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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
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23話 ジェネラルオーク

こっちのダンジョンで20階の攻略描写を忘れてました。どこかのタイミングで書き足します。

「さて、この階のキーモンスターの名前ほハイオークじゃなくてジェネラルオークなんだ。この意味わかる?」

「いえ」

「常に配下を引き連れているんだ。5、6体のオークをね。だからここからはアタシ達も余裕が無いから気を引き締めてね。もしもの時は高嶺先生の転送魔石を迷わず使ってね。ちゃんと持ってる?」

「了解です。持ってます」

内ポケットにあるのを確認する。


「よし!引き連れてるオークも連携を取るから普通のオークよりも厄介、いや、脅威だよ。数が増えるだけで比較にならないほど強くなるからね。ジェネラルオークが出たら全員でやるよ。鈴鹿が合図を出したら粘着を使うから、そこも頭に入れといてね」

「了解です」



その後2体のオークを倒した。

そして突然異変を感じる。今までゆらゆらと穏やかに風に吹かれて揺れてた草木が、今はその草木の揺れからざわめきを感じる。


「グモォォォォォーーー!!」

前方からの異様な叫び声。知らなくてもわかる。これがジェネラルオークか。

ここに鳥がいたなら一斉に飛び立つだろう。

それほどまでの威圧感。


ついにその姿を現した。巨体、2mを優に超えるその体、全身の筋肉が膨れ上がり身長以上の大きさに感じられる。


その後ろに引き連れている6体のオーク。さっきまで大きく感じていたが、ジェネラルオークの近くにいると小さく感じるぜ。


正しく強敵だろう。俺の手に負えるかわからない。

だが、そのためのパーティーだ。臆することは無い。

「行くよ!」

今までよりも強い菊地先輩の掛け声で戦闘が始まる。


俺と菊地先輩が前に出て後ろに石川先輩と鈴鹿が構えてる。

とにかく数を減らすのが優先だろう。数で負けてるし、後衛の鈴鹿には近づかせないように。

4体のオークが前に出る。残りの2体はジェネラルオークの傍につく。



「グモォォォォォー!」

ジェネラルオークの雄叫びに一瞬怯むが体に鞭を打って前に進む。


初撃は菊地先輩だ。さっきまでは本気じゃなかったのか一撃が重いようでオークの剣は大きく弾かれる。流れる様に二撃三撃目で体を斬り裂くがそばにいたオークに邪魔をされる。


俺も攻撃を始める。あと数メートルの距離になって棍棒を投げつける。オークは剣でそれを弾く。身を滑らせて棍棒で片足を削る。

(グジュッ)


すぐに立ち上がって反撃に備える。片膝を折ってるオークに追撃で棍棒を振るうが止められる。

(ジキッ!)


すぐにもう1体のオークにも詰められる。1体の機動力は削いだけど、まだまだ不利だ。

「止める!!」

突然の鈴鹿の声。


俺に攻撃しようとしたオークが(つまず)く。

「グッモォ」

それに合わせて俺の前に突き出された頭をかち割る。

(ズシャッ!)

更に続ける。隣の片足負傷してるオークの動きも止まってる。

(グジュッ、ズリッ、バクっ!)


完全に頭を潰した。鈴鹿の前で地面に手を付けたら終わりだ。手足を動かすことは出来ない。

すぐに片足のオークにも向かって走り出す。

が、動き出した。

「止めるよ!」


すぐさま鈴鹿が対応して、動きを止めてくれた。背後に回って棍棒を叩きつけて、肉をえぐり取る。

死んだのを確認して菊地先輩のほうを見るとちょうどあっちも終わったようだ。


見物していたジェネラルオークが叫び、歩いて近付いてくる。

時折不自然な動きをしているがあれは鈴鹿の粘着から力技で抜け出しているみたいだ。

一瞬動きが止まってるからそれだけで十分鈴鹿の粘着は脅威だろう。


後ろの1体の体は既にズタボロにされている。石川先輩がやったようだ。まだ倒れていないが時間の問題だろう。

が、甘く見ていた。ジェネラルオークの急激なダッシュに反応出来ず、気づいたら俺の目の前まで来ていた。


ジェネラルオークが振り下ろす大剣に間一髪で棍棒でのガードが間に合ったが、衝撃で吹っ飛ばされる。

(ガギンッ!ズッ、ズサササ!)

