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(・・・・・・だから何って話ね)


体の痛みや気怠さを忘れるほど一蘭は集中していた


安静が必要とはいえ、ずっと横になっていた一蘭は、暇に耐えられなかった。一蘭は柳に掛け合って、道場で瞑想をする許可をもらっていた


(今回の件は僕が今まで無意識にやっていた事を言語化できるようになっただけ。急に何かが出来るようになった訳でもない。現実は物語のようにはいかない、結局これからも努力あるのみやな・・・・・・1日で出来ることなんて、たかが知れている。今日を振り返った時、成果を1つでも思い出せれば十分だ。よく『木を見て森を見ず』をダメな例とする場合がある。しかし、最初から物事全体(森)を見れることなんて少ない。まずは手探りで目の前を一つずつ進んでいく、そしてある時振り返ると、自分がやってきた物事のつながりが見えてくる、そんなことの方が多い。やれば身につくとは限らない。しかし、やらなければ確実に忘れる。ただし、焦らないこと。過ぎた時間に悲しまないで、今から出来ること気負わない程度に考える・・・・・・!?)


一蘭は瞑想しながら、これまで学んだことをもう一度整理し直していた。彼がそうやって己の器を満たしていた時、突然ある光景が見えた。いや見えてしまった


自分が心血を注いで満たしている器、その器は次のより大きな器に運ぶためのバケツのようなものでしかなかった。更に次の器もまた、その次の器を満たすものでしかない。そしてその器も・・・・・・


段々と大きくなっていく器が見えなくなるまで並んでいる。まさに『森』を見てしまった一蘭は、ふと思った


(どこまでいけるんだろう?)


それは、己の限界への単純な好奇心であった


一蘭と柳は自身の器を満たすことが目的ではない。自分がこれまで学んだものを、一滴もこぼさず器に注ぐ。これが彼らの生き様である。故に、器がどれほど広く、大きくなろうと彼らには関係ない。ただひたすらにやる事は変わらない


一蘭は絶望も悲壮感もなく、その光景をしばらく眺めていた


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