84話 奮闘
「創世樹!」
さっきの戦闘でも、傷1つなかった白いタイルにヒビが入り、地面が盛り上がりタイルを割って姿を現したのは巨大な樹。高層ビルに匹敵するほどの大きさの樹が後ろに聳え立つ。
清麻呂が動き出し、辺りをツタで埋め尽くし、その全てがスフィアに向かって伸びていく。
ツタに対してスフィアが腕を振るうと、全てのツタが根元から消えていく。
「想像以上だ。あんた強すぎじゃね?」
「様子見してる場合じゃないよ。死んでからじゃ負け惜しみもできないからね」
「それは大丈夫。死なないから」
「へぇ、どこからその自信は来るのかな」
そう言いながらスフィアは清麻呂に近づくと俺の時と同じように、全身を消し飛ばされた。
「あれれ?命の大切さをわかってないね。だから死ぬんだよ」
清麻呂の体は一欠片も残らなかった。
「うそだろ…」
「呆気なかったね。どうしてあんなセリフを言ったのか気になっちゃうよ」
「勝手に殺さないでくれよ。俺の命は1つじゃない」
「あれ、確実に殺したはずなんだけど?」
「だから言ったろ?俺の命は1つじゃないって」
「面白いね、命を粗末に扱ったらダメだって教えてあげるよ。君が死ぬまで殺し続けてあげる」
「やれるもんならやっ━━━」
(ぷちゅん)
「命とは儚くて尊いものであることが重要なんだ。
君みたいに命を粗末に扱う人は好きじゃない」
「ハッ、命ってのは肉体に宿るのか?
俺は心に宿ると思ってるぜ。いくら体が壊れようが心さえ無事なら俺は死んでない。
俺は俺の意思の力で生きてるんだ。お前に殺されたくらいで俺は死なない。俺が死ぬ時は俺の意思が折れた時だ。だから今も俺は生きてる。
お前に俺は殺せない」
「だったら本気で行こうかな」
「万樹想像」
樹皮が清麻呂の体を包み込む。さながら樹皮の鎧だ。
それと同時に様々な植物が咲き乱れる。
同時に目の前が真っ白になり、何も感じれなくなった。
「はっ!」
どのくらい意識が飛んでいたのか、キングたちも傍に倒れていた。
そんな中、戦い続けてる清麻呂。
辺り一面のタイルは割れていて、柱も折れている。
清麻呂が近接戦闘をしていた。
そして全方位から植物のサポートを受けて互角に戦えてるように見える。
「だはー!!終わりが見えねぇよ!」
「君面白いね。1つの能力でここまで多彩な戦い方ができるなんて、前の時代にもいなかったよ。もっと強くなるね」
「今お前を倒したいんだけどな」
「それは無理かなー。もっと遊びたかったけど、もう夜だよ。みんなうちに寄ってく?」
「えっ、いいの?」
「もっちろん!歓迎するよ!」
「でもここ食べ物とかあんの?」
「あるさ!とっておきの牧場があるよ!」
「まじか」
「さあさあ、みんなも起き上がって!もう立てるでしょ」
いったい俺が気を失ってる間に何があったんだ?
みんなボロボロだ。服だけだが。体はポーションで治してある。
見るも無惨な姿の服たちだ。一部が消し飛んでたり破れたり、大きな穴が空いてたり。ギリギリ肩にぶら下がってるようなのもあるし、全部消し飛んでる人も居る。服として機能しておらずボロボロの布を纏ってる。
モンデイに至ってはブーメランパンツになってる。あれは意図的なのか?
俺の服もオーバーサイズのパーカーが見事にへそ出しタンクトップパーカーになってる。
神殿内に入って歩いてるとお風呂に案内された。露天風呂になってるらしい。
みんなで大きな湯船に浸かる。
たった今地平線に太陽が沈みこんでいった。
傍には光る何かが点々と浮かんでいて、それが明かりになってる。
お風呂から出ると食堂に通された。
既に食事は用意されたいて、いろんなお肉がお皿に盛り付けられていた。
「さあさあ!召し上がれ!」
「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」
1回お腹が空っぽになったからめちゃくちゃお腹が空いてる。
みんなも同じようで、お肉にがっつく。
「うまーい!」
「うんま」
「デリシャス」
美味しさの咆哮が食堂内に飛び交う。
「ところでほんとに俺たちって歓迎されてるんすか?」
「まあね、清麻呂の友達ってことで歓迎してるよ」
「なんだよそれ」
「僕は清麻呂を気に入ったんだ」
「そ、そうなんすか」
「そそ、君たちはちょっと弱すぎたかな。良かったら僕が特訓つけてあげるけど。
まあ、コテンパンにやられた人に教え━━━」
「お願いします!」
俺はスフィアの言葉を遮りながら答えた。
考えてた。世界にはこれほどまでに強い人がいる。背中が見えないほどの差があった。
圧倒的な敗北だったが、あの戦いで俺は可能性を見た。まだ俺の限界はここじゃない。鍛え甲斐のある才能だ。まだまだ引き出し切れてないぜ。最近ダンジョンもマンネリしてきたからな。
「あなたと戦えば俺はいつかあなたを超えられる。そう思えた」
「ふふっ、君は馬鹿だね。でもそれでいい!僕は厳しいよ!」
「はい!」
豪華な個室で寝ることになった。この宮殿広すぎる!
翌朝、1度帰ることになり、この天空城オーリンから飛び降りた。
雲を抜けたぐらいにパラシュートを開く。方向を確認して進んでいく。
無事に海に着地したあと、パラシュートをしまって海の上を走っていく。
俺は金棒に乗って、清麻呂は植物で翼を作って飛んでる、宮本さんは空を駆けて先に向かった。
あの速さなら一瞬で着きそう。衝撃波で波が弾ける。
10kmくらい走るとハワイに到着した。
宮本さんが先に着いててリーダー達を呼んできてくれたらしく、浜辺に集まっていた。
「おかえり!まずはよく無事に帰ってきた!!」
あっさりと終わりましたね。




