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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
18/97

誕生日

途中で視点が変わります。

僕の名前は真壁(まかべ) 京一(きょういち)

高校1年の15歳。親友の大竹村丸とは小学生の頃から仲が良かった。

ただなんで仲良くなったのかは分からない。

気づいたら一緒に居たし登下校も一緒にするようになった。


でも、趣味は違うし僕はインドアで村丸はアウトドアだった。

村丸は習い事を掛け持ちしてたから放課後に遊ぶことは少なかった。


たまに僕の家に来るが最初の方は一緒にゲームをして途中から僕がやってるのを見てるだけになった。


それにも飽きると庭に父さんが使ってるパターマットを使ってゴルフで遊んでた。庭の木に登ったりもしていた。

疲れたら戻って僕の横でゲームやってるのを見たりお菓子食べたり、寝てたり。


1回だけなんで一緒に遊ばないのに僕と一緒にいるの?と、聞いたら落ち着くからと言われた。よく分からなかったがそれ以降は気にしないことにした。それぞれやりたいことをして一緒に過ごした。



そんな時に事件は起きた。

6年生の時、僕はクラスメイトに虐められた。

運良く村丸とはクラスが違ったからバレることは無かった。虐められてることが情けなくて知られたくなかった。


1ヶ月後、母さんに報告してそれから学校に行かなくなった。

それからも村丸は家に来ていつも通りに遊んでいた。

それなりに勉強もしていた。

6年生も終わりを迎える時、村丸から「中学は一緒に行こ!○○と○○は転校させたから」と急に言われてびっくりした。


そもそも僕がいじめらられてたのを知ってるのに驚いたがその後の○○転校させたからという言葉にびっくりした。

深く聞かずに、「そうだね」と答えた。


それから中学生活を普通に送った。

村丸は小学校では運動一筋だったが中学では文化部を取っかえ引っ変えしていた。

そんな中運動神経抜群なこともあり、運動部の試合に助っ人として出場することもあった。


身長の低い村丸は試合前対戦校から笑われることが多かった。特に酷かったのがバスケだ。

相手校含めて頭1つ抜けてうまかった村丸はバカにしてきた選手には何もさせずに試合を終わらせた。


バレーでも身体能力でカバーして活躍していた。

僕は村丸の試合を見るのが好きだ。行ける限り試合を観に行った。


とにかく技術で相手を圧倒する。最近ハマってる主人公最強系の主人公を見てるようで楽しかった。



クラスでは少し浮いてる村丸。

3年生になると僕の布教が実を結び、村丸がアニメや漫画に興味を持ち始めた。

が、そのせいで村丸の夏休みはアニメ漬けで結果、厨二病を患ってしまった。そして夏休みの宿題は僕のを写した。


新学期になりクラスメイトからは、さらに近づき難い存在になった。

僕があげたスカーフを毎日学校でも着けていた。


村丸はモテた。

クラスが違う女子や学年が違う女子からだが。


村丸のことを知るためにクラスメイトの女子に話を聞くと揃ってやめとけと言われる。

僕が知ってるだけでも5人いた。


最近身につけた、本を読んでるフリをして周りの会話を盗み聞くという技を使ったから正確だ。しばらくして村丸にこの技を教えた。


そんなわけでクラスの女子からの評判は良くない。結果告白されたことは無いという悲しい事になってた。


秋、進路のことを考えた。

このまま村丸と一緒にいるのはダメだと思い進学校への進学を希望した。


1人立ちの時だ。村丸ばかりに頼ってちゃダメだ。

そんなわけで村丸の入試の勉強の手伝いをしながら僕は進学校に進学した。


無事に村丸も家から近い高校に進学した。部活が多いと教えた結果ここに決まった。

高校入学後も週に1回は遊んでた。


夏休み入ってから遊ばなくなった。電話ではダンジョン部に入ったことを聞いた。

こんなに会わなくなったのは初めてだ。

どんなに部活が忙しくても会っていた。


でもこれは嬉しいことだ。

もしかしたら見つけたのかもしれない。本気になれるものを。


今まで何にも本気になれなかったのを知っている。如何せん運動はある程度最初からなんでも出来てしまったから、どのスポーツに対してもどこか冷めていた。


