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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
74/97

71話 50階

2日連続で書いてる途中に気を失ってしまいました。気付いたら夢の中で友達と地球を救ってました。

ブックマークありがとうございます。すごく嬉しいです。

今日は50階に挑戦する。

朝からギルドに行って、ダン証をかざして黒渦に入る。


森だ。ダンジョンは森と洞窟が多いな、結構な割合でこの2つのどっちかだ。

木の根っこが地面から出て露出してて凸凹で歩きづらい。

「今日は50階に来てます」


22人が視聴中


『50階のモンスターはなんだ!』

『厄介ですよ』


「地中にリスがいますね。2体いますけどまさかリスがこの階のメインじゃないですよね?」

俺の角の前では地中に身を隠したところで無意味だ。

んー、他の生物は居ないな。リスはまだ俺に気づいてないかな。巣でくつろいでる。


忍び足で巣穴に近づく。あと10mくらいで俺の金棒の射程圏内だ。

「このままゆっくり近づくか、ダッシュで近づくか、どっちが正解だ?」

『ダッシュ』

『ダッシュですね』

『ダッシュ』

『ダッシュ一択』

『ダッシュだろ』

『ゆっくり』

「それじゃあダッシュで行きま━━━ブヘッ!」

なんだ?何が起きた?何かが俺の横腹に当たって、吹き飛ばされた。


「いててて」

『出オチ』

『どんまいです』

『先手取られたな』

『これは負けるか!?』

『何が起きた』


周りを確認するがリスは今2体とも、巣の中にいる。もうさっきと違って戦闘態勢だが、気づかれたか。

「ちょっと待って、さっ━━━ブヘラッ!」

今度はお腹に何かが当たって吹き飛ばされた。

なんだ!何が起こってる!?


「これ結構や━━ブッ!ボヘミッ!!」

今度は2連撃。ただこれで正体はわかった。

見えてなかったけどリスの仕業だ。今俺の前に2体のリスがこっちを見てる。多分あの顔はニヤついてるな。


「やっぱりリスだったか。まんまと俺の罠にかかって姿を現したな」

くえーっ、動き見えなかったぞ!大丈夫なのか?俺!とりあえず敵はわかった。深呼


「キュフッ!グフェッ!」

強い!確実に強いぞ!リスの目って黒目だけだから怖い。これが恐れか。

俺の角でも捉えきれない速さでリスは動いてる。

「デュクシッ!トプッ!」


くっそー!思考が纏まらない。ちょっと待ってくれよ!今考え事してるんだ。

お前らの殺しか

「タラッ!トプッ!」

正直言ってそこまで痛くない。そして速すぎて止められない。


「これまずいんじゃブラッ!」

「これやバスッ!」

『これはヤバスだわ』

『ヤバス』

『ヤバス』

『確かにヤバスww』


「ちょっと思考が纏まらないから鎧着るわ」

いつもの金棒の鎧を着るが、今回はトゲマシマシだ。ちょっとでも傷をつけたい。一方的な戦いはやるのもやられるのも好きじゃない。

(グジュッ!)

「えっ!?死んだ」


俺の鎧にリスがぶつかってトゲに刺さって死んだ。一緒に魔石まで壊れてたし。

これで下層のモンスターか?

