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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
68/97

65話 冬

「清麻呂は攻撃力がそこまである訳じゃ無いよね」

「まあな」

「モンスターにトドメを刺す時って何で決めてんの?」

「んー、基本は状態異常だな。それが効かないやつは体に咲かせてバチンだ」

「グロッ!」


「パワーは今後の課題だな」

「ちぎれない植物とか強そうだけどな」

「あるよ?」

「あんのかよ」

「縛りまくってるから使えるタイミングがね」

「ああ、そっか。そのシステム面白いよな」

「ホントそれ!毎日色々考えてんだ」

「俺も何か考えたいな」

「村丸がなんかいいの思いついたら試すよ」

「よっしゃ!」


さて、ご飯も食べ終わったし部屋に戻るか。

部屋に戻って行われた枕投げ大会は決着が着くことはなかった。



3日後の朝、合宿が終わった。

3日間清麻呂と戦い続けて結局決着は着かずに終わった。両者の攻撃が相手の防御を貫くことが出来なかった。力不足なのがわかった、日々精進だ。


あの花の攻略が出来ないと清麻呂に攻撃が通らない。花の入れ替わりを狙うがもちろんそこは対策していた。

状態異常全ブッパに植物のシェルターが幾重にも張られていた。

幻覚に麻痺、脱水、毒、痺れetc…。

そこから回復するその一瞬にはもう清麻呂の頭に花が咲いてる。


そしてもう1つ厄介だったのが「禍福の授樹(かふくのじゅじゅ)」。

そう言って生えてきた樹を殴ったら全ての感覚、五感が無くなった。あの時はさすがにやばかったね。だって自分が今どこで何をしてるのかがわからなくなったんだ。


地面に立ってるのか座ってるのか、息を吸ってるのか吐いてるのか、目を開けてるのか閉じてるのか。意識も記憶もしっかりとあるが急に暗闇の空間に放り出された様だった。あれはやばかった。鎧を着てたから何とかなったけど。


はぁ、この夏は勝てると思ったんだけどな。結局清麻呂には1回も勝てなかったな。


「またな」

「ああ、次会う時は勝つぜ」

「いつかまたやろうな」

「おう」

清麻呂と握手をして別れた。



俺が合宿に行ってる間、佐藤君は作業場に籠ってたようだ。作業場の隣にはアイテムが山のように積み上がってる。

俺はギルドでサイクロプス狩りと鉱石植物をとってくる。


俺の貯えが億を超えた。作業場には下層の魔石が積み上がってる。



「おはよ」

「ああ、大竹くん戻ったんだね」

「進捗はどう?」

「いい感じの所まで来てるよ。あと一掴みってとこかな」

「いいね、さすが!」

「夏休み中には間に合わないかな」

「まだあと半年あるからね。焦らず行こう」

「そうだね」


あっという間に夏休みが終わって冬が来た。



11月。街の木が葉を落とし始めた頃。

「できた!!」

「おお!ついに」

「やったぁ!!よし、素材がわかったから量産も可能だ。忙しくなるぞぉ!」

「お疲れ」

「大竹くんこの魔石に魔力を流してみて」

「おう」


巾着の口の部分を閉じるための紐に、留め具のようにビー玉サイズの魔石が付いてた。

そこに言われたように魔力を流す。一瞬だけ軽く光った。


「これで登録完了だ。大竹くん以外には出し入れができないよ。容量も良い素材を使ったから相当入るよ」

「おお、すげぇ!世界で初めてだよ!」

「出来て良かったよ。こんなに手伝って貰ったからね」

「どうする?もうホームページに載せる?」

「いや、まだ早いと思う」

「了解。配信には載せてもいいのか?」

「いいよ、配信観てくれてる人には販売可能にしていいよ」

「了解」


「さすがにこれを一般的な価格では売れないから買う人も限られると思う。本人以外取り出せないのは危険だからね」

「そうだね。それでもマッハ9さんは欲しがると思うよ。あの人佐藤君が造ったアイテムほとんど買ってるし。配信でもアイテムの感想伝えてくれるしね。一体何者なんだろ」

「僕はもう個人的に連絡先を交換してるんだ。これも後で伝えとくよ」


「えっ!マッハ9さんのこと知ってるの!?」

「うん。大竹くんには恥ずかしいから言わないでって言われてるけどね」

「そうなのか。俺より強いと思う?」

「それはまあ、そうだね。確実に強いと言っておこうかな」

「そうか、やっぱりね」

「ハハッ」

「いつか戦ってみたいぜ」


「ダンジョン行ってくる」

「うん」


ダンジョンまでは事務所から徒歩5分。


たったの5分だけど冬の寒さは侮れない。それでも俺にはスカーフがあるから大丈夫。このスカーフ地味に凄い。もう3年になるけどまだ新品同様だ。ダンジョンにも着けて行ってるのに破れたり溶けたりしていない。なんかの魔法がかかってるみたいに不死身だ。つまりは俺はまだ1度も首に攻撃を受けてないってことなんだけども。まあ、それは置いておこう。



