71話 50階
2日連続で書いてる途中に気を失ってしまいました。気付いたら夢の中で友達と地球を救ってました。
ブックマークありがとうございます。すごく嬉しいです。
今日は50階に挑戦する。
朝からギルドに行って、ダン証をかざして黒渦に入る。
森だ。ダンジョンは森と洞窟が多いな、結構な割合でこの2つのどっちかだ。
木の根っこが地面から出て露出してて凸凹で歩きづらい。
「今日は50階に来てます」
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『50階のモンスターはなんだ!』
『厄介ですよ』
「地中にリスがいますね。2体いますけどまさかリスがこの階のメインじゃないですよね?」
俺の角の前では地中に身を隠したところで無意味だ。
んー、他の生物は居ないな。リスはまだ俺に気づいてないかな。巣でくつろいでる。
忍び足で巣穴に近づく。あと10mくらいで俺の金棒の射程圏内だ。
「このままゆっくり近づくか、ダッシュで近づくか、どっちが正解だ?」
『ダッシュ』
『ダッシュですね』
『ダッシュ』
『ダッシュ一択』
『ダッシュだろ』
『ゆっくり』
「それじゃあダッシュで行きま━━━ブヘッ!」
なんだ?何が起きた?何かが俺の横腹に当たって、吹き飛ばされた。
「いててて」
『出オチ』
『どんまいです』
『先手取られたな』
『これは負けるか!?』
『何が起きた』
周りを確認するがリスは今2体とも、巣の中にいる。もうさっきと違って戦闘態勢だが、気づかれたか。
「ちょっと待って、さっ━━━ブヘラッ!」
今度はお腹に何かが当たって吹き飛ばされた。
なんだ!何が起こってる!?
「これ結構や━━ブッ!ボヘミッ!!」
今度は2連撃。ただこれで正体はわかった。
見えてなかったけどリスの仕業だ。今俺の前に2体のリスがこっちを見てる。多分あの顔はニヤついてるな。
「やっぱりリスだったか。まんまと俺の罠にかかって姿を現したな」
くえーっ、動き見えなかったぞ!大丈夫なのか?俺!とりあえず敵はわかった。深呼
「キュフッ!グフェッ!」
強い!確実に強いぞ!リスの目って黒目だけだから怖い。これが恐れか。
俺の角でも捉えきれない速さでリスは動いてる。
「デュクシッ!トプッ!」
くっそー!思考が纏まらない。ちょっと待ってくれよ!今考え事してるんだ。
お前らの殺しか
「タラッ!トプッ!」
正直言ってそこまで痛くない。そして速すぎて止められない。
「これまずいんじゃブラッ!」
「これやバスッ!」
『これはヤバスだわ』
『ヤバス』
『ヤバス』
『確かにヤバスww』
「ちょっと思考が纏まらないから鎧着るわ」
いつもの金棒の鎧を着るが、今回はトゲマシマシだ。ちょっとでも傷をつけたい。一方的な戦いはやるのもやられるのも好きじゃない。
(グジュッ!)
「えっ!?死んだ」
俺の鎧にリスがぶつかってトゲに刺さって死んだ。一緒に魔石まで壊れてたし。
これで下層のモンスターか?
『お?』
『ふふっ』
『おっ?』
『やったか?』
『↑ちょっ、それ言っちゃいけないやつ』
『安心した。ちゃんとフラグ立ててくれた』
「は?目の前にリスが2体いるんだけど、再生?」
『フラグ回収偉いぞ』
『ふふっ』
『これは再生持ちか?』
『フラグ立てて良かった』
『おめでとう。まだまだ終わらないよ』
『君フラグ立てるの上手いね。良かったらうちにこない?』
「死んだのは確かだよな。魔石も割れてたし、再生は確実か。でも魔石割れても平気って、条件はなんだ?」
『これはあれか』
『ふふっ』
『あれだな』
『なるほどあのパターンか』
『あれしかないね』
『あれだね』
「なんかみんな息合ってるんだけど、もしかして俺だけわかってないのか」
とりあえず攻撃は効かないから落ち着こう。その場に胡座をかいて、腕を組む。
2体のリスがグジュッいて、とにかく突っ込んでくる。同時にグジュッ、突っ込んでくることはなく、タイミングをずらしてくる。1体が突っ込んでくる時グジュッ、もう1体は目の前に立ってる。動く気配はなく、俺を睨んでる。なんでグジュッ、2体同時に来ないのか。攻撃が通用しないから?何かを探ってる?否、今まででペアのモンスターは見たことがない。行動を共にしている理由はグジュッ、2体で1体。2体同時に攻撃できないのは2体同時にやられることを避けるため。これなら魔石が壊れても復活する理由に納得がいく。
はい来た!俺の頭脳を舐めるなよ?見切ったぜ、お前らのグジュッ!!
