彼の死の源体験
彼の死の源体験は 祖父が始めだった
次いで、彼の母
立て続けに襲った肉親の死
片親での家庭が彼にとって当たり前だった
他者の家庭とは違うことを理解していながらも
11の年月が経た後 再び死の不幸が襲った
彼の叔父 父の兄 それが亡くなった
涙は彼から流れなかった
適度に離れていたからかもしれない
それから13の年月が経ち 再度死の不幸が襲うかかる
母代わりの祖母が病に倒れた
一命は鳥遂げるも 片肺の身
高齢ゆえに いつ亡くなっても分からない状態
彼は涙を流せるのか 分からない
父は涙を流すだろうか 母の死に
風前の灯火は 火の粉のように小さい
ゆえにこそ 遺された家族は準備する
いつ亡くなっても 心が大丈夫ようにーー
終
実話を元にしました