第2話「神童の目覚め」
作者の歴史知識は俄です。
本作は完全なフィクションです。
亀童丸として生まれ変わってから、数日が経った。今の俺はまだ赤子の姿、力も知識も十分に発揮できるわけではない。それに歴史教師だったと言えど、広く浅くで、一人の人間(大内義隆)を研究するような事はしていなかった為、知らないことも多々ある。これから何をすべきか、まずは状況を整理する必要がある。
(俺が知っている大内義隆は・・・)
確か父(義興)は、周防・長門・石見・豊前4か国の太守で、母は長門守護代を務めていた内藤弘矩の娘(東向殿)だったはずだ。
義隆が22歳の時に父である義興が合戦の最中に病で亡くなり、家督を継いで第16代大内家当主となったはずだ。家督を継いだ年が1528年(享禄元年)だったと記憶している。
家族仲も悪くなく、亀童丸という幼名も元々父と祖父の幼名で、嫡子としての地位を明確にする為に同じ幼名を付けたはずだ。兄弟姉妹も何人か居たはずだが男子は義隆しか居らず特に相続争いなども起こらずに家督を継いだはずだ。
その他にも田手畷の戦いや、吉田郡山城の戦いが有名で、なんと言っても一番やばいのは大内義隆の生涯が終わることになった大寧寺の変だ。
大寧寺の変は簡単に言うと家臣だった陶隆房(陶晴賢)によるクーデターだ。これにより大内義隆は自害し、西国随一の戦国大名と呼ばれた大内家は実質的に滅亡する事となった。
ちなみに、一説によると大内義隆はかなりの男色家で、陶隆房は寵童として義隆に召し抱えられたとの話もある。
(俺はそっちの気はないから、勘弁願いたい)
とにかく謀反で死んだ哀れな武将ではなく、名君として歴史に名を残したい。
その為にはまず体を鍛える必要があるな。それにこの時代の文字や慣習などの文化を確認する必要がある。この時代の文字や言葉遣いは知識としては知っているが、実際に使えるかどうかは別問題だ。早く慣れないと幼い亀童丸の中に宿る大人の自分がバレてしまうかもしれない。
生まれたばかりでどうすることもできないが、時間はたくさんある。色々考えていこう。
大内義隆が生まれたのは1507年といわれています。
他の有名な武将はまだまだ生まれていません。
・織田信長
生年: 1534年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは27年後)
・豊臣秀吉
生年: 1537年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは30年後)
・徳川家康
生年: 1543年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは36年後)
・武田信玄
生年: 1521年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは14年後)
・上杉謙信
生年: 1530年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは23年後)
・伊達政宗
生年: 1567年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは60年後)
・北条早雲
生年: 1432年(推定)
年齢: 75歳
・今川義元
生年: 1519年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは12年後)
・斎藤道三
生年: 1494年(推定)
年齢: 13歳
・毛利元就
生年: 1497年
年齢: 10歳
・島津貴久
生年: 1492年
年齢: 15歳
・長宗我部元親
生年: 1539年
年齢: まだ生まれていません(生まれるのは32年後)