『お?』

『ふふっ』

『おっ?』

『やったか?』

『↑ちょっ、それ言っちゃいけないやつ』

『安心した。ちゃんとフラグ立ててくれた』


「は?目の前にリスが2体いるんだけど、再生?」

『フラグ回収偉いぞ』

『ふふっ』

『これは再生持ちか?』

『フラグ立てて良かった』

『おめでとう。まだまだ終わらないよ』

『君フラグ立てるの上手いね。良かったらうちにこない?』


「死んだのは確かだよな。魔石も割れてたし、再生は確実か。でも魔石割れても平気って、条件はなんだ?」

『これはあれか』

『ふふっ』

『あれだな』

『なるほどあのパターンか』

『あれしかないね』

『あれだね』


「なんかみんな息合ってるんだけど、もしかして俺だけわかってないのか」

とりあえず攻撃は効かないから落ち着こう。その場に胡座をかいて、腕を組む。


2体のリスがグジュッいて、とにかく突っ込んでくる。同時にグジュッ、突っ込んでくることはなく、タイミングをずらしてくる。1体が突っ込んでくる時グジュッ、もう1体は目の前に立ってる。動く気配はなく、俺を睨んでる。なんでグジュッ、2体同時に来ないのか。攻撃が通用しないから?何かを探ってる?否、今まででペアのモンスターは見たことがない。行動を共にしている理由はグジュッ、2体で1体。2体同時に攻撃できないのは2体同時にやられることを避けるため。これなら魔石が壊れても復活する理由に納得がいく。

はい来た!俺の頭脳を舐めるなよ?見切ったぜ、お前らのグジュッ!!


タネさえわかれば簡単だぜ。とりあえず2体同時に倒してみればいいんだろ?

で、どうやって倒す?速くて見えないんだけど!未だに触れてないんだけど!当たってから反応してるんだけど!

我武者羅にいこう!きっとなんとかなる…はず!




5時間後。

ふむ、どうしたことか。全く当たらない。少しだけ見えるようになった気がするけど、体が反応しない。角に完全に集中してなんとか見えてる。


一瞬鎧を消してしてスっと手を動かして、また鎧を出す。巾着から食料を取り出して食べる。もちろんオールラディーズの食品だ。頭が糖分を欲している。


正直眠くなってきてる。リスの突進で少し体が揺れるのがゆりかごに居た時代を思い出す。

リスたちには申し訳ないが心地よくなってしまった。休憩無しで5時間お疲れ様です!



3時間後。

さすがにおしりが痛くなってきた。そんなわけで本気を出しますか。だいぶ速さに慣れてきた。耳栓を外して立ち上がる。


先に言っておくが決して数時間ずっとぼーっとわけじゃない。考えた作戦を水面下で実行していた。リスに気付かれないようにな。


限界まで細くした金棒をリス四方に忍ばせた。1番大変だったのが地中だ。ドリルのように回転させて掘り進み、気付かれないようにゆっくりと進めた。


これで1体突っ込んできた瞬間に四方の金棒を待機してるリスに放つ。俺の頭の中でのシミュレーションでは100回中100回、成功している。この完璧な作戦が失敗するはずがない。



「いくぜ!」

放つタイミングはリスが鎧に触れた瞬間。

グジュ今!プシュン!プシュン!

その時、俺の体は勝手に動いていた。左拳が何かを叩く。グジュッ。

「えっ、はい!作戦通り!」


俺の放った槍にはどれにも血は一切付いていない。

代わりに俺の左拳に血が付いていた。確認するが周囲にリスの姿は確認できない。



状況を整理すると、1体のリスが突っ込んできた瞬間に、もう1体のリスに放った金棒は空振りに終わり、たまたま突き出した左拳にリスが突っ込んできたと、そうことかい?


つまりは作戦通りということだ。知ってた、うん、金棒を避けてこっちに突っ込んでくるのはシミュレーション通りだわ。だから左拳を出したんだよ。他にあの場面で左拳を突き出す意味無いでしょ!


「お、終わりましたー!作戦が上手く行きましたね!」

『たまたま』

『偶然ですよね』

『たまたまだろ』

『事前に説明した作戦と違うぞ』

『嘘をついてる味がするな』


「敵を騙すにはまず味方から。これ基本ですよ。そんなに言うなら証拠はあるんですか?」

『顔おかしかったぞ』

『倒した時に引き攣ってましたね』

『口空いてたぞ』

『くっ、証拠がありすぎるっ!!』


「ま、これが経験からくる、予測と対処ですよ。実はこれをみなさんに教えたかったんです。

みなさんも、常に次善の策を考えておきましょう。どれだけ完璧な作戦でも、失敗する可能性はあります。

では今日の授業はこれで終わりです」

『いい感じに纏めたな。そこは評価できる』

『可愛いです』

『いつからこの配信は授業だったんだ?』

『なるほど。経験からくる予測…か』


なんとか乗り切ったぜ。俺の高等な口頭テクに恐れ慄くがいい!フハハハハ!!

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