表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
81/97

78話 遭遇

翌朝。

まさかの2人とも二日酔いで、ベッドから動けないみたい。2人から今日は1人で観光楽しんできてと言われた。

なんで海外まで来て1人で観光しなくちゃならないんだよ。まぁ、仕方ないか。


部屋を出る時に佐藤君から翻訳機を貰った。勝手に英語に翻訳してくれるし、英語を翻訳してくれる。

とりあえずこれで大丈夫だろう。


ブラブラと街中を歩いて適当なお店に入る。お店のトイレでは自浄機能の付いた魔道具がそこかしこにあり、めちゃくちゃ綺麗なトイレだった。小便器全体が魔道具だったり、個室トイレの便座が魔道具だったりとうまく使われていた。

全部の建物が新鮮で楽しい。


ウェストミンスター橋を渡ってテムズ川を越える。目の前には大きな時計台のビッグ・ベンがそびえ立っている。

デカイ!!太い!!

スケールの大きさに息を飲む。




テムズ川沿いを歩いていると。


「パンッ!パンッ!」

乾いた音が響いた。

爆竹か銃声かわからないが、好奇心で音のする方へ行ってみる。


ウェストミンスター宮殿前に警備員らしき制服を着た2人の男性が倒れていた。

2人とも腹部から出血していて、流れる血が地面に広がっていく。


「うぅ…ぅぅ」

「大丈夫ですか!」

他に通行人はいない、俺は近づいて警備員さんの肩を揺する。

まだ生きてるけど、相当痛そうだ。

「ポーション使いますよ!」

巾着からポーションを出して、2人に飲ませる。


「うぅ…あれ?痛くない」

「お、俺もだ!撃たれたはずの傷が無くなってる!」

「2人にポーションを飲ませましたのでもう大丈夫ですよ」

「なっ!」

「ポーションだと!!」

「ありがたいが、そんなの払える金ないぞ」

「お、俺もだ。助けてもらって感謝してるが」

「大丈夫です。お金を請求しませんから」

「そんな訳にはいかないだろ!あとから請求するんじゃないのか?」

「じゃあ、俺が2人に飲ませたのはただの水です。とりあえず何かあったのか聞いてもいいですか」

「お、そ、そうだな。」

「ついさっきの事だ、5人の黒ずくめの奴らが突然中に入ろうとしたから俺たちは規則通りに止めたんだ。そしたら奴らは何も言葉を発することなく発砲してきたんだ。そして5人はそのまま中に入っていった」


「中では今英国議会が行われているからかなりの人数が集まってる。5人でどうこうできるとは思わないが」

「そこはとっておきの能力があるんじゃないですかね」

「そうか、とりあえず通報したから俺たちはどうしようか」

「俺たちにできることは無いだろ、ただの警備員なんだし後は警察に任せよう。中にもいるはずだしな」

「ということで坊主、ほんとに良かったのか?」

「気にしないで、運が良かったねってことで。まぁ、銃で撃たれてるから運が良いとは言えないですね」

「ほんとに助かった。ありがとう」


「ただし1つだけ条件があります」

「な、なんだ?」

「これから俺は中に入ります」

「お、おい!それは」

「そのことを内緒にしてください。あなた達は俺のことを知らない。いいですね?」

「わかった。俺の誇りにかける。それと礼は必ずする。名前を聞いてもいいか?」

「村丸。大竹村丸です」

「覚えたぞ。村丸だな、必ずまた会おう」

俺はその場から跳んでウェストミンスター宮殿の中に入った。


隠密は苦手なんだよな。角を使って宮殿内を見渡す。

緑色の椅子が並んだ部屋にたくさんの人が集まってて、そこに黒ずくめの5人でもいた。2人が銃を向けて全員を部屋の隅に移動させてる。3人は部屋の入口に固まって何か話してる。


その3人のうち2人は女性っぽい。

なぜなら胸部に膨らみがあるから。ただ、偽物の可能性もある。爆弾か、もしくは何かの魔道具か、どちらにしても警戒が必要だ。一手対処が遅れただけで、場面がひっくり返るかもしれない。


もちろん1番優先しなくちゃいけないのは議員の人達だ。

勝利条件は議員さん達の解放。既に中にいた警察官らしき人達が倒れてる。


申し訳ないけど、今は何も出来ない。バレちゃダメなんだ。


あれ、イギリスって街中での能力の使用って大丈夫なんだっけ。銃とかの規制は厳しいって聞いたことあるけど、どうだったかな。これ下手したら俺も捕まっちゃうかな。さっきの警備員さんに聞いとけばよかった。


