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23.

――おっひさしぶりです! 女神でーす☆

――異世界でお友達とかできました? ちゃんと人の役に立ってます? まさか、また人を斬ったりしてませんよね、よね!?

――女神さまからのお知らせで、こうして話しかけてみたわけですが~って、あれ。もしかしてもう起きちゃう? 起きちゃいます!?

――うわああ、今抜けなくなっている以蔵さんの刀のことですよよく聞いてくださいね一度しか言いませんk


 ブツッ。


***


 なにやらやかましい夢を見ていた。

 以蔵は目を開ける。

 少し。

 うとうとしていたようだ。


 夜の闇。

 それは以蔵の胸を、いやに高まらせるものだ。


 ガープの寝息が聞こえる。

 夜風に揺れる木々のさざめきが聞こえる。

 そして、そういった微細な音の向こう。


 以蔵は聞き漏らさなかった。


 獣の吐息を。

 (ひづめ)が砕く、枯れ枝の音を。


「……行くかの。どうやら、わしらのことを探しちゅうらしい」


 以蔵は立ち上がる。

 手に持つは、愛用の脇差――が、変化した妖刀【天厨(てんちゅう)】。




 気配を消して。

 息を殺して。

 物陰から覗いた先。


 そこで荒い息を吐いているのは、山のような大猪。

 ――エカテー村を幾度となく襲っていた、魔猪ワイルドボアの親玉だった。


 以蔵は、刀の鯉口を鳴らした。

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