45階、夏から全然進んでないが、攻略よりも他のことを優先してたからだ。今日は久しぶりの新階突入だ。


ダン証をかざして黒渦に入る。

陽の光が一切無い、真夜中の荒野で配信を始める。

「今回は久しぶりに攻略です。遅くなってすみません」


15人が視聴中


『待ちわびた!』

『お疲れ様です』

『初見です』

『めっちゃ暗いな。カメラの暗視が無いとなんにも見えない』


「今45階に来てます。暗くて不気味ですね」

歩いてると地面から何かが出てくる。

(バスッ!)

「グワアァァァ!」


ゆっくりと出てきたのは灰色の全身鎧。1ヶ所だけじゃなくて至る所から出てくる謎の鎧。

金棒で殴ると崩れて動かなくなる。脆い。

(ガチャンッガチャンッ)

障害になることはなく殴りながら進んでいく。

『無慈悲』

鎧に中身は無く、鎧だけで動いているのを確認する。

そんな時、前から走ってきたのは馬だった。それと馬に乗る真っ黒な鎧だが、頭が無い。


「デュラハンかな?」

『かっこいい!』

『馬乗ってみたいな』

『馬の頭も無いじゃん』

『デュラハンでしょ』


デュラハンは大剣を持って馬に乗ってる。

金棒を出してすれ違いざまにデュラハンを殴る。

デュラハンは馬から落ちて転がってく。馬は振り返ることも無く去っていく。

デュラハンは立ち上がると鎧の土を手で払う。


「ごきげんよう、少年。元気かね?」

「ご、ごきげんよう。元気ですよ。てか、話せるんですね」

「それは何より。もちろんですよ。私もれっきとした鎧ですからね」

「鎧は話しませんけど」

「おっと、これはこれは。あなたの世界では話さないのですか。私の世界では鎧は話すのですよ」

「そうなんですか」

「はい」


「鎧にも自我があるのです」

「もう戦ってもいいですか?」

「おやおや、好戦的な少年ですね。嫌いじゃないですよ、そういう方」

「ではやりましょうか」

「もう少しおしゃべりを楽しみたかったのですが、致し方ないですね。そんなに早く死にたいのなら、殺してあげますよ。ハッハッハ」


『めっちゃ喋るじゃんこのデュラハン』

『デュラハンは基本お喋りが大好きです。記録では24時間付き合わされた探索者もいるとか』

『言葉遣いが紳士だ』

『敬意を表します!』


「どぉりゃあ!」

俺は金棒で殴りまくる。

「そい、ほい、そそいそいほい。それが全力ですかな?」

大剣で上手く受け流される。

「まだまだぁ!」

「とっ、ほい、ほっ、ほい、こおっ、ろっ。いい腕前ですな」

「くっ!」


「どうしました?それじゃあ私は倒せませんよ。さぁ!頑張って!」

全て大剣で受け流される。


「おっと、どうやら苦戦しているようなので、私の能力の説明をしておきましょう。私の能力は引力。あなたの攻撃は全て私のこの大剣に吸い込まれるように力を使ってます。なのでどんな攻撃もこの大剣に弾かれるのです」


1度下がって2本の金棒をずらして投げる。

が、同じタイミングで大剣に弾かれた。引力の強弱も制御できるのか。


ならやることは1つ。全力で殴って壊す。

「イミタッツィオーネ・アルマトゥーラ。偽りの鎧」

ほんとに便利な金棒だ。


デュラハンに近づいて殴り掛かると軌道が変わって両拳が大剣の真ん中に吸い寄せられる。

関係ねぇよ!


「くだけろ!バスクスマッシュ!!」

(バギィィィン!!)

「シャオラッ!!」

「なっ!なにっ!」

「このままいくぜ!」


「耐えてみやがれ!暴刻鉄拳イングレイブ・ア・フィス!!」「オラァ!」


止まらない俺の拳を全て受けるデュラハン。鎧の形が変わっていき、遂にはペチャンコになる。

「グヘァッ!」

「ふぅ、」

「つ、つよいな、しょうねん。わたしのまけだ」

「いい勝負だった」


デュラハンの鎧が消えてそこには魔石だけが残った。

「いやー、強かった」

『乙』

『お疲れ様です』

『かっこよかったです!』

『ファンになりました』

「ありがとうございました。今日はこの辺で終わります。では」


なんか戦いづらかったなぁ。

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