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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
29/97

25話 新入部員

先生は武器屋に用があるようで別行動だ。

今日もダン証をかざして黒渦に入る。


2人とも後ろで髪をまとめている。

時雨はポニーテールで神保さんは三つ編みで一つにまとめてる。

鈴鹿は結ぶ程の長さでは無い。もちろん俺も。


やって来ました1階。

辺りにはたくさんのウサギが走り回っている。懐かしい。俺はめちゃくちゃ苦戦した。


「それじゃあやろっか!」

「はい」「は、はい」

俺が持ってるナイフを時雨に渡す。

俺は後ろから着いていく。時期部長は鈴鹿だろう。


「私が能力で押さえつけるからウサギの首にナイフを刺してね」

「はい。行きます!」

「それじゃあ1番近くのあの子ね!」

鈴鹿が1体のウサギの動きを止める。時雨がそのウサギに近づくがウサギは動けない。

ウサギのあたまを手で押さえて首にナイフを一突き。

血を吹き出して倒れる。


「どうだろ。能力あるかな?」

「んー、あー、ありますね。わかりました」

「じゃあ次は結ちゃん行こっか!」

「は、はい」

時雨は持っているナイフを神保さんに渡す。


「止めたよ!」

「は、はい」

相変わらずおどおどとしながら近くのウサギに近づく。時雨同様にウサギの頭を手で押さえて首にナイフを一突き。

血を吹き出し倒れる。


「キヒッヒヒッ」

しゃがみ込んだままの神保さんからうっすらと何か聞こえる。

「や、やりましたよ」

相変わらず目は隠れて見えないが口角が少し上がってるのがわかる。まぁ、高揚感が湧くのはわからないでもない。初めてなら尚更だ。


「大丈夫?」

鈴鹿が神保さんを心配する。

「問題ないです。ケヒッ、私も能力ありましたよ」

「よかったー!」

神保さんからナイフを受け取る。どんなのか気になる。


「大竹先輩残念です。魔法じゃなかったです。」

「そうか、どんまい。俺と一緒か?」

「いえ、全然違います。驚きますよ。

なんと液状化です!」

「ふむ」

あんまりしっくりこないな。


「えー!もっと驚いて下さいよ!」

「仕方ないじゃんしっくりこなかったんだから」

「それじゃあ見てて下さい。いきますよ」

ポジュッ。

ん?見た目の変化は無いな。


「大竹先輩握ってみてください」

差し出された右手を握ると。

ブシャッ。

なっ!?弾けた!!

「なんだこれ!」


「僕の全身が液状化するんです。どやぁ!

しかも再生します。これが再生なのかはよくわからないですけどね」

「す、すげぇ!かっけぇな!」

無くなった右手が元通りになる。


「なんと体のサイズも自由自在!」

「おお!素晴らしい能力だ!君にはぜひうちの部に入部して欲しい。君なら即戦力だ!」

「よろしくお願いします!」

こうして茶番は終わった。


「神保さんは?」

「わ、私はこれです」

そう言いながら手の中から出てきたのは1枚の札?

「これは?」

「これをこの落ちてた石に貼ると…」

小さな石ころに札をペタリと貼る。


(ブワァッ!)

「わあっ」

札が溶けて石が燃え始めた。

「あちっ」

手を近づけてみると本当に燃えていた。

「これは」


「は、はい、簡単に言うとエンチャントですかね。色んな能力を札に込められます。それを何かに貼るとその能力が付与されます。さっきのは火魔法を込めました。ケヒッ、これで今まで私をからかってきた人達に呪いを…」

おいおい、悪い笑みがこぼれてるよ。

かなり凄い能力だ。それに性格も凄い。

ま、まぁ確かに呪符みたいだな。


「それじゃあ一旦帰る?」

「そうだね」

俺達は1階を出た。



更衣室では能力の話で盛り上がる。

「もしかしてこれ攻撃が効かないんじゃないですかね?」

「でも、どれだけ耐えられるか上限があるかもしれないけどな。火で蒸発とか、細切れにされても大丈夫なのかとか」

「怖いですよそれ」


「まぁ、体の一部なら平気なのはわかったな」

「今すごいことに気がついたんですけど、服に首だけ通すじゃないですか。その後に腕を胴体と一体にして生やし直すと…ほら、一瞬で服が着れました!」

時雨の両腕が胴体に吸収されて両腕が無くなる。

服が降りてくると新たに生えてきた腕が袖を通る。


「こ、これは!?これなら早着替え世界チャンピオンを狙えるぞ!!」

「先輩!これ、胸を膨らませるとおっ「ペシッ!!」」

おい何を考えてやがる。

「場所を考えろ!」

「す、すみません」

下を向く時雨。言いすぎちゃったか?


「先輩って彼女います?」

「き、急だな、いないよ。俺そういうのわかんないんだよね。好きな人とかいたことないし」

今までほとんどの人に興味が湧かなかったからな。


「へー、そうなんですか。鈴鹿先輩とかはどうなんです?」

「ん?鈴鹿は仲間だよ。何回も助けられたからね。むしろ相棒と言っても過言では無いな」

「へー」

「興味無さそうだな。その返事」


「そんなことないですよ。僕も早く先輩の相棒になりたいです」

「そうだな、まずは部室に戻って役割を決めて時雨のスタイルを見つけないとな」

「はい!」

更衣室を出る。


「髪結んだままだよ」

「あ、忘れてました」

ゴムを外して頭を振る。

んー、絵になるな。

俺も髪伸ばしちゃおうかな。なんてね。


女子組と合流して、武器屋にいる先生のところに向かう。

「先生終わりました」

「わかったわ。それじゃあ戻りましょうか」

ブーン。



ガラガラ。

「戻りました!」

「おかえりー。お疲れー」

先輩達はティータイムだったようだ。


「2人とも能力ありました!」

「そっか、よかったよ」

それから2人の能力を話した。



「うーん、時雨君が前衛で結ちゃんが後衛でいいかな?」

「そうだな。本人次第だけど」

「僕もいいですよ」

「わ、私も」

決まったか。


「それじゃあ時雨君は剣かな。鉄の使ってないやつがあるからそれを使ってね。買えるなら好きなの買ってもらって。

結ちゃんは短刀かな。鉄が持ってるから…

金曜からはどうしよっか」


「俺が付きますよ。ちょうど自分を見つめ直す時間が欲しかったので初心に帰る為に俺が付き添います」

「わかった。よろしくね」

「はい!」


これから俺はどうすればいいのか、とりあえず2人の事を見守りながら考えるか。

「2人とも焦らずにゆっくりでいいからね」

「はい」「は、はい」


まだまだ時間はあるんだ。焦るな俺。

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