【プロットタイプ】思い上がりを蹴散らして

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。

詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。

注意事項2

恋愛です。R15です。そんな要素がそろっと入ってます。

苦手な方はご注意下さい。

被虐に成り下がるのは、訳があるんですよ。

私は人よりも欲深い。そうしてその欲が抑え切れなくなると、執筆に全てをぶちまけて、精神の均衡を保つ。そうしていると、同時に今の精神面の傾向を鑑みる事も出来る。

今書いているのは、何処か色気のある数歳年上の女性が、恋愛に不慣れな男性を甘やかす話。ハニートラップめいた事も散々する。そうしてからかいながらも、自分と別れても良い様に、ちゃんと女の子の扱いを教える話だった。

私は心の何処かで男性を征服したいと考えているのかも知れない。そうして骨抜きにして、自分なしでは居られなくさせたいのかも知れない。

我ながら、最も手酷い方法で平手を打つのは変わらない。

俺の体にべったりと纏わり付きながら、鏡花は舌足らずにこう言った。

「ねぇ、瑠衣たん。君からキスしてくんない?」

鏡花は欲に従順だ。取り分け生理的欲求は抑えようとしない。触れたくなったら勝手に触れるし、爛れた行為に耽りたいなら平気でベッドまで引き摺り込む。故にこうして自ら指示するよりも、行動する側の人間だった。

今の振る舞いに引っ掛かりを覚え、俺は一つ指示を出した。

「取り敢えず、お座り」

「ドSかよ」

聞く気は無いようで、前より一層うだうだと体に絡み付いて来る。別に珍しい事ではない。狂犬宜しく、飼い主の言う事を聞かないのが家の鏡花である。

だから取り敢えず大人しくさせる為、口腔に無理矢理指をねじ入れた。舌の上に指を擦り付けて荒し回る。

今の此奴とはあまりキスしたくない。今そうしたら、より酷い事になりそうな気がしたから。

そうしてたっぷり数秒間、口の中を荒し回った後、引き抜いて自分の服に唾液を擦り付けた。

「満足か?」

「……まぁそこそこ。いや……うーん……なんて言うかさ……。小説書いていたら、女性優位で男性甘やかす話を書いていて、今の私、男性の事を征服したいと考えてるのかなって思って」

「あ?」

浅瀬のままに、深海を見詰めているのか。今まで自覚のないまま振る舞う人格の事を『深海』や『深淵』と定義してきた。其れが今、鏡花自身の目で、自覚をしたのか。その成長に感銘を受け、思わず髪を撫で回す。

「偉いぞ」

人間の醍醐味は成長である。其れを俺の知らないところで勝ち得て来た。それは賞賛をしなくてはならない。

「……瑠衣たん、今日は私以上に気まぐれだね。まぁ好都合だけど。

私は過去に一部の男性から受けた仕打ちがトラウマになっているんだけど、其の腹癒せとして、甘やかす、つまり支配したいのかなって。そうしていきなり縁を切って、心に傷を負わせたいのかなって。

だからその増長した感情を叩き壊す為に、ぐちゃぐちゃにされたかったんだよね。乱雑に扱われたかったって言うか、振り回されたいっていうか」

鏡花を被虐趣味か加虐趣味かで問われたら、恐らく被虐趣味だろう。素っ気なくされると燃え上がり、執念を貫通させる為に行動を起こす。その様見たさ突き放すのだが。

「まぁだから満足。適当にあしらってくれたし、何か分からないけど褒めてくれたし。よく分からないけどドンピシャしてくれて有り難かったかな」

ざまぁ系、あるじゃないですか。

あれ、あんまり好きじゃないんですけど、精神的には自分の中で頻繁に起こります。

あぁ自分、今思い上がってるな。頭に乗ってるな。だから一回、誰か折ってくれないかな。って。

要約するとこんな話です。

では何故、キスを求めたのか、普通のざまぁではなく、生理的な方向性に向かったのか。

これは何も恋愛小説書いててとか、ハニトラしてとか、其れも勿論あります。

でも性的な事で折られるのが、一番嫌悪感が高いから。一番嫌な方法で折られたかったから。

女性の方が多分、心情的にずんと来るんですけど、女性が性的に酷い目に合うと、凄く気持ちが悪いじゃないですか。

普通に痛ぶられるよりも、ずっと嫌じゃないですか。

そうまでして折られたかったんですよ。今の自分が許せなくて。

ただ選んだ相手が瑠衣なところを見ると、まだ理性とか、自分可愛さが残ってるなって思います。

被虐趣味と加虐趣味って表裏一体だと思ってるんですよ。