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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
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35話 進むべき道…

あの日俺の中に眠っていた何かが完全に目を覚ました。

もう止まれない。掴んでしまったこの未来を俺は進み続ける。


今日は土曜日、朝7時にギルドに来てる。

理由は師匠にお礼を言うためだ。

師匠が持ってきてくれたポーションのおかげで元の体に戻った。


師匠が何時に来るかわからないからロビーで見張ってる。

その間に考えることがある。


1つはあのオークだ。

ギルドの人に聞いたら、既に21階には森が無いと言っていた。

これは長寿オークの能力でできた森だと言われた。


そして威圧に高速移動と連撃。

これほど元のモンスターから逸脱した力を持った長寿オークは初めてだったらしい。


他の階では7年前に今回と同じくらいの成長をしたのが24階のリザードマンだったらしい。

その時は甚大な被害が出て、その時ギルドに居合わせた下層到達者に依頼して倒してもらったみたいだ。


ほんとギリギリ助かったな。

鈴鹿がいなかったら死んでたし。



それと俺の新しい能力。

今、俺の左手には金棒が握られている。

後日気付いたが、いつの間にか棍棒から金棒に変わっていた。もう棍棒は出せない。


金棒は俺より少し小さいくらい。そして不気味なくらいに赤黒い。

当然重さは増えて、威力が増した。


後になって鈴鹿から聞いた話しでは額に角が生えていたらしい。

全く気付かなかった。

角を出そうと思うと出せる。角を出すと目で見なくても周りのことがわかる。


授業中にこっそり出してみると廊下を歩いてる人がいるのがわかった。

今の席は窓側だから歩く音が聞こえたとかそういうのでは無い。

これがシックスセンスか。恐ろしい力を手にしてしまった。



コツン、コツン、コツン。

「師匠!」

「おぉ、坊主無事だったかのぅ」

「はい!師匠のおかげで完全復活です!ありがとうございます」

「よいよい」


「でも、貴重なポーションですよね?」

「ん?そんなことはないぞ。家族全員分のポーションは既に持っておるからのぅ。余ってたんじゃ。運が良かったのぅ」

「そ、そんな!」

「本当じゃよ。下層とはそういうところじゃ」


「そういえば最年長で下層到達したんですよね。ニュースでやってました」

「ほっほ、恥ずかしいのう。取材は全部断ったんじゃ。最年長なんて誇ることじゃないからのぅ」

「さすが師匠!器が違いますね」


「それにしても見違えたな。何か掴んだか?」

「は、はい!師匠にはお見通しでしたか。ついに見つけました。なんのために戦うか。っていうのがずっと無かったんですけど、前回の戦いで見つけました」

「ほうほう、なるほどのぅ。若いのは成長が早いのう。追い越されてしまうわい」


「いつか師匠とも戦ってみたいです」

「時が満ちたら受けようかのぅ」

「はい!引き止めてしまってすみません。それでは!」

「またの」



師匠と別れて俺はダンジョンに行く。

20階。今日の目標はハイリッチを1人で倒すこと。


ダン証をかざして黒渦に入る。

相変わらずどんよりとした場所だ。


すぐにリッチと出会う。

いつも通りに炎を放ってくる。

前よりもスピードが上がってわざわざ金棒で叩き落とす必要が無くなった。


5つ全てを避けて距離を詰める。

リッチの杖と金棒が勢いよくぶつかる。

(ゲシッ!!)

辺りに響くのは武器がぶつかる音ではなく、杖が破壊される音。


真っ二つにされた杖は吹き飛び、追撃では腕を砕くことができた。

(ゴギィッ!)

柔らかい。脆い。角砂糖のように簡単に砕ける。

頭をふっ飛ばして魔石を取る。



もうリッチは敵ではなくなった。自信がついてハイリッチとも1人で問題なく戦えるだろうと思った。

その後10体倒すとハイリッチと対面する。


疲労は一切無しの体力万全。

さぁ行こう!