タネさえわかれば簡単だぜ。とりあえず2体同時に倒してみればいいんだろ?
で、どうやって倒す?速くて見えないんだけど!未だに触れてないんだけど!当たってから反応してるんだけど!
我武者羅にいこう!きっとなんとかなる…はず!
5時間後。
ふむ、どうしたことか。全く当たらない。少しだけ見えるようになった気がするけど、体が反応しない。角に完全に集中してなんとか見えてる。
一瞬鎧を消してしてスっと手を動かして、また鎧を出す。巾着から食料を取り出して食べる。もちろんオールラディーズの食品だ。頭が糖分を欲している。
正直眠くなってきてる。リスの突進で少し体が揺れるのがゆりかごに居た時代を思い出す。
リスたちには申し訳ないが心地よくなってしまった。休憩無しで5時間お疲れ様です!
3時間後。
さすがにおしりが痛くなってきた。そんなわけで本気を出しますか。だいぶ速さに慣れてきた。耳栓を外して立ち上がる。
先に言っておくが決して数時間ずっとぼーっとわけじゃない。考えた作戦を水面下で実行していた。リスに気付かれないようにな。
限界まで細くした金棒をリス四方に忍ばせた。1番大変だったのが地中だ。ドリルのように回転させて掘り進み、気付かれないようにゆっくりと進めた。
これで1体突っ込んできた瞬間に四方の金棒を待機してるリスに放つ。俺の頭の中でのシミュレーションでは100回中100回、成功している。この完璧な作戦が失敗するはずがない。
「いくぜ!」
放つタイミングはリスが鎧に触れた瞬間。
グジュ今!プシュン!プシュン!
その時、俺の体は勝手に動いていた。左拳が何かを叩く。グジュッ。
「えっ、はい!作戦通り!」
俺の放った槍にはどれにも血は一切付いていない。
代わりに俺の左拳に血が付いていた。確認するが周囲にリスの姿は確認できない。
状況を整理すると、1体のリスが突っ込んできた瞬間に、もう1体のリスに放った金棒は空振りに終わり、たまたま突き出した左拳にリスが突っ込んできたと、そうことかい?
つまりは作戦通りということだ。知ってた、うん、金棒を避けてこっちに突っ込んでくるのはシミュレーション通りだわ。だから左拳を出したんだよ。他にあの場面で左拳を突き出す意味無いでしょ!
「お、終わりましたー!作戦が上手く行きましたね!」
『たまたま』
『偶然ですよね』
『たまたまだろ』
『事前に説明した作戦と違うぞ』
『嘘をついてる味がするな』
「敵を騙すにはまず味方から。これ基本ですよ。そんなに言うなら証拠はあるんですか?」
『顔おかしかったぞ』
『倒した時に引き攣ってましたね』
『口空いてたぞ』
『くっ、証拠がありすぎるっ!!』
「ま、これが経験からくる、予測と対処ですよ。実はこれをみなさんに教えたかったんです。
みなさんも、常に次善の策を考えておきましょう。どれだけ完璧な作戦でも、失敗する可能性はあります。
では今日の授業はこれで終わりです」
『いい感じに纏めたな。そこは評価できる』
『可愛いです』
『いつからこの配信は授業だったんだ?』
『なるほど。経験からくる予測…か』
なんとか乗り切ったぜ。俺の高等な口頭テクに恐れ慄くがいい!フハハハハ!!




