戦いの序章
~まえがき~
この小説で周りの状況があまり書かれてないのは
表現力不足っていうのもありますが、
皆さんの想像力に任せてるっていうのもあります。
想像しながらお楽しみいただけたら幸いです。
「いらっしゃいませ。当カジノは、必ず儲かります!じゃんじゃんコインを買ってください。」
都合の良すぎる館内放送が流れた。
「トーマス。ここがテロリストが運営している疑いがあるカジノか。」
マイケルが言った。
「あ?どっからどう見てもそうだろう。あいつを見てみろ。拳銃が腰に・・・」
トーマスが、仁王立ちをしている警備員を見て言った。
「決まりだな。このカジノは武装警備員の配置許可が下りていない。」
「トーマス。俺が警報装置を切るから、裏口から侵入してくれ。」
マイケルはそういうと、警備室に向かった。
「クソッ。裏方はテロリストだらけか。トーマス。警備室に到着するのは遅くなりそうだ。」
《おいマイケル。俺がそっちに行ったほうが良かったな。くっ。待ってくれ。うわっ》
ズザザザザザザー
ノイズ音しか聞こえなくなってしまった。
「おい、トーマス!トーマス!!!ぐわっ」
銃床で頭を殴られ、マイケルは気絶してしまった。
2013年4月1日エイプリルフール
「警部。カジノ潜入員からの連絡が昨日からありません。」
ナターシャ婦警が言った。
「おいおい。エイプリルフールだからって、そんな嘘つくもんじゃないぞ。」
サイモン警部は全く相手にしない。
「私はエイプリルフールでも、平常時でも嘘はつきません。これは本当のことです。」
ナターシャ婦警が言い返す。
「ん?本当なのか。だが、それはFBIの問題なんじゃないのか?」
サイモン警部はコーヒーを飲み始める。
「それが・・・FBIはロシア人スパイの検挙に手一杯で・・・」
「それで我々の力を借りようとしているのか。こういう時だけ・・・」
プルルルルルルル
警部が喋っている時に電話が鳴る。
「こちらラスベガス都市圏警察」
若い警官が電話に出る。
「はっ!?」
若い警官の表情が変わる。
「け、警部!FBI捜査員を捕縛したと言っている自称テロリストからの電話です。」
若い警官がこちらを見て言った。
「こっちにつなげろ。」
サイモン警部は受話器を取る。
「もしもし。サイモン警部だ。」
サイモン警部と、ほかの警官たちがテロリストの第一声を耳を澄ませて聞く。
「ラスベガス【エンジェルカジノ】の運営者だ。」
ボイスチェンジャーで声が変えられている。
テロリストは話を続ける。
「FBI捜査官を捕縛した。明日の正午までに8000万ドルを用意しろ。用意できなければ、 捜査官の他に
一般従業員、カジノ利用客を殺すぞ。」
サイモン警部の表情が曇る。
「待てっ。8000万ドルも用意できるわけ・・・」
プー、プー、プー
電話が切れた。
「クソッ!」
ガシャンッ
サイモン警部は受話器を叩きつける。
「FBIに報告しろ。いいな。報道機関には悟られるなよ。」
サイモン警部が支持すると、警官たちは一斉に動き出す。
~1時間後~
「マクレーン捜査官です。」
ラスベガス都市圏警察に十数人のFBI捜査官が訪ねてきた。
「どうも。サイモン警部です。」
サイモン警部が握手を求める。
しかし、マクレーン捜査官は握り返さず、捜査室に入っていった。
「感じ悪いですね。」
ナターシャ婦警が言った。
「マクレーン捜査官だ。君たちにはこれから、私のもとで働いてもらう」
(第一話終)