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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
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63話 会社

この作品が始まってからもう1ヶ月経ってました。

いつも読んでくれてありがとうございます。

最近佐藤君の様子がおかしい。普段教室では1人でブツブツと何かを呟いているが、最近は目の下にクマを作ってぼーっとしている。話しかけても返事をするだけ。いつもはもっとがっついてくる。


「大丈夫?」

「う〜ん」

「どうしたの?」

「うん。実はね、今卒業制作に取り掛かってるんだ。高校卒業するまでに何かすごいものを造りたいなと思っててね」

「へー、それが上手くいってないの?」

「ああ、全然ダメなんだ」


「ちなみに造るものって決まってるの?」

「収納袋さ、それも個人のね。今世に出回ってる収納袋は誰にでも取り出し可能だろ?それじゃあセキュリティに問題があるから、本人にしか取り出せない収納袋を造ろうと思ってやってるんだけど全然ダメなんだ」

「どんな感じなの?」

「今僕にできる限りの力を尽くしても、素材すら見えてこない。最近は知識を増やしてるがそれでも変わらないんだ。まだスタートラインにも立ててない」

「なるほどね。俺がテキトーに素材とか取ってきてみようか?」

「いや、悪いよ」


「いいよ、今ちょっと落ち着いたしね」

「でも僕今ホントにお金が無いんだ」

「いいよそんなの。友達なんだし」

「大竹くん」

「気にしないで。あっ、そうだ!魔石もあげるよ」

「いやいや、さすがに友達でもダメだよ」


「んー、あのさ、佐藤君て進路どうするの?」

「そりゃ、高校卒業したら本格的に造り始めるけど」

「ならさ、俺と組もうよ!めちゃくちゃ急だけどさ、俺が素材を調達してきて佐藤君が造って売る。費用は俺が持つよ。どう?」

「……それは、僕が得をしすぎじゃないかな」

「いいんだ、俺がやりたいことに佐藤君を巻き込んでるんだ。費用を出すのは当たり前だよ。お金なんて増えていく一方なんだから、大胆に使っていかないと!」

「そういうことなら是非やりたい」

「今日から俺たちは相棒だ!」


「そうと決まれば起業しよう」

「えっ?」

「その方が色々と動きやすいと思うんだ」

「なにっ!?今俺が一緒にやろうと提案したばかりなのに、こんな一瞬でそんなことまで思いつくなんて…全く佐藤君は末恐ろしいぜ」


「いやいや、そんな大袈裟なことじゃないよ。その方がやりやすいからね」

「それなら事務所とか欲しいな。作業場と休憩所、キッチンもあるといい。いくら位だろう。しばらくはサイクロプス狩りかな」

「すごいやる気だね」

「もちろん!やるからには?」

「全力で!」

「そのとおり!」


「大丈夫。お金だけはあるから。作業場ってどんな感じがいいかな」

「ちょっと考えておくよ」

「そうだな今すぐって訳にもいかないしな」

「僕もその間に腕を磨いておくよ」

「楽しくなってきたー!!」

クイッ。

なんだ?今、背筋が凍るような。


「今の話聞かせてもらったんだけど」

「お、岡島さん!?」

隣から岡島さんが話しかけてきた。岡島さんは佐藤君の隣の席。つまり俺の後ろの席が岡島さんだ。


挨拶以外の会話は久しぶりだ。前回は話したのはたしか…1ヶ月くらい前に俺が椅子を引いた時に後ろの岡島さんの机に当たった時の

(ギィッコンッ!)

「あっ、ごめん」

「気にしないで」

だった。その時以来だな。


そんな岡島さんがメガネのブリッジを中指で押し上げながら話しかけてきた。

一体なんだ!


「私も入れさせて貰えない?」

「いいよ!」

「「えっ!」」


「そんなにあっさりと…」

「俺と岡島さんの仲だもん。それにしても意外だね」

「コホンッ。もし良ければ事務として雇って欲しいの。日商簿記検定の1級に合格してるし、美術部でデザインにもかじってるから、役に立てると思う」


「そこまで考えてなかった。もちろんいいよ。1人じゃ大変だったら他にも雇えばいいしね」

「全力でやります」

岡島さんの固い決意が伝わってくる。


「進路とかは?」

「大丈夫。元々デザインで食べて行こうと思ってたから。それに私はいつだって流れに逆らわない、乗りたいと思った波に乗るの。1度掴んだ波は離さない。いずれそれはビッグウェーブになるのだから!私はどんな時だって波に乗る女」

メガネのレンズを光らせて言う。

俺の中の岡島さんのキャラがブレる。


「よし!みんなとりあえず今は、自分に出来ることをやろう!」

「「おー!」」




その日からギルドの2階で植物や鉱石のことについて調べたり、サイクロプス狩りをやった。

1ヶ月後、夏休みに入ったことで俺はさらにダンジョン漬けの毎日を送った。


佐藤君は俺から素材を受け取っていろんなものを造ったりしてる。


岡島さんはいろんな資格の勉強をしてる。仮でホームページを作ったりとすごく頼りになる。



ダンジョンの近くの敷地を買って家を建ててもらった。もちろん現金一括でだ。その後いろいろと疑われたが、全て証明した。今回、元探索者が集まる建託会社に依頼したため1ヶ月弱での建造が叶った。普通の建築会社なら1年程かかるがそこは能力で安全で迅速に強靭な建物が建てられた。契約以外はトントン拍子に終わった。


こんな大金をこの短期間でどうやったのかって?サイクロプス君に頑張ってもらいました。


家のデザインを岡島さんに任せたらすごくいい感じになった。


3階建てのビルになっていて、入口すぐにエレベーターと階段がある。そして1階は作業スペースになってる。2階は事務所になってて、3階に休憩スペースというか、もう普通に住める部屋になってる。4LDKでお風呂とトイレがある。トイレは各階にあるがお風呂は3階だけだ。


一応3人が快適に寝泊まり出来る設計になってる。これは俺の提案だ。別に住んでもらっても構わない。なんなら俺は住む。これは事前に伝えてOKを貰ってる。


1階は基本佐藤君しか使わないと思う。防音室もあるから上手くいかなくて発狂しても大丈夫。物置もあって作業には集中できると思う。


2階の正面の部屋はテーブルにソファなんかを置いてお客さんを招くスペースになってる。だから小さいキッチンも付いてる。基本はネットでの取引が主になるが。

ちなみにこの会社は副業OKだ。

アットホームな会社が出来た。まだ起業してないけど。



そんなこんなで忙しく動いてると、夏休みも終盤になった。

夏休みの終盤と言えばダンジョン部の合同合宿だ。今度こそ清麻呂に勝つ。


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