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第15話『ファイヤーソード』

「あ、そんな話をしてたら、ちょうどユリカが来たわよ!」

とアスカは笑っていった。


「姫様!また勝手に抜けだして!!」

と姫の護衛のリリィとユリカが走って僕らの元にやってきた。

そう、姫アスカの脱走がみつかったのだった。


-


「あ、ケンゴまでいる!」

と小柄な護衛リリィがそういった。


「だめじゃない!あなたまで一緒になって!」

とリリィが僕に猛抗議する。


「まぁ、大方、姫様が、ついてきたのだろう・・・」

とユリカが呟く。


「とはいえ、姫様に危険な真似をしてもらっては困ります。

これからは、ケンゴも気をつけるように。あなたの仕事は、姫の危険を少しでも減らすことです」

とユリカが僕に注意する。

そう、その護衛の任務と共に住む所を与えられていたのだ。

怒られても仕方がない。


「すいません・・・」

と僕が、二人に謝る。


「まぁ、いいじゃない!特に危険はなかったんだし!」

とケロッと笑っていうアルテミスタ国第一王女の『アスカ・ロイヤード・アルテミスタ』が言う。


いや、アスカのせいだから・・・


と全員が思ったことは言うまでもなかった。


「そんなことより!ジュンから、ユリカにプレゼントがあるそうよ!」

と、アスカがにっこり笑って言う。

この笑顔でみんな起こっていた事をすっかり忘れてしまった。美人は得だ。そして、アスカはそのことをしっかり自覚してやっているところが、小悪魔以外のなにものでもない・・・が可愛いからいいか、と僕は思った。 


「プレゼント?」

とユリカが不思議そうに僕の方を見つめる。

アスカの眩しい美しさで気が付かなかったが、ユリカもかなりの美人だ

じっとみつめられるとドキっとする。


「はい、これです!」

と僕はスキルを発動させた。


『現実化 - リアライズ』


と僕はファイヤーソードのカードを現実化し、発現させた。


「おお、それは!」

とユリカが剣を見て驚く。


「ファイヤーソードです!僕のスキルを試していたらできたんです!僕には使いこなすことは出来ないので、剣士の方に是非と思って!」

と、僕はそう言ってユリカに渡した。


「こ・・・これは・・・すごい!」

と、うっとりと、ユリカは炎に包まれた剣。

ファイヤーソードを掲げてみている。

そして、人が近くにいないことを確認して、ブォンと剣を振った!


「すごい!やっぱり僕とは剣筋が全く違う」

と僕は呟いた。


「これは確かに凄い・・・試しに使ってみたいところだ・・・」

と、ユリカは呟いた。

剣士としての興味を刺激する新しい武器だったようだ。


「うんうん・・・!そうよね!」

その言葉を待ってましたと言わんばかりに、満面の笑みを浮かべて聞いているアスカ。


「じゃぁ、モンスターを倒しに行きましょうか!」

とアルテミスタ国第一王女『アスカ・ロイヤード・アルテミスタ』はにっこり笑ってそう言った。

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