俺は説明を受けるはずでした。2
いやぁ、すみません。投稿がかなり遅れました(;´Д`)
メモしてるやつが消失してたので慌てて再製作してたらこんなことに(^ω^;);););)
「はぁ……はぁ……」
静寂に戻り、猫娘は荒い息を上げている。
「ねぇ……主?…………」
「なに?」
「こいつ…………硬くね?」
彼女は俺を指差しながら答えた。
硬かったのか?俺はクッソ痛かったのだが。
「ん?そうなのか?蹴っても何も思わなかったのだが」
主………じゃない凜は真顔でそう答えた。
「そ、そりゃあ……主の靴、カルビンの板が……」
「鉄板じゃないのか!?」
殴られ蹴られ投げられ引っかかれの痛みの余韻からある程度回復した俺は疑問を投げかけた。
「鉄板?あんな軟らかいもんで戦えるかボケ」
……鉄板ってそんなに軟らかかったけな。
「じゃ、じゃあそのカルビーって板どれだけ硬いんだ?」
「カルビン!……で、どれくらいの硬さだったっけ?主?」
なんだ……猫娘も知らなかったんだ。
「なんか思った?」
猫娘の鋭い眼差しが俺を捉える。
「いえいえ何も」
俺は手と顔を左右に振り否定する。
「えーっと、確か記憶によるとダイヤモンドの3倍の強さだったかな?」
凜はサラッととんでもない事を口にした。
「さっ、3倍!?」
嘘だろ……今までダイヤモンドが一番硬いと思ってたのに、まさかそれよりも硬いものが存在しているとは。
「……確かに言われてみればコレで蹴ったのに反応が薄かったな……」
彼女は靴を持ち上げながら言う。
驚きの真実を聞くとよくぞまぁあんなのに耐えれたな俺の足と顎。と思う。
意識すると打たれた部分が痛みを思い出したような気がしたので俺は軽く顎を撫でる。
「……よし、じゃあどれだけ硬いか試してみっか」
足をおろし、手をグーにして軽く持ち上げて近づいてきた。
笑顔だった。
俺にとっては悪魔の微笑みだった。
「な、何をするんでしょうか……」
「そ、そりゃあ勿論……」
するといきなり彼女は俺の頭部めがけて拳で殴り、俺の顔は地面と再び激突した。
地面にヒビが入る。
地面よ、またお会いしましたね。
しかし……とんだ怪力だなこの女。
「……確かに硬いな」
「でしょ?……てか主、私たちが戦うより主が戦った方がいいような気がしたんだけど」
「それじゃぁ私の職としての立場がなくなるではないか」
「で、ですよねー」
2人は仲良く話をしている。
俺は猫娘の殴りを超えるような痛みと地面に突撃した痛みで未だにそこに突っ伏していた。
俺は一体朝っぱらから何をやっているのだろうか。
「ほら、さっさと起きな。説明ができないだろう」
この状態にさせたのは何処のどいつでしたっけなぁ……。
「すまぬな、私が殴ってしまって」
なんだろう。彼女の方から殺気を感じる。…読んだのかこいつ。俺の思考を読んだのか!?
「あっ!カルビンが勝手に新米の背中の上に!!」
「あっ!すみません今立ちます!」
俺は突っ伏した状態から跳ね起きると本当に背中の上にあったカルビン……ではなく、彼女の足…踵に激突してしまった。
「ぬわあっ!」
「いっつぅ…!」
彼女は足を掬われ背中から勢い良く倒れだし、俺はカルビンに激突をして後頭部を抑えた。
頭を抑えながら彼女の方を向き謝ろうとしたら、丁度地面にぶつかる描写が目に入った。特に気にしてはいなかったが彼女はスカートを履いていた。膝上なので動きやすくするためだろうか。
何故、今このようなことを思うかというと、彼女の、その、ねぇ……うん。下着が目に入ったからだ。
世界の流れる時間がゆっくり、と緩やかになっていく。それに呼応する様に俺は目を見開き、顔を赤らめていく。
その時だった。
「うおりゃあっ!」
真横から猫娘の飛び膝蹴りが俺の頬を殴った。
「ぐふぉッ!」
殴られた衝撃で鼻血が流れる。
「っ…!」
それと同時に彼女の痛みを感じだ声が漏れた。
その後、俺はどうなったのか言うまでもなく………。
「主!新米が主のパンツ見て鼻血出してるよ!」
猫娘が俺を指さして叫ぶ。
「見てねえって!」
勿論反論する俺。
「じゃあなんで顔を赤くしてるのさ!」
「だから見てねえって!」
無意味な反抗をする俺。
「……見たのか、貴様」
地面についた尻を手ではたき、砂埃を落としていく彼女。
それに続いてか、背中についた砂埃は猫娘が落としている。
「み、見てません」
「取り敢えず、一発殴らせてもらおう」
「なんで!?」
一歩、また一歩、と近づいていく彼女。
「ここら辺にいない動物を見たいとき、動物園に行くよな。その時はどうする?お金を払うだろう。海の生物を見たいとき、水族館に行くよな?その時はどうする、お金を払うだろう。映画館で映画を見たいときどうする?お金を払うだろう。それと同じこと。私のパンツを見てしまったのだ。それ相応のものを支払わないといけないだろう?」
口を動かす度に彼女の憎悪と憤怒が増していく気がする。
「金を…払えばいいのか?」
俺は支払うものを尋ねる。
「……貴様、『見てないから、何も払わなくていいだろ!』的なことを言うと思ったが、差し出すものを問うか。…ふ、これで貴様が私のパンツを確かに見たということがわかった」
彼女は軽く俯き、彼女のの目は垂れ下がる前髪で良く見えないが、怒りがこもっていることは良く分かる。
「あ」
しまった。という感じの声を俺は漏らした。
「支払うもの……そうだな。貴様が味わう痛み。で許してやろう」
その時、彼女が俺の前で止まった。
「えっ、ちょっ、まっ………ゴフォッ!」
彼女の足が神速の速さで動き、俺の頬を思いっきり殴った。
またお会いしましたね。カルビン氏。
この場を囲っていたコンクリートの壁に激突する。
軽くヒビが入った程度だったが、蹴りと突撃でかなり痛い。
これが……これが女性の下着を見た代償なのだろうか。
「ちょっと主ー。いくら周りに人よけの魔法と絶対障壁貼ったからといって壊さないでくださいよー」
こんなに音を出して人が来ないのはそんなのを掛けたからだったのか。
そう思ったあと、俺はその場でダウンして横になった。