パーティー(純連視点)
一条家現女当主、一条純連はこの事態の落とし所を冷静に考えていた
(中本様は・・・・・・期待できなさそうです。はぁ、どうしましょうか)
自分の娘が当事者となっているにも関わらず、見向きせずに食事をとっているけやきを見て彼女の協力を得るのを早々に諦めた
(ほんとあの家は・・・・・・娘の手綱を握っていて欲しいです)
娘を自由にさせる→変人が生まれる→変人が母になる→娘を自由にさせる→・・・・・・
これが中本家の変人製造メカニズムである
(とりあえず、あちらの息子さんには退場してもらいましょう。あちらに恩を売るだけの価値は・・・・・・まあまあね。それなら台本通りに動いてもらいますか)
「あらあら大変ね」
そこからは彼女の筋書きに沿って事態は収束した・・・・・・
「皆さんがお楽しみのところ、お騒がせしてすみませんでした。主催者としてお詫び申し上げます。私は今からお詫びの品の準備で少し退場させていただきます」
“品を用意している間に帰る準備をしろ”
それを聞いて大人達は話し合いをやめて静かに片付けを始めた
しばらくすると純連が会場に戻ってきた
「あら? 皆さんお揃いでどうなさったの? そうだわ、ちょうど皆さんお揃いですから今から品々を渡しましょう。でも、品を持ったままパーティーを続けると言うのも不便ですね。皆さんが許してくださるのでしたら、少し早めのお開きとしたいのですが、いかがですか?」
当然声を上げる者などいない。子供達は事前に一言も喋らないように言われている
「私の誠に身勝手なお願いを受けてくださりありがとうございます。また近々パーティーを開きたいと思いますので、その際はまたよろしくお願いします」
そのまま軽い挨拶と品を受け取る流れとなったが、すぐに帰らずに屯している人達がいた。形だけとはいえ、一条家が自分たちに謝罪をした。この事を使ってなんとかお近づきになりたいとしているグループが1つ。もう1つは同じくこの事を利用して、歴史ある一条家の中でも類を見ないほど才に溢れると言われている蓮月を手に入れようとしているグループがある。
しかし、そんな彼らも次の光景を見て我先にと会場を後にした。純連が品を渡すために、けやきの元に向かったのである
「中本様、本日はこのような形で終わってしまい申し訳ございません」
「一条様が謝る必要なんてないわよ。不測の事態だったのだから仕方がないでしょう?」
(あなたの娘さんが起こしたことなのですけどね。まあ、私に配慮してわざわざ最後まで残って下さったのだから、これが彼女なりの謝罪でしょう)
「群がる虫が多いと大変ね」
「たまには役に立ちますよ? 何匹かどうですか?」
「冗談じゃないわ」
普段のけやきは決して見せない戦う女性の顔、彼がこの場にいたら驚愕するだろう。社交界とは魔境であり、1つのミスが命取りとなる
「そんなことより一条様」
「ええ、私も同じ事を思っております」
2人の目線の先には臨戦体制に入っている娘達の姿があった




