表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
8/97

7話 ダンジョン同好会

俺のこの超ハイパー頭脳の記憶が正しければ、この学校にダンジョン部があるはずだ。


ダンジョン部がどんな活動をしてるか分からないが、部活でダンジョン内を探索してるなら、入部するのもありだろう。


なんせ俺はダンジョンに詳しくないし、1人は普通に危険だと、判断したからだ。


というわけで

「佐々木先生、ダンジョン部ってありますか?」

まず担任の先生に話を聞く。

「ダンジョン部?あるよ。

でも今は同好会だな、人数少なくて部として認められてないんだよ」

「活動内容は知ってますか?ダンジョンに入りますかね」

「そうだな。確か入ってるな。詳しくは知らないが、たまに職員室で話してるのを聞いたりするな」

「そうなんですか。部室どこか分かりますか?」

「んー、別館の2階か3階にあると思うが、後で一緒に行くか?」

「大丈夫です」

「そうか、ダンジョン部入るのか?」

「そうですね、見てから決めようと思ってます」

「そうなのか、意外だな」

「では」

話も終わりいつも通りのホームルームが始まる。

ちなみに赤点の補習は夏休みに行われる。


放課後になり、別館に向かう。

別館は本館の向かい側に建っている。

4階建てで中にはそれぞれの部屋は部室として使われている。

4階には吹奏楽部の部室があるから、大きなエレベーターがある。

そして本館と別館は2階の空中通路で繋がっていて、2階より上は土足厳禁で、1階だけ土足が認められている。

そのため、1階は運動部が使っている。


俺は空中通路を使い別館に行き、1つ1つ部屋を確認する。

ドア付近にはその部を示す看板がかけられている。

美術部、写真部、書道部、茶道部、歴史研究同好会etc...

端まで確認し、なかったので3階へ

3階の中間辺りに、ダンジョン探索同好会の看板を見つけた。


コンコン

「すみません。見学に来たんですが」

返事を待つ。

「はーい、どうぞ!」

女子の声を聞き、ドアを開ける。

ガラガラ


中には長机と椅子があり、奥にはソファがある。そこに、2人座っていた。金髪ショートのちょっとギャルっぽい女子は手首にシュシュをつけてる。多分さっき返事をしたのはこの人かな。

それと、黒髪で、メガネの地味目の男子。


「失礼しまーす。1年の大竹です」

「どうぞー、よろしくね!

アタシは2年の菊地。で、こっちが」

「同じく2年です。僕は石川。よろしく」

女子の方が菊地先輩、男子が石川先輩。

2人だけなのだろうか。


「もう1人部員いるけど、あと少ししたら来ると思うよ。

ちなみにアタシが部長だよ」

「そうなんですか。それで、本題なんですけど、昨日初めてダンジョンに入ったんですよ。でも1人だと不安だなって思ってこの学校にダンジョン部あるのを思い出したんです」


「そっか、アタシ等は1年以上通ってるから安心していいよ!

ちなみに特殊技能あった?」

「少し見学して入部するか決めようと思います。はい」

「りょーかい、前衛かな?」


「そうですね、棍棒を出せますので、主武器は棍棒です」

「そっか、アタシが前衛で主な攻撃役で、石川は後衛と前衛両方だね、索敵もしたりする。

で、まだ来てないもう1人が後衛でサポート係。ちょうどいいかもね、石川の負担が減りそうで」

「で、でもまだ戦闘は初心者ですよ」

「そうだね、まずはゆっくり戦闘の訓練をしてみようか」

「はい、よろしくお願いします」


なんかもう入るのが決まってるみたいな話の流れだな。

どれぐらい真剣にやってるのかわかんないけど、真剣にやってる人達なら嬉しいけど。


「顧問の先生ももうすぐ来るから、そしたらダンジョン行こっか」

「お願いします」

今日行けるのか、よし!

「月曜日と金曜日にダンジョン行って、水曜日は行かないで部室で計画を立てたりするの」

なるほど水曜は休養日か。週2でダンジョンに行くと。


「もう1人は1年だから大竹君、知ってるかもね。可愛いから期待してね」

ほう、もう1人は1年の女子か。クラス以外の生徒はほとんど知らないが。

可愛いかどうかは興味無いんだが。


男子部員が1人がいて良かった、俺以外女子とかだったら気まずいからな。

文化部ではあるあるだった。


「石川先輩は男子1人だと気まずくないですか?」

「まぁ、確かにそうだけど。杏奈がいなかったら辞めてたかな。あー、杏奈は菊地の下の名前ね」

「へー、2人結構長いんですか?」

「うん、去年の入学式の日にダンジョン同好会の部室の前に立って、入るタイミング伺ってたら杏奈が、声を掛けてきてその時一緒に部に入ってからだね。初対面なのに凄いズカズカ踏み込んで来たんだ。おかげですぐに部の皆と打ち解けられたんだけどね」


「つかぬ事をお聞きしますが、お2人はお付き合いなさってるんですか?」

「フフッ、付き合ってないよ。僕はお淑やかで、気品のある女性が好きなんだ」

メガネのブリッジ部分を中指で押し上げる。


「アタシは、王子様みたいな人がいいから。鉄はちょっと」

石川先輩の名前は鉄衛門、古風な名前だ。

「それは僕のセリフだ!」

凄い定番のやり取りを!

