表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/125

ホープダイヤモンド

(うーん、どうしようかなあ)


最近は一蘭も外出することも増えてきた。しかし、外出先は決まってちとせの教え子達の元である。全員その道のプロフェッショナルなのでその内容に不満などない。一蘭は様々な所に行けて楽しんでいる。楽しんでいるが・・・・・・


(これじゃあ噂にならないよぉ)


ちとせの教え子達は、一蘭の情報は徹底して秘密にするように言われている


この現代社会において、ここまで詳細が分からないことなど有り得ない。いくら男の子が貴重な存在だとはいえ、過剰な情報統制にも程がある

人とは秘密にされるとその内容を知りたくなる生き物である。当然、一蘭の事も様々な家が調べようとした。特に、中本家との繋がりを持とうとする家々はプライバシーの侵害ギリギリのラインまで踏み込んで調べていた

しかし誰もが姿さえ捉えられずに終わってしまう


終わってしまった、もしくは続行が不可能となった。中本家の周辺を文字通り常に張り付いて監視していた者たちは全員、大きく2つの理由でその役割を辞退した


一つ目は、常に心霊現象を見せられるためである。例えば、中本家が車から降りて並んで歩いている。その様子は家族団欒で楽しみながら会話をしている。ただし、彼女達は定期的に誰も居ないところに話しかけている・・・・・・他にも、勝手に玄関のドアが開いたりするなどは日常茶飯事だった


二つ目は、監視しているはずの自分が、逆に何かに見られているような、それもずっと目が合っているような感覚になるためである。夜中誰もが寝ている時間も、昼間周りに誰もいない時間も、交代制で仮眠をとっている時でさえ瞳のようなナニカを感じる。そしてそれは気を抜くと吸い込まれてしまいそうな幻術味を帯びているため常に緊張状態でいることを強いられる


漏れなく全員が正気を保てなくなるか、正気があるうちに辞退を申し出た


“中本家の秘密の箱の中身は呪いの宝石である”


中本家にお近づきになりたかった家々は諦めた。そもそも格の高い家は、『触らぬ神に祟りなし』と最初から手を出していない。中本家の反感を買えば、自分の会社が揺れるからだ。何故なら、中本家の人材が幹部クラスに必ず1人はいるためである。中本家に絶縁状を叩きつけられれば、確実に自会社で内部分裂、もしくは主戦力の喪失が起きる。中本家の一言で各界が回らなくなり、日本全体が止まる可能性がある。一流企業がそんなリスクを承知で受け入れる理由は、中本家の人材なしでは事業が拡大できないからである。また過去に中本家がそのような”お気持ち表明”をした例がないのもある


話は一蘭に戻る


(母とかくらが全力で僕の事を秘密にしてるのに、自分の我儘でそれを無駄にできないな。そもそもなんで僕の事を隠しているんだろう? まあ、上流階級の事なんて知らないから言う通りにしておこう)


一蘭は前世が一般家庭で育ったこと、上の階級は暗黙の了解が多すぎてしっかりとした教材がないこと、何より今世ではずっと社会に出ないで育っている世間知らずであることから特に疑問も持たないで、けやきとかくらのいう事を鵜呑みにしていた

完全に彼女達の思惑通りになっていた


軽い監禁・洗脳状態にある一蘭だが、目的である”ちやほやされる”ことは忘れていないし、諦めていない。どうにかこの状態を打破できないか考えていた


(まだ7歳だからいいか、男の子から男子として見られるようになる中学生辺りから本気で検討しよ)


先延ばしにすればするほど身動きが取れなくなるは分かっているのだが、考えるのも怠いので一蘭は未来の自分に任せた



女性が多い社会で「彼ら」と表現するのは可笑しいのではないかという意見をいただきました。おっしゃる通りだと思います。一応、一蘭と語り手は前世の基準で判断しているので『they 』を『彼ら』と訳していると解釈して下さい。よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