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温もり

かくらは一睡も出来ていなかった。この不安がいつまで続くのだろうかと考えていると、柳が部屋に向かってきている気配を感じた。しかし柳が来るのを待っていたはずなのに、彼女の不安はどんどんと大きくなっていく。これから、『一蘭が目を覚ました』か『一蘭の息の根が止まった』かのどちらかを告げられる。気配が近づいてくる毎に息が苦しくなってくる


柳が襖を開いた


・・・・・・


「ぉ、おにぃさま、は?」


何故か沈黙になった場で、先に言葉を発したのは、かくらだった


「なんじゃ、この距離の気配すら感じられんのか。とっくに目覚めておるわい」


柳は挑発するような笑顔で答えた


「っ! クソジジイ!」


かくらはそう言い放って一蘭が眠っている部屋へと急いで向かった


「はっはっはっ」


柳はそんなかくらを見て、ニカァと笑っていた。その後、不安から自分を守るように体を丸めて眠っているけやきを起こしに行った


ドカドカと足音を鳴らしながら、かくらは一蘭の元へ走った


「・・・・・・! お兄様!」


「かくら、心配をかけたね」


走って来た勢いそのまま一蘭に抱きつく・・・・・・一蘭がいつも通り静かに笑っている、自分の名前を呼んでいる、それだけで彼女の涙は止まらなくなってしまった


「不安でした」


「うん」


「全身に力が入らなくて」


「うん」


一蘭は傾聴・・・・・・こういう時は、ただ相手の思いを聞くのみにしておく。自分の意見なんて求められていないのだ。一蘭は、自分に抱きついているかくらの背中をさすりながらずっと頷いていた


「もう会えないかと思って・・・・・・うわあああああん」


その後もずっと聞く側に徹していた


そして、今度は静かに怯えながら入ってくる気配が一つ


「一蘭・・・・・・」


「母さん・・・・・・少し甘えたいので近くに来てもらってもいいですか?」


「〜! いちら〜ん♡」


けやきのシリアスな雰囲気が一転、真っピンクとなって彼女は一蘭に飛びついていった。一蘭はけやきの扱いをよくわかっている。それに、甘えたいというのは一蘭の本音でもある。柳の薬を飲んで痛みは少し和らいだが、それでもまだ気だるい。彼は年上の包容力と母性を求めていた


「迷惑をかけてごめんなさい、母さん」


「あぁ、一蘭の温もりだ・・・・・・いつもこのくらい甘えてくれればいいのに・・・・・・一蘭の匂いもっと、もっと〜♡」


「・・・・・・」


けやきに掛けた言葉に対して会話になっていない返答がきたので、完全に彼女の世界に入ってしまったんだなとけやきのことは一旦置いておくことにした


(師匠は布団を片付けているな。こっちに来るまでもう少しかかりそう、しばらくこのままでいるか・・・・・・ん?)


一蘭はかくらとけやきの動きに違和感を持って自分に抱きついている2人を見た


(いや、なにしとん)


2人はそれぞれ自分の好きなように彼を堪能していたが、少しでも多く彼を占領しようとするがあまり、2人の間で戦いが起きていた



前3つの仮説の内容が分からないとの感想をいただきました。ストーリーのテンポと需要の有無をイマイチ把握出来ていないのでこういう感想はすごく助かります。ありがとうございました

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