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皇子と王女の逃走劇(連載版)  作者: ワール
逃走
2/10

王女の自己紹介

私は、コールド・マセル。マセル王国第一王女、9才。・・もうすぐ10才になる。

ぼ・・私はこのまるで人にいつでも監視されているかのような宮殿の大広間に吊るしてあるまるで鳥かごのような部屋で育った。

外との接触はあまり無いと思う。

この国は魔法が他国よりも発達していてカセル帝国の化学力にも勝てるらしい。

まぁ私は一応そこの第一王女だ生活に必要な物は創造するぐらいできるし、勉強も妖精に教えてもらっているので不自由はない。

本来は侍女という存在が居るらしいがそんな者は来ない。

何故なら私は忌み子だからだ。

私の容姿は金髪に藍色の瞳この国には存在しない色だ。確かに私は母の連れ子だからこの国の子ではないがそれだけではなかった。

この国には言い伝えがある。ほんとに上層部しか知らない言い伝えだ。


《……その童黄金の髪と海より深き色持ちて産み落とされしとき想い出るとき世は混沌に満ち……対の者現れるとき世は破滅を辿る……》


これはいつも勉強を教えてくれる妖精が国の保管所の一番奥にあったものを物体ごと写し取ってくれたものだ。

巻物状になっていたり途中字が読めなくなっては居るが当時少し頑張って古代語を訳した。

妖精からしたら教科書のつもりだったようだがこれは国の最重要機密事項の話で間違いなかった。

だから他の王族はその条件の容姿に当てはまる私に感情があることを嫌う。

この鳥かごのような部屋も人との接触を最小限にして対とやらに会わないように、感情が生まれないようにそして食事を持ってこないのはあわよくば私に餓死して欲しいといったところだろう。

私に求められるのは唯一正式に外に出られる月に一度の式典で見せる完璧な微笑みだけ。

だけど私はこれでも人だ。

人と少しでも接する機会があるのだから感情というものは存在する。とはいってもどれが何という名前の感情かわからないが。

だがいつどこで魔法の監視がされてるかわからないし元々昔はいた教師から指導を受けて同じ表情しかできない私感情が現れることはまず無く…そのお陰か監視の目が数年前から緩まって色々なことができるようになっている。

でも表情がないせいか最近は式典の度に(操り姫)と私を呼ぶ声も聞こえたりする。

もうなんとも感じないが。

そんな監視の行き届いた部屋で一人ぼっちとも言える私にも赤ん坊の頃があるわけでその頃は母上がいらっしゃった。

でも母上は一昨年亡くなられた。

表向きは自殺とされてはいるが実際に見た母上の亡骸は明らかに<殺された>ものだった。

母上は自分が殺されることがわかっていた。だから幼い頃から

《私が死んだら一年間暮らせるだけのお金を集め加護受理式を受け次第カセルに行き伯母や従兄弟と暮らすように》

と耳にタコができるぐらい言い聞かされた。

加護受理式とは世界中国関係無くその年が10才になる子供に精霊が加護を授ける儀式だ

。精霊に好かれるとその精霊と契約し、他の者より圧倒的な強者になる者も居る。特に精霊王と契約したとなると国を滅ぼせる力を持つことが可能だ。

母上も受けないと損だと判断されたのだろう。

あと20日……


その時私は私の全てを捨てよう。


    

檻の柵のような窓から外を見る。

・・・

『…ザザッ………こっち…はや…金…ザザッ』


「え?……疲れているのかしら?」

ほんの一瞬赤い月を見た瞬間とても懐かしい何かが見えたような気がした。










この様に視点がころころ変わります。

王女のと皇子のがついて他の人のときも~のとつけるようにしますのでそこで区別してください。

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