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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
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49話 殺人

今日の部活では24階に行くことになってる。初めてということでみんなどこかソワソワしてる。

「大丈夫かな」

「大丈夫ですよ、ね!先輩!」

「まあすぐやられることはないと思うけどもしもの時は転送すればいいし」

「で、ですよね」

「そっか」


黒渦に入って24階に来た。

湿地を歩き回ってようやく1体見つけた。

「それじゃ、行くよ」


最初は俺が出る。リザードマンの槍を捌いて動きを制限させる。液状化して水の中を進む時雨が後ろから回り込み短剣を足首に刺すが鱗に弾かれる。

(ガキィィ!!)


リザードマンは俺で手一杯で振り向くことが出来ない。神保さんの札を短剣に貼って再チャレンジだ。

今度は首に短剣を刺すとそこから雷がリザードマンの全身に走る。一瞬止まったがやっぱり鱗に傷がつかない。

一旦俺がリザードマンを倒して集まる。


「どうしようか」

「僕の力じゃ刺さらないですね」

「うーん」

「ゴーレムのところで鍛えてから出直すか」

「そうだね!」

話しがまとまって黒渦に向かってると。


「助けてー!!誰かー!」

後ろの方から誰かが助けを求めてた。ダンジョンでは自己責任だが、聞こえてしまったなら行くしかない。

「行ってみるか」

「そうだね!困ってるなら助けないと!」

「「はい」」


そう言ってみんなで声がする方に走っていくと、そこではリザードマンと戦ってる1人の男がいた。短剣片手にリザードマンの相手をしていて、足元には2人の男が倒れてた。


その男は後衛なのか、身軽な防具に短剣という前衛らしくない格好をしてる。

「誰かいるのか!助けてくれ!」


俺たちの存在に気づいたのか戦ってる男は目を離せないくらい追い詰められてるからか、背中越しに叫ぶ。

「手を貸しますよ」

俺が横からそういうと。

「チィッ、ガキかよ」


とボソッと言ったのを俺は聞き逃さなかった。地獄耳の村丸。そう呼ばれてた時期もあったっけな。

わざわざ助けに来たのに上からだな。助けたくなくなること言うなよ。


「見てるだけかよ!」

はぁ、なんなんだよこいつ。

振り下ろしの一撃でリザードマンを叩き潰す。

「お、おお!」


俺の攻撃にびっくりしたのか、驚いた声を上げる。

「お前強いんだな。助かったぜ」

はいタメ口ー!処す!

チラッとみんなの方を向いた男はそっちに歩いていった。


「あれはお前の仲間か?」

無視したいな。器の大きい俺でもこのままだといつ、プッツンするかわからない。

「なぁ?」

声に苛立ちを含ませた声で聞いてくる。

「そうだよ」

タメ口にはタメ口で返す。おじいちゃんから教わった処世術だ。


「へぇ」

「どこ行くの?仲間はいいの?」

「ああ、あいつらはもう死んでるからな。それよりお前の仲間にもお礼を言わないとな」

俺は今、堪忍袋の緒を両手で掴んでる。こいつ完全に俺のストレッサーだわ。大抵のことではストレスを感じることがない俺がこいつといるとストレス値がぐんぐんと上がっていく。


「どうも、この子には危ないところを助けて貰いました、ありがとうございます。どうお礼をすればいいか」

俺と話してた時より声のトーンが上がった。

「いえいえ!人助けは当然ですよ!お礼なんてそんな、いらないですよ。無事ならそれで」

朝姫が答える。

そう!その通り。だがこいつは別だ。お礼は100万円で手を打とう。


「なんていい人たちなんだ!」

「それよりお仲間さんが…」

「仕方ないです。ここはダンジョンなんですから。でも俺は運が良かった、君たちに助けてもらえて」

「大丈夫なら私達はこれで。帰り道気をつけてくださいね」

「ありがとうございました!」


男は頭を下げた。俺は男の後ろにいたから気づけた。頭を下げた時に笑ってたのを。妙な違和感を覚えたが、こいつが気持ち悪いのは元からだ。さっさと帰ろうと男の横をすぎた時。


男は腰の短剣を引き抜き朝姫に飛びかかった。突然の事で朝姫は動けずに固まってしまった。

こいつ運がいいな飛びかかってなかったら朝姫の粘着で動けなくなってたのに、地面から離れたからそれを逃れやがった。


でも大丈夫。俺には見えてるから、腰からナイフを抜き取り短剣に叩きつける。

(ガギィィン!!)

