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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
44/97

41話 対決

途中で視点変更があります。

2日目の朝。

今日は男子組がダンジョンに行く。男女で別れた意味は特にない。その場の雰囲気で決まって特に何も言われなかったからこうなった。


ギルドでいつも通り着替えて、たまたまチラッと受付の方を見ると大きな張り紙があった。近寄らなくても見える大きさで、1週間限定オークの剣、買取額500円!!と書いてあった。

普段オークの剣は50円だ。それが今は10倍の500円。目に焼き付いたその文字に足が止まる。


「どうしたんだ?」

「あれ見て」

「ん?マジか!」

「あのさ、やらない?」

「いいのか?」

「聞いてみよう」

「そうだな」


「佐野先生。あれやってもいいですか?今日オーク討伐にしてもいいですか?」

「んー、いいよ。ただし油断しないように。お金に目がくらんで気を抜かないようにね」

「「はい」」


トイレに行ってた時雨と金太郎くんも合流してさっきのことを説明する。

「いいっすね」

「いいですね」

「それじゃあ勝負しましょうよ。誰が一番多く集められるか。どうっすか?」

「佐野先生はどうです?」

「1人じゃもしもがあるかもしれないから2人1組ならいいよ。それなら僕も見れるから」

「よっしゃ!あざっす」

「どう別れようか」

「そんなの決まってるっす。俺と清麻呂先輩、村丸先輩と時雨っす」

「学校対決ね」

「いいじゃん」


「まぁ、さすがに俺が勝つ「俺達っす!」と思うからハンデを付けよう」

「ナメるなと言いたいがそれもうだな」

「攻撃は金太郎がやって俺はサポートをする。俺はせいぜい動きを止めるくらいで。これならいい感じだろ?」

「まあそうだな。異論は無い」

「僕と先輩が一緒なら勝てますよ!」

「いいや、諦めた方がいいっす。残念ながら俺と先輩のコンビは最強なんすよ」

既に時雨と金太郎くんがバチバチだ。

「それじゃあ僕は2組の後ろで覗いてるから何かあったら読んでね」

「「「「はい!」」」」


「買った方がお金全取りでどうだ?」

「いいね、乗った」

「僕も」「俺もっす!」



こうして急遽始まったバトル。

黒渦で21階に行く。相変わらずの快晴だ。

「レディーゴー!」

2組が左右に別れて進んでいく。


角を生やして周囲を確認する。左に2体、右に3体いる。とりあえず右に行くか。

「右に3体いる。行くぞ」

「はい」

3体確認してるが3体がひとまとまりになってる訳では無い。1体と2体に別れてる。

「2体来るぞ!」


先に会うのは2体のオーク。左を俺が右が時雨に別れる。

オークが俺たちに気づくが構わず突っ込む。金棒を投げて足止めをしてから近づく。

オークは大剣を振り上げる。俺は大剣を受けずに横に避けて頭を飛ばす。時雨を見ると液状化でオークの体に張り付き首を斬る。見事なお手並みだ。


大剣と魔石をしまって次のオークに向かう。

それからもかなりいいペースでオークを倒していく。最短距離でオークに突撃するのを繰り返す。






一方その頃。


「絶対勝つっすよ」

「当たり前だ。俺達は遠距離からでも火力があるからな勝って当たり前の勝負だ」

「っすね!」

「見つけたそばからとにかく攻撃するか。回収は俺がする」

「了解っす」

「右にいるぞ」

「はいっす。見えたっす!」

オークの目を意識して弓を射る。

(ジュパンッ)


まっすぐと飛ぶ矢に気づいたオークは横に跳んで避ける。矢はオークの横を通り過ぎずに直角に曲がりオークの目に刺さる。


これが俺の能力。

狙った標的に矢を放つと自動追尾で追い続ける。矢のスピードは俺の腕力によって限度が決まるんすよ。

今出せる最高速度は時速350kmっす。

射程距離は俺の目で見える範囲っす。だけど認識さえ出来ればいいっすから望遠レンズがあればその分射程が伸びるんす。

一度認識したら万に一つも外すことは無いっす。


そんなわけで望遠レンズを装着して狩りまくるっす。



「そろそろお昼にするか」

「そうっすね。腹減りましたっす」

「万樹創造。今際に実る果実(エンジェルフルーツ)

「うおー!久々っすね!」

灰色の木が生えてきて灰色の葉が付き、赤いリンゴのような果実が実る。

ただし1本の木に実るのは一つだけっす。


「万樹創造。今際に実る果実(エンジェルフルーツ)

もう1本木が生えてきて赤い果実が実る。

これを食べれる場面はほとんど無いんす。これまで2回しか食べたことないんす。

なんでか理由は聞いてないっすけど。


「これ食べて少し休憩したら再開するか」

「はいっす!」

「「いただきます」」

その味はまさに究極のフルーツ。

舌触りは滑らかで桃のような食感。噛むと中から吹き出る果汁、口いっぱいに広がる粒になった果肉。飲み込むとまろやかさもあってずっしりとくる。全身に栄養が巡っていくのがわかる。

幸福感が収まらない。食べ終わった後も続く、まさに希望の果実。砂漠でこれを口にしたら活力がみなぎるだろう。一日中動けるくらいのエネルギーを得る。

ちなみにこの果実、カロリーがやばい。1つで成人男性の一日分のカロリーに相当する。






場面は戻って。


「お昼にするか」

「そうですね」

まだ半日で大分ヘロヘロなんだけどやばいな。

向こうは金太郎くんがいるからかなりの数、倒してそうだけど。こっちは突っ込まないと倒せないからな、そこで差が出ちゃう。

シートを敷いてカバンからギルドで買ったお弁当を2つ出す。

「「いただきまーす」」


昼休憩をしてオーク狩りに戻る。

午前よりもペースは落ちた。



4時半。

ギルドに戻って結果を発表する。

「それじゃあ俺達からね、えーっと全部で58体でした。金額は2万9千円」

「なるほどねぇ〜。

俺達は88体で4万4千円!」

「圧勝っすね」

「それじゃあ合計は7万3千円か」


「全然だめだったな」

「そうですね。午後はオークを見つけるのに時間かかりましたね」

あっさりと負けてしまった。

やはり足りないのは力か。もっと腕力があれば。

「それじゃあ戻ろっか」

「「「「はい」」」」

「あっ先生!」

後ろで清麻呂が先生のことを呼んで何か話していた。



大部屋に戻ると清麻呂から話しがあると言われてみんなが集まった。

「えーっと、なんと!今日臨時収入が入りました!合宿2日間お疲れ様でした、ということでこのお金で焼肉を食べに行きましょー!!」

「よっ!部長!」

「さすが!!」

「いい男!」

「男の中の男っす!」


その日は盛り上がった。みんな食べたいものを食べてお腹いっぱいになった。


後で聞いたら、7万3千円を超えてたみたいだ。


この日の枕投げ大会。清麻呂の不調で時雨が優勝した。


翌日暗舞高校のみんなが見送ってくれてる中、清麻呂の姿が無い。朝からトイレに篭ってる。最初は枕投げ大会の優勝を逃した言い訳かと思ってたけど、どうやらかなりやばいらしい。


帰る時に別れを告げるためにトイレの前に立ってじゃあねと声をかけたが帰ってきたのは呻き声だった。強く生きろ!


こうして冬季明暗合同合宿が終わった。

金太郎くんの能力を説明するために「一方その頃」を使ってみました。もう当分は使う予定無いですり

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