咄嗟に受身を取って体勢を整える。


すぐに戻るが、既に菊地先輩と戦っていた。

互角のように見えるがどうだろうか。

スピードはジェネラルオークの方が上か、少し押され気味だ。オークの相手は石川先輩がしているようで、こっちに近づいてこない。


ジェネラルオークの所に戻り攻撃を始める。俺の一撃が足に入ったが、ビクともしなかった。

まるで小枝で、大木を叩いてるかのように。


俺の棍棒は弾かれて宙を舞う。ジェネラルオークの攻撃が俺に向く。

「止めるよ!!」

新しく棍棒を出して今回はなんとか受け止めた。

(ギチッ!)

菊地先輩の大剣が脚を斬る。効いているだろうか。振り向きざまに菊地先輩を大剣で吹き飛ばす。

(ズッサーー!)


まるで粘着が効いていない。

てか、俺1人になった!

迫り来る攻撃を間一髪で避ける。とにかく手を出すしかないと思い、至近距離で顔面に向かって棍棒を投げる。


すぐさま新しいのを出してジェネラルオークの攻撃を受け止める。

俺の棍棒は避けられたがそのおかげで体勢を崩し、攻撃の力が弱まって受け止めることができた。


足の横薙ぎを繰り出してきたが後ろに跳んでギリギリ射程から外れる。

こんな技もあるのか!

菊地先輩も戻って再度2対1になる。


基本菊地先輩と正面からやり合って、俺を片手間に相手にしている。

棍棒を投げつけてどうにか気を引く。



かなり時間が経つが状況はあまり変わらない。

俺の体はアザだらけになっていた。

何度も吹き飛ばされて、腕はボロボロだ。


そして石川先輩が2体のオークを倒して4対1になる。

戦況が崩れると思ったが、ジェネラルオークは3人の攻撃捌き続ける。


体にはいくつか傷がある。斬り傷と打撲だ。

俺の攻撃はほとんど効いているようには思えなかったが、できる限り同じ場所を叩き続けてようやく、傷になった。


かなら長時間の戦闘となり、みんなの顔に疲れが見える。菊地先輩はフルプレートだから見えないけど、きっとそうだと思う。



だが、状況は突然変わった。

「グワァァァーーー!!」

ジェネラルオークが吠えると、体から蒸気を発した。


「瀕死になると狂暴化する!更に身体能力が上がるから気をつけて!」

ここに来て、身体能力が上がるのか!反則だぜ!


その加速力は体から出る蒸気を置き去りにして、俺たちの目の前にやってくる。

みんなギリギリだ、ほんと一瞬でも対処が遅れれば殺られる。


それでも、石川先輩だけはスピードで上回りヒットアンドアウェイを続ける。

頼もしいぜ!


それから俺は攻撃を防ぐので精一杯になり、たまに投げる棍棒は虚空を過ぎ去る。

自分の力の無さに思わず笑ってしまう。



そんな中、終わりは突然やってくる。

ジェネラルオークが膝を着いた。

「止めたよ!!」

鈴鹿が叫び3人が力を振り絞り攻撃を繰り出す。1、2、3、何回目かの攻撃でジェネラルオークが地面に伏せる。

動かなくなり魔石を取り出す。



長かった。いつ終わりが来るのか不安になったがなんとか乗り切った。

「はぁ、はぁ、いやー、ギリギリだったね」

菊地先輩が息を切らしながら言う。

「そうですね」

喋る元気もなく最低限の返事をする。

「帰ろう!」


クタクタになりギルドに戻って更衣室でシャワーを浴びる。傷に染みるなぁ。

ロビーに集まって解散になった。



それにしても疲れた。ここから先はまだ俺には無理かな。しばらくまた訓練が必要だ、力をつけないと。


それにしても先輩たち頼りになりすぎる。

鈴鹿も最高のサポートだし、俺はなにができるんだ。なにか役に立ってるのか?足を引っ張ってるんじゃないのか?


おやすみ。

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