大人視点
「上司も同僚も仕事を数日休んだだけで一蘭の写真をくれなんて、なんて図々しい!」
写真でもダメとは相変わらずの独占欲の強さである
「ただいま〜」
「かあさんおかえりなさい。おしごとおつかれさまです」
「一蘭〜!ほらこっちに来てお母さんにだっこさせて!」
(一蘭の匂い落ち着くわー、今日なんてどうでもいいわー)
ちなみに一蘭は前世でもバイトをした事がない社会を知らぬ学生ニートであったため前世の頃から働く人に敬意を払っていた。ついでに言うとスーツが似合う年上のキャリアウーマンがタイプであった。そういった面で母であるけやきは彼のドストライクである
「いつまで抱き合っているのよ早く上がりなさい」
・・・・・・
「で、ではおやすみなさい」
「そ、そうね。おやすみ一蘭」
「はい母さん」
需要と供給が釣り合っているためこうしてちとせが止めないといつまでも抱き合っているのである
「お帰りなさい、けやき。ご飯を温めてきますね。あと相談があります。」
なんだろう? と思いながらバックとスーツを仕舞って食卓につく
「一蘭ちゃんについてです」
「えっ一蘭がどうしたの? やめてよね、一蘭が悪いなんてことはないんだからそれは世界が間違ってるのよ」
「何を言っているんですか、まあ一蘭ちゃんが悪いことをするとは思いませんが」
孫が悪いのは世界がおかしいと当然のように思っている娘に合わせると話が進まないので要件を先に言う
「今日一蘭が外の図書館に行きたいとお願いしてきました」
その瞬間、けやきの動きは止まり無表情で冷気を放ち始めた