりの時に、不意に彼が私の耳元で囁くように言いました。

【好きだよ】



えぇ!? どういう事?




どうやら? 彼の仕事の同僚があの時のラジオを聞いててくれたらしく。

その事を、彼に今日話したそうです。

だから、私に初めて【好き】と言ってくれました。

私は突然涙が出てきて、嬉しくて嬉しくて涙が止まりませんでした。

彼は、そんな私を見て、【ごめん】と言って私を抱きしめてくれて。

大好きな男性ひとに、好きと言われる事がこんなに嬉しい事だと

初めて私は知りました。

これからも、私はずっとずっと彼と一緒にいたい!

素直な気持ちを、私は彼に伝えたい。

彼との絆は、いつまでもずっと繋がっているから。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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