2人ぼっちの帰り道
わたしは小さい時に奇妙な体験をした。
小学校まで少し歩く距離にあり、『夕立までは必ず下校してください』という校則があった。
小さい時のわたしは、内気で
クラスの子とあまり仲良くなれずに居た。
でも、図書室で本を読んでる時に
急に声をかけられた。
「ねぇ、同じクラスの子だよね?」
「え」
少し戸惑い、振り向くと赤いスカートにおかっぱ頭の女の子が立っていた。
まるでトイレの花子さんのような格好
新しい言葉をかけるわけでもなく、
その子は同じ言葉をかけて来た。
「ねぇ、同じクラスの子だよね?」と
戸惑いも隠せるわけもなく、
本をそのままにして、図書室をあとにした。
その日、わたしは下校時間を過ぎ
夕方にしては暗いそんな時間に学校に残っていた。
生徒が居なくなった学校はとても不気味で
水道から滴る音ですら、怖くなる。
「早く帰らないと…!」
ランドセルを背負い直し
急いで、下駄箱に走った。
下駄箱につくと、しまっているはずの自分の靴がおかれていた。
誰かが間違えて出してそのままにたのか…?
そう思い、靴を持ち上げると
ワラワラ…!!と靴の中から無数の虫が出て来た
虫は女の子の天敵
むしろ、全人類の天敵と言ってもおかしくなく
気持ち悪くて、靴を投げ捨てた。
「き、気持ち悪い…!!!!」
何故か、他の下駄箱は開かず
虫は無限に出てきてたので全てを捨て置き
わたしは裸足で下校することを決めた。
別館に続く廊下の途中から、校庭に出られることを知り
走り、走り、走り…息を切らしては
渡り廊下へ到着する。
すると、見覚えある姿が目に止まる。
「あ…あ、なんで…」
自分の声に気づいたのか、振り向くと
少女は、図書室で言った言葉を何度も何度も口にする
『ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?ねぇ、同じクラスの子だよね?
「…ヒッ!!!!」
目を瞑り、無我夢中で走った。
足が次第に痛くなる
じんわりと血が出て来た。
きっと、何か破片で切ったんだろう
痛い、痛い、痛い…!!
「………へ?」
目を開けると、自分は崖から身を投げ出そうとしていた。
腰に大人の腕がまわり、奥に引っ張られた。
「……あれ、わたし、」
「何やってんだ!こんな夜道に、!!!」
「…あ、あッ………………」
ボロボロ泣きながら、大人の人に泣きついた
山道をおり、近くの車道に親が車に迎えに来ていた。
わたしが車に、乗るのを見届けると手を振り背中を向け、帰って行った。
「もう、お母さん心配したんだからね!」
「…ごめんなさい。ありが……」
何故か道を走ってた車は、急降下しており
大きい音と一緒に横転した。
わたしは、一命を取り留めたものの
お母さんは、死んでしまった。
「…………お母さん、お母さんッ」
【みぃーちゃん。おかえりなさい。】