巾着から布を取り出して目だけが出るように顔に巻き付ける。手袋もして指紋対策もバッチリだ。

武器はどうしようか…巾着の中を探すと1本の木の枝がでてきた。1mほどの長さで人差し指位の太さだ。あまりにも真っ直ぐだから思わず拾っちゃったやつ。

こういう時のために色々用意しておくんだったよ。



通気口のフタを外して四つん這いで進んでいく。背が低くて良かった。


みんなが集まってる部屋の上の通気口にたどり着いた。直接自分の目で見てみると、1人の男が黒ずくめに拘束されていた。

テレビでも見たことがある内閣総理大臣だ。確か名前はジーン マルク シミラス。


初撃であの人を拘束してる人を倒すか。

枝の先に清麻呂から貰った木の実の汁を塗りつける。この木の実の汁は皮膚接触で麻痺を起こす。この場面にうってつけだ。

悠長に考えてると。


「おい!上に誰か潜んでるぞ!!1人だ!」

「なにっ!」

「どこから!」

「馬鹿野郎!通気口からだ!」

フタを外して拘束してる人に飛び込む。キックをかまして吹っ飛ばす。

「なっ!」

「狙え!」

内閣総理大臣を抱えて後ろに跳ぶ。


女の1人が火の玉と水の玉を複数飛ばしてきた。

後ろには議員の人たちがいるから避けられない。1つずつ殴って壊していく。


近づいて女を殴るが見えない壁に防がれた。今度は力を入れて見えない壁を殴ると、大きな音をたてて割れた。すかさず木の枝で両腕と両足に突き刺す。


次にまだ何もしてない男に跳びかかる。さっきの障壁はもう1人の女が出してた。恐らく防御要員だろう。それよりもまだ能力がわからない男から始末していく方がいいと思った。


が、この男は俺に何もすることなく、四肢を枝で突かれて倒れた。何要員だ?


が、その間に女が議員達に走り出す。仕方なく枝を折って片割れを女に投げつけた。でもさっきの見えない壁を張られたらいくら思いっきり投げたとしても壁を壊せないと思って同時に極細の金棒を一緒に飛ばした。偽装工作だ、傍から見たら枝だけが飛んでるように見えるが、実際は同時に金棒も飛んでる。

思い通りに壁を割って、女のお腹を金棒と枝が刺さって壁に衝突する。


さて、これで残るは1人。俺がこの部屋に降りてからずっと俺の事を観察してるようだった。

「どう?分析は終わった?」

「ああ、お前は強え。だが、俺に勝てるほど強くねえ。手下を倒していい気になってるところ悪いがお前はヒーローの器じゃねえ、ここらで退場してもらうぜ」

「確かに俺は木の枝、あんたは大剣。明らかだね」

「それだけじゃねぇ、お前に俺の動きが見えるか?」


男はそう言うと大剣を構えて、驚く程の速さで俺の後ろに回り込んだ。そして男は大剣を振り下ろす。

残念、見えてますよ。

(ズドオォン!)

「なっ!」

俺の突き出した腕に大剣が流され、床に大剣が刺さる。


俺は枝で男の腕に突きを放つ。

意外にも反応してきて大剣で防ぐ。そこから流れるような動きで大剣を振り上げる。それを上から腕で押さえつけながら、再度枝で突く。

今度は防御が間に合わなかったようでぶっとい腕に刺さる。


これじゃあ傷が小さくて行動不能には出来ないな。倒れてる4人は動きそうもない。ちゃんと麻痺が効いてそうだ。


腕で防御して枝で突く。ウォリアースタイルで戦っていく。多分拳で殴ったら死んじゃいそうで殴れない。上手く手加減できないから、枝で攻撃するしかない。


素直に成長を感じる。相当な手練の大剣を腕で防げる。ただの枝が肉を刺す。


男の体にはいくつもの小さな穴が空いていた。比べて俺の体は無傷。そして決着の時が訪れた。俺の枝が男の首に刺さると動かなくなり、力なくその場に倒れた。

ふぅ。


ササッと5人を縄で雁字搦めにして縛る。結局2人は普通の女性だった。疑ってすみません。魔力封じの枷を嵌めて部屋の角に纏める。


5人にポーションをかけて、改めて麻痺させた。ついでに睡眠効果がある木の実も食べさせた。


「多分これで大丈夫です。さっき警備員さんが警察呼んでたので時期に着くと思います。それでは」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!君はいったい」

「アイアム、ジャパニーズニンジャ!……ドロン!」

素早く通気口に戻って、そこからウェストミンスター宮殿を出る。


その時警察が到着して、突入準備をしていた。


俺には金棒が無くても枝で意外とやれたな。

これが弘法筆を選ばずってか?

お昼を食べてから、ホテルに戻って寝た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