プロローグ:始まり
はじめまして、雷光です。
気をつけますが、おかしな点はビシッと指摘してください。
読んでくださった方々、これからもよろしくお願いします。
暗闇。
暗黒が支配するそこに、俺はいた。
周りに知っている物や人は誰もいない、孤独な空間だった。
怖かった。
自分自身の存在が否定されるような気がして。
ただひたすらに走った。
走って、走って、息が切れて。
苦しくなったけれど、やっぱり俺は走り続けた。
俺の知っている世界に戻りたかったから。
そのとき、遠くのほうに光が見えた。
俺は、最後の力を振り絞ってその方向へと走った。
無常にも、闇が俺の希望の光をじわじわと蝕んでいった。
そしてとうとう、光は消え去った。
闇が俺をも蝕む。
ぼろぼろと手が崩れ去った。
足が闇に溶けて、体がどんどん闇に引き込まれる。
叫ぼうとしたけれど、もうそのときには手遅れだった。
俺は、完全に闇に飲まれてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
はぁはぁと荒い息を吐きながら、俺は今の夢を頭から追いやった。
(たいしたことじゃないさ。ただの夢だ。)
俺は時計に目をやった。
時間は7:48。
・・・・・・・・そういえば学校だったよな、今日。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺はさっきとは別の意味で悲鳴を上げた。
パンをくわえ、家を飛び出した時には7:55。
俺、全力ダッシュ。
学校に俺が着いたとき(滑り込みセーフ!)には、さっき見た夢のことなんかすっかり頭から消えていた。
まさかこれがすべての始まりだったなんて、そのときの俺は思いもしなかった。