監禁生活 wth 一番やべー女
「ただいまー!」
最も監禁という言葉が似合う、愛の重い女が帰宅した
「お帰りなさい、母さん」
「よかった、一蘭がいる・・・・・・」
彼女は帰って早々に一蘭を抱きしめた。毎回帰宅の間はずっと一蘭が家にいるか不安になっている。こうして抱いて確かめて、初めて彼女は安心することができる
「うん! ご飯作ってくるね、今日は肉じゃがにします!」
「肉じゃが、久しぶりですね」
一蘭はいつもどおり、静かにでも確かに笑った
「すぐに作るから待っててね」
けやきがキッチンに向かった
ちなみに、ことはすでに帰っている。彼女がこのマンションにいるのは昼間だけであり、塾の方に顔出して彼女自身の家に帰る。時間はけやきが退勤するまで。一蘭が“気”を察知するとそれをことに伝え、彼女達が鉢合わせにならないように(一蘭が)している。二人とも仲は非常にいいが、一蘭の事となると互いに頑固になるので無駄な衝突を避けようという一蘭の配慮である。何度も言うが、なぜ一蘭が周りの心配をしているのだろうか
ちなみに、一蘭は世間的に病気に伏しているとなっている。そうすることで、一蘭が社交界に出ない事、けやきが毎回定時で切り上げていても周りの反感を買わない事、ことが一蘭を訪問して家庭教師をする事(一蘭が塾に出向く必要がなくなる)、これら全てが無理なく解決する。”まだ幼い男の子が病気”はこの世界で最もナーバスになる事の1つである
「♪~ あとはかくらが帰ってきたら火にかけましょう」
下準備が終わったけやきは一蘭を愛でに戻った
「母さんお疲れ様です」
「~♡ いいのよ一蘭、ご飯もなんでも私がするから。だから、ね? ずっと私に繋がれておきましょう?」
一蘭の受難
肯定すれば確実に渡米の道は閉ざされてしまう、かといって否定すればさらに拘束が激しくなる可能性がある
一見詰んでいる状況、ここで一蘭は“気”を使って彼女をなだめる
「母さん、たったの2年ですよ。母さんは僕が頑張っているのはよく理解してくれているじゃないですか。僕はその努力をもっと多くの機会で発揮したいんです」
「・・・・・・」
一蘭の雰囲気と言葉にけやきもこれ以上強くは言えなかった。一蘭の言葉通り、けやきは一蘭のすさまじい努力をよく分かっている。けやき自身も受験戦争を乗り越えて、今のいい職場に就くことができた。それをこの年でこなしている(なおかつ楽しそうに)、母としては自慢の息子であり、本人が望む限りの高みへ行く手助けをしたいとも思ってはいる。しかし女としての独占欲の方が上回ってしまっていた
(よしよし)
一蘭はこれを一年間続ければ、必ずどこかで綻びができると確信していた
するとここで
「ごめんね、一蘭・・・・・・」
(ん? なぜか母が泣きそうな件)
けやきがなにかを思い詰めた様な様子で一蘭を抱きしめた
「分かっているの、私本当に重い女でしょう? 一蘭にいつ拒絶されてもおかしくないの。分かっているの。本当にごめんなさい・・・・・・私自分で気持ちの整理をするから、これ以上迷惑かけないから」
(辛そうだなあ)
崩れた様子のけやきを落ち着かせるために、一蘭は自分からけやきの方に身を寄せた
「僕も母さんのことは大好きですよ。大丈夫です、一人で抱え込まなで」
「ぐすっ・・・・・・うん。うん」
そんなけやきになおも優しく笑ってくれた一蘭。彼女は我慢できなくなって一蘭を押し倒した
「ごめんね、本当にごめんね。私今おかしいの・・・・・・どうしても止められない。ほんとはこんなのダメなのに、母として間違っているのに」
押し倒してそのまま、けやき一蘭の耳元で消え入りそうな声で言った
”嫌だったら突き飛ばして”