本気になれるもの、いつかそれに出会った時どうなるだろうかと考えた。

天才が生きる場所を見つけたら。

きっと人生を賭けるだろう。天才とはその運命に否応なく引き寄せられる。

別の道は存在しない。天才にのみ開かれる道。

出会ってしまったが最後引き返す道はない。

なんて、ちょっと厨二病っぽく言ってしまったが断言する。



大竹村丸は世界へ羽ばたく人間だと。

通常の倫理観を持ち合わせている優しい人間だが、1つだけ出会った時から失っているものがある。


それが頭のネジだ。

最低でも2本は外れていて、ふとした瞬間ブレーキが効かなくなる。

その集中力は狂気じみていて、長い付き合いだがその時だけは近づきたくないと心の底から思う。


やりたいことを見つけた村丸はもう大丈夫だろう。あとは僕の将来を考えよう。

まぁ、今のところはサラリーマンかな。


そんなことより9月2日、明日は村丸の誕生日だ。明日は会うことになってる。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


村丸視点



9月2日木曜日の放課後


「おっす、久しぶりに京一の家に来たよ」

今日は久しぶりに京一から家に誘われた。

夏休みはダンジョンにハマって会えなかった。

「おっす、そうだね。ダンジョンにハマってるんだよね」

「そうそう、部内でも俺が1番の下だからもう毎日行きたいぐらいだけど体休めないとね」

早くゾウを倒したいぜ。


「そうなんだ、村丸が1番下なんて珍しいね。書道部と茶道部と吹奏楽部と美術部と調理部と手芸部以来じゃない?」

「懐かしいぜ、そんなこともあったな。多分才能がないんだろうな」

俺の中学時代はボロボロだった。文化部は性に合わなくて全部ダメダメだった。


「そうかな、僕はそうは思わないよ」

「まぁ、あってもなくても関係ないけどな」

「応援してるよ。

まだスカーフ着けてくれてるんだね。

そして、誕生日おめでとう!!」

そう、今日は俺の誕生日。

夜ご飯は俺が「今日の主役」タスキをかけて、家でパーティーだ。帰りに鼻眼鏡を買っておこう。


「ありがと。これ温度調節機能があってめちゃくちゃ快適なんだよ。

最近調べたらこれ造ってる会社は錬金術師が造ってるんだって」

そう、ダンジョン関係を調べてたらたまたま見つけた。

錬金術師とは数少ない生産系の能力を手に入れた者の中の1つだ。他にも鍛冶師とかがいる。


「そうだよ。空気中の魔力を取り込んで温度の調節がされてるんだよ」

「びっくりしたよ、てっきり電池で動いてんのかと思ってさ。全然電池切れしなくてね」


「おいおい、さあ!今年のプレゼントはこちら!」

正方形のプレゼントBOXを受け取った。

「開けるよ?」

「どうぞ」

リボンを引っ張って蓋を開けると。


「おー!手袋!しかも指ぬきじゃんカッケー!しかもめちゃくちゃ欲しかったんだよね」

棍棒を使う時の滑り止め用に欲しかった。


「でしょ!そういうの分かっちゃうから僕」

「ありがてー」

「めっちゃ手に馴染む。これからこれ付けて過ごそ」

「ちなみにそれ去年と同じ会社のやつだよ。つまりなんとありがた機能が付いてます!」

「おぉー!」

まじか!


「なんとこの手袋!自動洗浄機能が付いてます!つまり空気中の魔力を取り込んで常に綺麗な状態なんです!商品名はなんと!クリーニングローブ!!ナイススマート!ってやつ」

急に某通販番組の話し方をしてきた。


「マジか常に付けて良いやつじゃん。

去年が首で今年は手首、来年は足首かな」

「おっと、予想はノーセンキュー。それ以上の詮索はするなよ」

「失敬失敬。これは失礼京一殿」


「こほん、改めておめでとう。

多分今後会える回数減るけど僕はずっと見てるからな」

「おうよ!なるべく会いに来るぜ。

そして見せてやるよ俺の輝きを」

夜空に浮かぶ星のように輝きを。



「よし、それじゃあ今季の観ておいた方がいいアニメを教えるよ」

「よろしくお願いします!」

それからオススメのあらすじを聞いた。今季は4つか、忙しくなるぜ。

中学3年の夏頃から定期的に厨二病を摂取したくなる体になった。それを今はアニメで摂取している。


真壁京一は最高の親友だ。

ハッピーバースデー俺!

拝啓16歳になりました。

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