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『空』

(ごめんなさい)


彼は心の中で家族、こと先生、師匠、彼を育んでくれた多くの人と物に感謝して、謝った


小鳥の前に無理やり足をつけそのまま体を捻りながらジャンプ、この時点で半月板、そしてなにより脊椎が損傷、そのような状態で宙に舞った彼が受け身など取れるわけがなくそのまま世界の法則に沿って山を転げ落ちていった


(あ、なんか分かったかも・・・・・・)


すでに全身は複雑骨折、体内はぐちゃぐちゃ、それでも宙に舞って転げ落ち続ける彼は五感に頼らない世界を見た。五感がほぼ機能していないこの状態だからできたのかもしれない


(よかった、生きてる)


急な物音に驚いて、”すでに山を離れて遠くにいる”鳥を確認して安堵した


彼はあの状況で鳥の命を守ることしか考えなかった。本能的に感じた事だか、あえて言語化するとすれば後悔と懺悔を恐れたからである。今後医師となって命の綱渡りをする場面があるかもしれない。一歩の間違いも許されないその状況で、目の前に小鳥が出てきてこちらを見てくる未来を想像した。


『小鳥の命は救うに値しなかったのか』

『2回目のお前が生に拘ったのは強欲すぎたのではないか』


(誰かに言い訳をし続けなければいけない人生なんて耐えられる気がしないよ)


転がり落ちた先で『空』を感じていた


(帰ったらお願いを聞く約束破っちゃったな)


そんなことを考えていると師匠が側に寄ってきた


(責任感じているかと思ったけどそんな感じはしないな。まあ、これに関しては誰も悪くない、強いて言うなら前世の記憶が悪いな。人間いつ死ぬか分からないし、それが今日だっただけ。おそらく何百年生きてるジジイは死に接する機会が多くて誰よりもそれが分かっているのかな。あーあ、ちやほやされたかったなー。ついでにこの世界のクソガキどもに一泡吹かせたかった。あーなんかイライラしてきた、このジジイも無茶な修行ばっかりしやがって!・・・・・・なんだ? 手首切って、血を飲ませt)


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