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俺の世界  作者: 雷光
2/2

最初の現象

「それ」がおきたのはちょうど2時間目と3時間目の間の休み時間のことだった。

俺は友達の隆と祐樹とふざけてプロレスごっこをやっていた。

実況の隆が言った。


「さあ、祐樹選手が***(俺の名前だ)にドロップキィィィック!!

 しかし***防いだ! ***はカウンターを狙っていたっ! 祐樹選手まんまと引っかかってしまいました!」


ふっと俺は不敵に笑い、近くの棚を使って強烈な飛び蹴りを放った。


「でたぁぁぁぁぁっ! ***選手必殺、流星落とし!! 祐樹選手、絶対ぜつめ・・・・・」


そのとき、突然かちっと音がして、ノイズが消えるかのように隆の声が止まった。

俺は、どさっと床に落ちる。


「いってぇ・・・・・・ おい隆、調子狂うだろ、途中で止めんなよぉ・・・」


しかし、隆から返答はなかった。

・・・・明らかに何かがおかしい。

俺は耳をすませた。何も聞こえない。

隆も祐樹も、微動だにしない。

おふざけ? ・・・・・にしてはやりすぎだ。

二人は、いや学校全体はまったく動いていなかった。

時計の針さえ、さっきから一ミリも動かない。

とりあえず、叫んでみる。


「わぁぁぁぁ~~~っ!」


・・・・どこからも返答はない。


「誰か聞こえませんかぁぁぁぁぁっ!!」


やはり、返答はない。

どうやら、ここで動いているのは俺だけのようだ。


「・・・・・何なんだよ・・・・・これ・・・・・・」


俺が今の状況を理解できずにボーっとしていると、再びかちっという音が聞こえた。

すべてが、元通りに動き出した。


「・・・・い!! お、おや!? いったい何が起こったのでしょうか! あの距離で***、必殺のキックをはずしてしまった!! 祐樹選手にチャンス到来かっ!!?」


なおもナレーターを続ける隆の声に重なるようにして、授業開始を告げるチャイムが教室に鳴り響いた。


「一時休憩です!」


隆は俺たちにそういうと、ダッシュで自分の席へ向かった。

俺と祐樹も、後に続いた。

ただ俺はその日一日、授業がまったく耳に入らなかった。

さっきの現象が気になっていたからだ。

夢・・・・ではない。しかし、だとするといったいなんだったのだろうか、あれは。


家に帰って、布団にもぐりこんでもこの大きな問題は、俺の頭の中でぐるぐる回り続けていた。



ほんと、なんなんだよ・・・・・・

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