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歴史オタクの軍略無双 〜外れスキルと国を追放された俺はスキルと歴史知識を駆使して復讐する〜  作者: 中村幸男


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魔王軍最後の砦グンローグ要塞

「凄いな……」

 

 砦の中に入ると、大量の兵士が忙しなく動いていた。

 内部の構造もかなり複雑で、もはやダンジョンと形容しても違和感は無い。

 案内が無ければ迷子になって終わりだろう。

 

「こちらです」

 

 幸い、俺達には構造を知り尽くしたキサラがついている。

 因みに、砦内に第六騎士団の総勢、二千五百名をいきなり入れるのは無理があるので、代表として第六騎士団からはジョバンニさんだけついてきてもらっている。

 そして、俺とレナだ。

 キサラの案内で砦内を進んで行く。

 

「……どれくらいの広さなんだ? 地図ではそこまで書かれてなかったが……」

「そうですね……魔王領へ続くメインの街道を塞ぐように作られたのがこの砦です。街道を含め、両側の山をつなぐように作られたので、幅は二キロ程、奥行きは五キロ程ですね」

 

 サラリと凄いことを言う。

 しかし、キサラは留まらず続ける。

 

「正面は緩やかな斜面で作られてますが、魔王領側は急斜面で作られてます。敵が外側の攻城兵器を突破して、山を登って頂上にたどり着いても、急斜面を駆け下る事は不可能な作りになってるんです。それに、罠も大量に仕掛けられてるので、中を通らずに突破することは不可能ですね」

「成る程……砦内に入って、正規のルートで抜けなければならないのか……」

 

 つまり、勇者視点で見ればここはダンジョン。

 外の攻城兵器をくぐり抜け、このダンジョンに突入し、突破して初めて魔王領へと足を踏み入れる事が出来る。

 よく出来た防衛機構である。

 しかし、それが分かったからこそ不可思議な点が見えてくる。

 

「……攻撃スキルを持つ勇者では外を突破する事すら難しい。ならば尚更、『シールド』を持つ真田護をこちらの方面に向かわせるべきだったのでは……と思ってしまうな」

「それは確かにそうですね……現状、こちらでは戦闘は始まってません。恐らく敵軍は搦手を突破して、敵が混乱し、兵器が作動しなくなった所を本軍で攻め入るつもりだったのでしょう。つまり、本命は搦手であったと言うことですか……」

 

 俺の言葉にキサラも同意を示す。

 すると、敵軍の内情をしるジョバンニが続いた。

 

「おっしゃる通り、我々が搦手を突破し、グンローグ要塞に攻撃を仕掛けた時点で本軍による攻撃が始まる予定でした。……負傷兵を引き連れたタインがそろそろ友軍の領域に到達する頃でしょう。我々の敗北を知った本軍がどういう行動を取るか、分かりかねますが」


 その言葉で、敵軍のおおよその狙いは掴めた。


「……成る程。纏めると、討伐軍は搦手の攻撃でグンローグ要塞の攻城兵器を無力化しようと考えた。つまり、搦手を突破出来なければそもそも作戦の第一段階が達成されない。だから護は本命である搦手に派遣されたのか……」

「……そうでしょう。グンローグ要塞の正面には足元に罠も仕掛けられています。『シールド』だけではあの防衛機構を突破出来無いと判断したのでしょうね」

 

 等と話していると、一際立派な扉の前にたどり着く。

 

「さて、話も盛り上がってきましたが、ここが魔王様の執務室です。作戦会議室も兼ねてるんですよ」

「……いよいよ魔王との謁見か……」

「勘助、怖い?」

 

 難しい話についてこれていなかったレナが、少し心配そうに見つめてくる。

 

「まさか。今更怯えたりしないさ。さぁ、いざ魔王と謁見しよう!」

 

 魔王との謁見は確かに緊張する。

 が、こちとら死にかけたんだ。

 いまさらこんな所で怖気づいて居られないさ。

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