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魔法少女アシストあすか  作者: 秋町あいち
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第1話 魔法少女大地に立つんだよ

「あすか、おはよー。今年こそはと祈っておいたから人生苦節14年、国立連邦軍士官中学校2年生にして初めて3人一緒のクラスになれたわよ!」


 そう。今日から中学2年生。他にも近くには国立警察中学校というものがありますが、軍が外を、警察は内を守るような感じで成り立っているそうです。

そう聞くと大変そうに聞こえるかもしれませんが、私たちのほとんどが後方支援、物資輸送の効率化を行うので大変だとは思いますが、そこまで危険というものでもありません。


「おはよー。このはちゃん、のどかちゃん。でもこのはちゃん、小学校1年生の時は一緒だったよ?」


「あーもう!それからどれだけの時が過ぎ去っていったと思っているのよっ!」


 このはちゃんは、身振り素振りが派手でなかなかの演技派でもあったりします。


「そっかー。幼稚園の時はずっと一緒だったし、いつも一緒にいるから気づかなかったよー。もうそんなに時間が経っていたんだねー」


 のどかちゃんは、名前の通りおっとりぽわぽわいつものどかな雰囲気を漂わせています。


「もう、のどか、ボケッとしすぎ!私たちはあの時から人生の半分を浪費したと言ってもいいんだからね!」


「あはは。このはちゃんは朝から元気だし、のどかちゃんは朝だから眠そうだし。

って、私、今日早く学校に来たのは研究所に行って教授にレポートを見てもらうんだった。ちょっと行ってくるね」


「そうなの?いってらっしゃい」「そうだったんだーいってらっしゃーい」


 二人に見送られ、真っ直ぐと研究所の方に向かうのでした。


_/_/_/_/_/


 研究所への認証して入るとそこはもう別世界です。周りが一面真っ白になったような感じに。

中学校校舎と研究所は割と近くに存在します。ですが、そんな私がなぜ研究所に通っているのかというと、

私が中学1年生の時に思っていたことを論文にした「魔法によっておこる微細振動による物質の削れ」というものを、担当の先生の友達であったスズキ教授がたまたま目にしたからでした。

目にしたから…というのは、当時担任の先生が風邪で無理をしながら採点をしていたのをスズキ教授が採点のお手伝いをしていただけなのですが。

我ながらなんで気に入られたのかわからないけれども、この技術を使ったら魔法に対する耐久性を上げる加工が可能になるとのことでした。

それから私の手で発表するべきと。その準備作業中だったりするのです。

そうして、いつものように研究室のドアをくぐると…


「あっと…おはようございます」


「…おはようございます」


 そこには今まで見たことのないようなくらい、お嬢さまーって雰囲気を醸し出した人がひっそりと、でも広告塔以上の存在感をアピールしています。


「おはようございます。研究所のヤンお兄さんに質問です。えっと私と同じくらいの年の子みたいですけれど、何の用事だったりするんです?」


「あぁ、おはよう。ここの教授に用事だってさ。まぁ、君も同じような感じでここに出入りするようになったし、同じようなものだと思ってるよ。ちなみにもう他のみんなも慣れたもんだよ」


「あはは。お世話おかけしております」


_/_/_/_/_/


 一方、そのころ、とある輸送車の一室では…

宇宙の航空母艦からシャトルで地上へと降り立つというのは、いつの間にかドキドキとしていて楽しい時間だ。が、今回は他にも多大に心をドキドキときらめかせるものがあった。

帝国軍きっての開発者であり、稀代の発明家であるミツルギ博士が亡命をされてきたのだ。中間緩衝地帯である銀河惑星同盟を超えて銀河連邦にまでやってきたのだ。

しかし、その時間ももう最終段階だ。目的地である連邦軍の研究施設に到着するためだ。


「今までの解析の結果分かったのは、亡命されたミツルギ博士はほぼ本物で、帝国軍製の最新型試作魔法使い化結晶およびそのアプリケーションも本物と思われると。

魔法使い化結晶…本物の帝国軍製の最新型試作魔法使い化結晶6個、6個中アタック、ガード、アシストの3種類が解析完了できたくらい…。

残りの3個とアプリケーションは研究所で精密解析しないと、とても使えたものじゃない。解析済みの3個なら今すぐ使って魔法使い化しても安全なのは解析済みだけれど…。

…分かっていたことだけれど、他の残りのこれらの結晶とアプリは、今の手持ちの施設じゃ解析は無理か。こちらも研究所で再精密解析必須と。

残念だが仕方ない。ここまで解析できたことだけでも上等だな。


っ爆破による衝撃波!?ここまできて、まさか襲撃か!?配送ルート上で襲わず、連邦軍施設内で襲うなんて何を考えている!?他の技術亡命者からの情報漏えいはあり得ないと思われるし!?」