牽制としての水の礫は体の前に出した金棒が全て弾く。


続けて水を飛ばしてきた。これはあれの前兆だ。

ハイリッチが杖を掲げる。それに合わせて俺は金棒を地面に立てて踏み台にする。

上に跳ぶと下では雷のドームが広がる。


この技は初めて戦った時に攻略済みだ。

ドーム状に撒かれた水はそこまで高さが無い。

そこにハイリッチが一点集中の雷を放ってきた。


それには金棒で弾く。貫通力は無いから障害物で進路を塞げば問題ない。

弾かれた金棒は消して、手元に新たに金棒を出す。


落下の勢いを利用した振り下ろしは横に避けられた。でも距離を詰めたら俺の土俵だ。

かなりの速さを持ってるがその速さには対応できる。

とにかく距離を開けさせない。詰めて詰めて詰めまくる。


逸らされている攻撃にも意味はある。

杖の同じ箇所を狙って打ちつけている。

折れるのも時間の問題だろう。

大振りはハイリッチにとって距離を開けるチャンスになるからやらない。


連打の応酬が繰り広げられている。

ただ押されているのはハイリッチの方だ。

多分今の俺は、パワーでもスピードでハイリッチを上回ってると思う。

俺にはまだ余裕がある。段々と削れていく杖。


ヒビが入りトドメの一撃で杖を砕いた。

振り上げで顎を砕いて、倒れるハイリッチ。

魔石を取り出して戦闘終了だ。

案外あっけなく決着がついた。


ギルドに戻って、近くのファミレスでお昼を食べる。


ギルドに戻ってまたダンジョンに入る。



次は21階のオークだ。

正直ジェネラルオーク1体なら問題ないと思うけど、配下のオークがキツい。

いかに早くオークを倒せるかだが。

多対一はこれからもあると思うから早めに経験した方がいいだろう。


それからすぐにオークと出会う。

正直リッチよりもやりやすい。

オークの大剣を叩き落として頭を砕く。

うん。弱い。

単純に力で押し勝てる。


弱い相手と戦うのはすごくつまらない。

ストレスが溜まる。

オークと会う度にストレスが溜まっていく。

無意識のうちに角が出て、さらにつまらなさが加速する。


2時間後ジェネラルオークに出会う。今回はめちゃくちゃ長かった。こんなに会うのに時間がかかるのは初めてだ。

その間に倒したオークは15体。途中からはオークを避けるようになった。

集中力は最高潮。どんな動きも見逃さない。


仕掛けてくる3体のオーク。

オークの大剣を避けて砕く。避けて砕く。避けて砕く。

もういらない。


ジェネラルオークが雄叫びと共に突っ込んでくる。

「グワアァァァ!!」

最初っから来いや!!

2体のオークに金棒を投げつけ、ジェネラルオークと一対一だ。


金棒を振り上げて叩きつける。

大剣でガードしてくるが、そのまま大剣ごと頭を砕いた。

なんというあっけない戦い。


ジェネラルオークはこんなに弱いのか?

ねぇ、どうすんの?

ここまで高まった感情をどうやって落ち着かせればいいの?

もう無理だよ。耐えられない。

なにか。なにかを壊したい。

はやく俺に…。


金棒を投げつけた2体のオークはまだ生きていた。

オークの右手を潰して、左手を潰す。

それから右足、左足。お腹を潰して、最後に頭を潰した。

もう1体にも同じことをした。

なんで、なんで…


そこには自動車に踏まれた空き缶のように、全身から血を吹き出してほとんど原型を留めていない2体のオークが転がっていた。

俺はどうすれば…。

いつからか感情のコントロールができなくなっていた。


涙が頬をつたう。

金棒が消えて膝から崩れ落ちる。

殺したい。もっと殺したい。殺されたい。手足がちぎれるような戦いがしたい。

死の間際にしか感じられないあの興奮をまた味わいたい。


その後オークの血を全身で浴びることで心が落ち着いた。


壊れてしまったのか。このまま進んでいいのか。考えるが、人としての道を今踏み外したのがわかった。


俺はもう戻らない。そして戻れない。

血湧き肉躍る戦いをしたい。


いつの間にか外れていた俺の枷は修復不可能となっていた。


戦う理由はただ1つ。

俺を殺せるモンスターと戦いたいから。

さて!村丸ちゃんの心が壊れてしまいました!

これからが楽しみですね!!

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