「お似合いですけどね」

「やめてよー」「やめてくれ」

ほうほう、息もピッタリだ。

この辺でやめておこう。


「今は何階くらいに行ってるんですか?」

「今は1年の子がいるからまだ、15階だよ」

「そうなんですか、2人は何階まで行きました?」

「アタシ等は2人で22階までだね。落ち着いたらもうちょい行こうかなって話してるよ」


「マジですか、少し調べたんですけど、ダンジョンだけで生活するプロの人達で26階〜29階って聞きましたが。2人だけでそこまで行けるんですか」

この2人めちゃくちゃ凄い人達なんじゃ。

「うーん、どうだろ。20後半は1階変わるだけでモンスターの強さが段違いって聞いてるから、20前半は割といるんだよね」

いや、そんなこと言ってもまだ行き始めてから1年しかだってないんだぞ。

しかも余裕ありそうだし。


「もしかして、凄い人なんですかね。先輩たちは」

「フフ、そんなことないよ。

他の学校の子達もこれくらいだよ」


「へー、交流あるんですか。ほかの学校と」

「うん、年に何回か一緒にやったりするよ、そこの顧問の先生がすごいの」

「そうなんですか。た──────ガチャ」

「遅くなりましたー、ってあれ?」

「入部希望の1年の大竹です。よろしくお願いします。」

「おー、新入部員!しかも同級生、よろしく!

私は鈴鹿(すずか) 朝姫(あさひ)だよ!」

明るめの茶色でショートカット、小柄で元気が溢れてる。確かに可愛いと思うが。


そしてその後ろにはストレートの黒髪を背中の真ん中辺りまで伸ばしたスラッとしていて、スーツを着てる女性が。

「あ、先生も一緒だったんですね」

どうやら顧問の先生らしい。


「聞こえたわ、入部希望の大竹くんね。よろしく。ダンジョン同好会顧問の高嶺(たかね)すみれです」

「はい、よろしくお願いします。高嶺先生」


パンツスーツでスタイルが良いのがひと目でわかる。目鼻立ちもスっとしてて、耳に抵抗なく吸い込まれる落ち着きのある声。

さらにすごいのは、名前負けしてない。

一族みんな美男美女の予感。


おそらく、20代前半か、後半。

いや、30代前半辺りだろうか。

なんとも言えない色気がある。

億が一の30代後半も無きにしも非ずだろうか

色んな種類の魅力を併せ持ちすぎて、俺の勘がまるで仕事をしていない。

女性の年齢を深掘りするのは野暮だな。

もう既に結構考えちゃったけど。

10代の可能性すらある…ないか。教師だもんな

ダンジョン部の顧問…まさか!!


「先生もしかして、特殊技能あります?」

「ええ、あるわよ」

ふっ、やはりな。俺の勘が正しければそっち系統の能力だろうな。人の脳に影響を与えるとかそういう。

まいったぜ、強力な能力だなこりぁ。

「どうかした?」

おっと、長考しちまったぜ。

「いえ、なんでもないです」

「そう、大竹君もこれからダンジョンに行くのよね。」

「はい、よろしくお願いします」

「それじゃあ行きましょうか」

「「「「はい!」」」」

「あ、先生!大竹君にあれを」

「あ、そうね。

大竹くんちょっといいかしら」

「え、はい」


「ワタシの能力はものを転送するの。それで、人も転送できるの。ダンジョンで何かあった時すぐにその場を離れられるようにね。

そのために大竹君の魔力少し借りるわね」

「どういう」


そして先生は俺のお腹に手を当て

「よいしょ、はいこれが魔石。これを必ず身につけてね。これを割ると強制的にこの部屋に転送されるから。

ワタシの目の届く範囲にいる限りはワタシにまかせてね」


先生の手のひらにビー玉サイズの魔石?が現れた。

それを渡されポッケにしまう。

「ワタシが顧問になったのもこれが理由よ。まだ教師になって2年目でこの部も2年目だから頼りないかもしれないけど、この能力は信じていいわ」

「に、2年目なんですか。なんというか纏う雰囲気がすごくてベテラン感が」

「ふふ、」


2年目ってことは今年24か?

それで、あのオーラを出せるなんて、

しかも能力も全然違うし。

もう、しばらくは俺の勘、活動休止だな。

信用出来ない。

ダンジョンでこんな勘を頼ったらスパッと死にそうだ。


「試しに割ってみて。体験しといた方が、いざという時スムーズにできるから。

床に軽く叩きつければ転送するから廊下に出てやってみて」

「わかりました」

そう言われ廊下に出て下に魔石を叩きつける。

ブン!

「うおっ!」

一瞬で移動した。


「なるほど、凄いですね」

「それじゃあ、また魔石作ってから行きましょうか」

そしてまた作ってもらってから移動を開始した。


ダンジョンへは俺と石川先輩が自転車で、菊地先輩と鈴鹿さんは高嶺先生の運転する車で行く。

2人は徒歩で登校してるので、車で行くことになる。

ダンジョンまで歩きだと地味に時間がかかる。


自転車で10分だから、車だと7分くらいかな。

石川先輩とゆっくり自転車を漕ぎながらダンジョンへ。

車組と合流して、建物の中に入る。


先に革の防具を買わせてもらう。

最初は革の防具で十分だと言われた。

そして改めて今日の目的の確認をする。


「えー、今日は大竹君の動きを確認するために2階と3階出来れば4階まで行けたらいいなって感じです」

「俺次第ってことですね。

頑張ります」

「よし、それじゃあ行こうか」

ダン証をかざし中に入る。

黒渦に吸い込まれる


あれ、俺初対面の人と普通に話してたなぁ。

なんで自己紹介であんな暴走したんだ?






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