_/_/_/_/_/


 教授に見てもらう前に、とりあえずヤンお兄さんにレポートを色々と見てもらっていたところ、


「ビービー!警告!施設内に侵入者!各員は戦闘態勢の上、指示に従い迎撃を行ってください!繰り返します。

施設内に侵入者!各員は戦闘態勢の上、指示に従い迎撃を行ってください!」


「ちっこんなときになんともやっかいな…中学生二人組は避難区域に向かってくれ」


「わかりました!こっちだよ!ついてきて!」


「…了解」


 途中、吹き抜けに出ると、戦闘の様子が見て取れました。燃え上がる輸送車に破裂している護衛車。その合間合間に銃声と魔法音、金属同士が削りあう音も聞こえてくる。

そうしている間にも目の前の壁に黒猫が叩きつけられる。そうすると、隠し持っていたらしいものが転がり落ちてくる。


 これは…魔法使い化結晶!?これがあれば私も魔法使いになって、この窮地を助けることができるかもしれない!でも…だけれども…

どうしたらいいものか迷っているうちに、その黒猫の瞳を向けられる。


「くっこうなっては仕方ない。このまま奪われるよりはまだ可能性がある。そこの二人!そこの魔法使い化結晶を使って魔法使いになってよ!」


「…了解。どうしたらいい?」


 私が迷っていると、その子はためらうこともなく、今の状況に積極的に介入しようとしている。


「…うん。わかった。私も覚悟を決めました。いつかはこうなることがわかっていたんだから」


 私の覚悟を決めたのは、物静かな、でも正義感に満ちあふれた瞳と覚悟を決めているその背中でした。


「オッケー。いい覚悟だ!取れる選択肢が多いうちにこちらの方で今すぐ決めてしまおう。ここまで追い詰められるといつ奪われるかわからない。

つい今、覚悟を決めた君にアタックやガードは荷が重いからアシストの。実践ももう何度かつんでいる君はアタックの魔法使い化結晶を使ってもらうよ。いいね?

ボクの方は元の姿である小さい黒猫になって貴重品を持って逃げ回っていたけれども、限界が近いんだ」


「…了解。ガードよりも性に合ってるし使いやすそう」


「私も大丈夫。今までの稽古とは違って実践になると…でも今までの稽古と自分の努力を信じて!」


「オッケー。改めて言うけれど、いい覚悟だ!魔法使い化結晶の使用方法は教科書通り。やってみてくれ」


「…了解。カノン、アタックインストールセットアップ!アタックオン!」


、、OK!アタックオン!システム、エンシャントブレード、オープン!


「カノンちゃんって名前だったんだってあわわ。あすか、アシストインストールセットアップ!アシストオン!」


、、OK!アシストオン!システム、セブンスブレード、オープン!


 アシストオン!の言葉と同じくして杖、というよりは槍と先端の周りから小太刀のようなものが2段3本3本の計7本のような形態のものだった。

魔法使いに変身して思ったのはやっぱり気恥ずかしさ。いずれは訪れるにしてもやっぱり恥ずかしいよっていう感じで。

カノンちゃんの方は剣というよりはナギナタという形態が一本になっている。ガードだったら、何かの盾だったのかなとふと思ったけれども、今はそれどころじゃない。

明らかにこちらを敵対視している影が近づいている。


「アシスト、アクセスオン!こちらへ向かってくる敵対反応2つあります!」


 声をかけたときには、カノンちゃんはもう一人と対峙しているところだった。

私は本体の槍を両手に、パージした他の6本を魔力で飛ばし、けん制にフェイントに左右にと使うけれども、じわじわと押されている。

対して、カノンちゃんはわずかづつだけれども押している様子がある。


「ガーン!ちょっとショックかも…近接戦闘の稽古をつけてくれているパパにも同年代では敵なしだろうってほめてもらえるくらいの腕だと思っていたのに…」


「そこ、まだ成長途中にある君がプロの大人を圧倒できるわけがないだろう。味方同士で援護し合わないでどうする。相手は2対2というわけじゃない、2対多数と思って援護に徹するんだ。

それに、君は射撃魔法の腕の方がいい。向こうの子は持ち前の才能と努力によってだろう、今の年齢でも充分に近接戦闘のエキスパートだ。

それから今から行う援護射撃魔法も、確実に当たると思った時にかつ味方に当てないように、なるべく時間を稼ぐんだ。

時間を稼げばそれだけで応援がたどりつく可能性が出てきてこちらに有利になる。向こうは時間が経てば経つほど無茶な攻撃もしかけなければならないんだから、それだけで充分だ。

弾幕魔法もまだ精度が低いだろうし、この場が混乱しかねないから使用はやめてくれ」


「わかった!私は、今、できることだけを精一杯やるよ!カノンちゃんこちらの敵の引き付けをお願い。その間援護と周りの状況確認に徹するよ」


「うん。戦闘不能になったら、その人数分周りが不利になるから無理だけはしないように。無茶を言っているのは承知の上なんだが申し訳ない」


「…了解。援護は任せる」


「ありがとう!足を引っ張らないようにがんばるね!アシスト、アクセスオン!って、まずい。黒猫さん影からそちらに闇討ちをしかけようとしている敵対者1、逃げて!」


 気づいた時にはもう動かれた後だったけれども、なんとか注意をできた。でもカノンちゃんの援護もあるしなかなかにきびしい。


「がはっ…助かった。あのままだと命どころか貴重品まで全て奪われるところだったが…ちっカバンの貴重品の半分が盗まれている…」


「カノンちゃん、一度戦線を黒猫さんの援護もできる位置まで下がっていい?」


「…了解」


「くっ敵さんはある程度こちらの貴重品を奪ったら逃げる算段だったらしい…もう撤退を始めている!」


「?向こうも下がっていく…?なら、さっき貴重品とやらを奪っていった相手のロック情報送信!

私のマジックエネルギーを受け取って使って!アシストバイパス射出!アタックにリンク完了!マジックエネルギーチャージ!」


「…了解。アシストより継続的なマジックエネルギーのチャージを確認…ロック情報受信、射線上に味方の存在なし。ファイナルディザスター、イグニッション、ファイア!」


 射出されし閃光が地表を削り宇宙までも駆け上がっていく。

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