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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
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8話 探索

俺たちは2階に来ている。

昨日来た時に2階に行ける条件を満たした。

1階では、ウサギを10体倒すと次の階に行けるようになる。


そして、黒渦で2階に行くことをイメージすると2階に行ける。

これはそういうシステムなのだ。

よく分からないが。


というわけで、2階にはブタがいる。

同様に10体倒すと次の階に行ける。

他の階ではキーとなるモンスターを倒すことで次の階に行けたりする。


2階には1階と同じで辺り一面岩だらけ。

「この階はブタだけどウサギより固くて耐久力があるよ」

菊地先輩からのアドバイスだ。

「了解です。とりあえず殴ってみます。」

「当然ウサギより力があるから体当たりには気をつけてね」


殴ってみて効かなかったらナイフでチクチク戦法かな。それだと大変だから殴って終わらせないが。

体当たりは気をつければ避けられる。ウサギほど速くないからだ。


とにかく棍棒を召喚する。

野蛮な武器だが手に馴染む。野球やってて良かった。

「じゃあ、行ってきます」

「「「「行ってらっしゃい」」」」


みんなから見守られながらブタに向かって走りだす。

俺に気づいたブタが逃げるために後ろに走り出す。

動きが遅いから直ぐに追いつき、

勢いをつけてブタのお尻に挨拶がわりのフルスイング!!

「どりゃ!」

「ブビィッ!!」

衝撃で若干手が痺れたが、ブタは後方に少し飛ばされる。


お尻を殴り飛ばしたが、どうだろうか。

立ってはいるが怯んでるのがわかる。

追撃で脂肪でダルダルのお腹を狙って、おもいっきりゴルフスイング。

勢いよく飛んでいき、地面を転がる。


立ち上がる前に追いつき、棍棒を消して腰からナイフを取り出し首に突き刺す。

声を上げることなく死んだことを確認した。

おそらく2回目の攻撃で気を失っていたのだろう。

確か魔石はお腹にあると言っていた。


ナイフで捌きお腹の中に手を突っ込む。

固いものを掴み引き抜くとウサギ同様の小さな欠片のような魔石だった。


正直、生き物のお腹に手を突っ込むのは当然いい気はしないが、俺は昔からやる時はやる男なのだ。このくらいは気にならない。

ナイフをしまって、みんなのところに戻る。


「終わりました。どうでしたか?」

「そうだね。大竹君自身どうだった?」


菊地先輩からの問いに、

「んー、動物だからやりやすさはありますね。得体の知れない生物じゃないので、特に不安とかはないです。

速くない相手なら俺の攻撃が当たるのでそこもやりやすかったです」


「そうだね。大竹の攻撃にはノックバック効果があるから相手が飛ぶ方向も考えて攻撃する必要があるね。攻撃力も当分は通用するから大丈夫だね」

「了解です」

「それと、生き物殺すことに躊躇がないのが良いね。たまに殺すことを躊躇う人がいるけど、大丈夫そうだね」

「まあ、無駄に殺してるわけじゃないので、必要なら殺しますよ。

世の中弱肉強食ですからね」


「おー、冷めてるねー。

それで朝姫(あさひ)にここに残ってもらいたいの。

同級生だし、ちょうどいいしアタシたち少し先に挑戦しようと思ってるから。

しばらくはこの2組に別れて行動しようと思う。

2人には15階を目指してもらうから。

15階行ったら合流してみんなで進もう。

ゆっくりでいいからね。

それじゃあ、アタシたちは22階に行ってるから、何かあったら連絡してね。

今日は18時にギルド入口集合で」

「「はい」」



そして残った俺たちは、

「さーて、それじゃあ再開しよっか!」

「そうだな」

「何かあったらサポートするからね!

私の能力なんだけど、

いくよー、ていっ!

どう?動ける?」

「ん、ぬ、なっ、どうなってんの?

全然足動かないんだけど」

「へへ、すごいでしょ。

これが私の能力、魔力を飛ばして、あらゆるものをくっつけられるの。

もちろん人にも付けられる。

これを使うとほら、壁も登れる」

ススッと、手と足を使って壁を登ってる。


傍から見るとロッククライミングみたいだ。

だが、何かを掴むとかじゃなくただ壁に手足をつけてるだけだ。

なるほどすごいな。


「これで、相手の動きを止められるから安心してね。攻撃力は無いけどサポートは任せて!」

「おう!任せた!」

鈴鹿は常にテンションが高いな。


「鈴鹿はいつ入部したんだ?」

「んー、入学してすぐだよ!

前から決めてたの。ダンジョン部に入るって。まぁ、同好会だけどね。

人数少ないけど、しっかりしてるし先輩二人とも頼りになるから、最高だよ!」


「そうなのか。

てか、変なタイミングで入部しちゃったかもな。先輩たちの迷惑になってなければいいけど」

そう、鈴鹿は4月に入ったと言っていた。

それなら今みたいに付き添いがいたはずだからやりたいことが出てないんじゃないかと考えてしまった。


「そんなことないよ!

2人とももっと人数増えないかなーって言ってたから!」

「そっか、それにしても2人で22階って大丈夫なのか?」

「そこは大丈夫だよ。あの2人すごく強いから。多分想像出来ないくらい強いよ!

私初めて見た時目が飛び出たもん」

へー、目って飛び出るんだ。


「それなら良かった。楽しみだな、先輩の戦い見るの。

よし!やるか」

「うん!」


さっきと同じようにブタに突っ込み棍棒を出しフルスイング!

壁に突っ込んだ豚はひっくり返った。

棍棒を消し、ナイフを取り出し首元に刺す。

さっきと同じであっさりと倒せた。

それからも苦戦することなく倒し続けた。


そして編み出した戦法。

ブタに走り出し棍棒を振る体勢になったタイミングで棍棒を手元に召喚する。

棍棒の重さを利用してフルスイング!

少しだが威力が増した気がする。

しかもこの方が身軽だから体力の消耗を抑えられる。やはり俺は頭脳派。


重力を利用した攻撃方法を思いつく俺の頭脳に脱帽だぜ。

考え続けることこそ至高そして思考…

とまぁ、そんなこんなで10体倒し終わる。

黒渦で3階、4階、5階、順調に進んだ。

相手はそれぞれウシ、ヤギ、ヒツジだった。

特に苦戦もなく10体ずつ倒した。


ヒツジを倒し終わったところで17時50分だったから、今日はこれで終わりして、ギルドに戻った。


先輩達が既に待っていた。

「お待たせしました」

「待ってないよ。アタシ達もさっき戻ったから、それに待ち合わせの時間はまだだから気にしなくていいよ。

それよりどうだった?」


「はい。5階まで終わりました。

危なげなく進めました。鈴鹿が後ろにいたおかげですね」

報告ついでにリップサービスを添えて


「そっか、順調で何よりだよ。2人の距離が縮まって良かった良かった」

「それじゃあ、今日はこれで終わりね。

徒歩組はワタシが送るから、自転車組は気をつけて帰ってね、もうすぐ日の入りだから。」

先生から解散を告げられる。


「また、次もよろしく、鈴鹿。それじゃあね。

あ、明後日入部届け持ってきます」

「そういえばまだ入部してないんだった。

忘れてた、よろしく」

途中まで石川先輩と自転車で一緒に帰った。


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