ナイフに叩かれた短剣が折れる。さすがドラゴンの牙で造られたナイフだ。

男は俺に振り向き睨んでくる。


「このクソガキがぁ!!」

「飛べ!!」

みんなの方を向いて一言、「飛べ」と叫ぶ。この一言でみんなには伝わるはずだ。

俺に襲いかかってくる男を見ながら、みんなが転送したのを見届けて一安心する。

さて、どうしたもんか。


「おじさん何してんの?」

「ああ?おじさんじゃねえよ。何してるかって?お前を殺すんだよ。本当はあの女達が良かったがお前みたいなクソガキを殺すのもいい」

「あの2人は?」

「あいつらは俺が殺したんだ。2人組のパーティーだろ。リザードマンと戦ってる所を後ろから刺し殺したんだ。いい武器持ってたからな。そっちの方が効率がいいんだよ。わざわざモンスター殺さなくてもな」

「そっか」


こいつがそうだったのか。最近ダンジョン内での行方不明者が増えたって聞いたけど、まさか人に殺されてるとは。


「そんなこと聞いてどうすんだ?お前もあいつらと同じように殺されるんだよ」

そういうと男は俺と距離を取る。


「ファイアボール!ウォーターボール!」

火の玉と水の玉が飛んできた。明らかにリッチよりもしょぼい火の玉だ。

ナイフで斬る。


「もしかしてそれ本気?」

「なんだとテメェ!」

え、これどうすればいいんだろ。ギルドに受け渡しとか?でもどうみても害虫だよな。人として扱っていいのか?

「くはっ!」

後ろで人が跳ねた。生きてるのか!倒れてた2人の内の1人が息を吹き返した。まだ助かるなら。この男に構ってる余裕はない。金棒を出す。


「おいなんだそれよぉ!物騒なもん出しやがってそんなんで怯むと思っ━━━」

俺の体は拒絶しなかった。この男を殺すことになんの躊躇いもなかった。消し飛ぶ頭とその場に崩れる胴体。


俺は基本生き物は殺さないがある特定の事があると躊躇なく殺す。昔からそうだった。外で虫を殺すことはしない。蚊に血を吸われても叩き潰さない。だって彼らは生きるための食事、生きるために外を歩いてる。そんなのは生きるためには必要な事だ。共存共栄、それが自然の摂理。


でも俺の部屋に入ってきた虫だけは無視できない。俺の生活を脅かすやつはダメなんだ。そういう時だけは殺してる。線引きは必要だ。自分が嫌なことをされればその人のことを嫌いになる。なんでも許される訳では無い。


俺だってモンスターを殺してる。だからモンスターに殺されてもいいと思ってる。むしろ望んでる。

生きるために動物の命を頂いてる。だから動物に殺されてもいい。


だけど人間社会の中で人の物が欲しいから殺したは成り立たない。なんでも線引きが大事なんだ。


始めて人を殺したけど、なんの感情も湧かない。そもそも短剣で襲いかかって来たから反撃しただけだ。生き物の命に重いも軽いもない、それはわかっているが優先させるべき命はある。


だから俺は3人を担いでギルドに向かう。もう1人も息を吹き返してかろうじて生きてる。まだ間に合う。

ギルドの受付の人に説明して救急車を呼んでもらう。


その間にこの頭が無い男のことを話した。2人を殺そうとしたこと、俺の仲間を殺そうとしたこと、そして俺がこの男を殺したこと。


俺はまた病院に連れていかれた。人を殺したことで怪我は無いが精神に影響してるかもということで。

みんなには電話で報告して事なきを経た。


カウンセリングを受けて問題ないと診断された。あの男を殺したせいで俺の精神が不安定になって不自由な生活を送るなんてあってたまるか!

後日2人のが回復したとの情報を受け取った。

一件落着!


俺の友達を殺そうとしたんだ、俺の守るべき人、物に手を出すやつに慈悲は無いよ。俺は守るために殺す。

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