13話 必勝法
初めて評価されてました。めちゃくちゃ嬉しいです。
力が湧いてきます。ありがとうございます。
6時30分起床。
既に何人かは起きて今日の準備をしていた。
俺もそれにならって準備を始める。
顔を洗って歯を磨く。
その後みんなで大部屋に移動して朝食を食べた。
今日は3班に分かれて行動する。
・佐野先生班 菊地先輩 石川先輩 朝姫
・高嶺先生班 新田先輩 丸山先輩 平 清麻呂
・原田部長班 俺
俺は原田先輩とダンジョンに、行くことになった。
早速ダンジョンに行き、今回から13階に挑む。
13階ではバイソンが生息していた。
高さは2〜3m、正直棍棒が通用するか不安だ。
早速1体のバイソンに向かって棍棒を投げつける。
当たることは無いが、俺に気づいて向かってくる。
車のスピードで向かってくるバイソンに何回か棍棒を投げつけ、速度を落とさせる。
あと5mくらいまでの距離になって、もう1回投げると同時に俺もバイソンに向かって走り出す。横側に回って棍棒を手元に出しお腹にフルスイングした。
(硬すぎぃ!!)
思いっきり手に反動が来て思わず棍棒を落とす。
コロン、
「手、いってー」
バイソンは怯むことなくこっちに向き直し頭を叩きつけてくる。
(くそっ、避けれない!)
拾ってる時間は無い。
急いで棍棒を消して改めて手元に出す。
ダメ元で向かってくるバイソンの頭に棍棒を叩きつける。
(ぐわっ!)
ズザザザと数m飛ばされる。こっちの立場になるのは初めてだ。左肩を強打したが、それ以外は無事だった。
めちゃくちゃ痛い、バイソンの方を見ると左目から血を流して暴れてた。
転がってる棍棒には血が付いてたから多分左目に当たったかな。
立ち上がりバイソンに走り出し、棍棒を消して出す。もう1発顔面にフルスイングをかます。
(どりゃ!)
バイソンがよろけてその場に倒れる。
首元に棍棒を何度も叩きつけるが効いてる感じがしない。
(てい、やぁ、そい、せいやぁ、ほうら、よっと)
諦めて腰からナイフを取り出して首に刺す。
(てい)
意外と刺さることがわかり、改めて強く突き刺す。
(そいやぁ!)
ビクンと体全体が一瞬動き、それからバタンと動かなくなった。
うん、これ大変すぎる!相性悪いぞ!顔面にフルスイングかまさないと効かないぞ。
「はぁ、めっちゃ疲れました」
「いやぁ、よくやったね。正直助けようとしたけど1人で何とかできたね。凄かったよ」
「ここまで、ダメージ負うのは初めてですね。ちょっと心の中で盛り上がっちゃいましたよ」
「きっと、アドレナリンとかが分泌されてたんだよ。それより怪我は大丈夫?」
「はい。少し左肩が痛いくらいなので、このくらいなら平気ですよ」
「そしたら後で平に回復させてもらうといいよ。打撲、骨折なら治してくれるから」
「わかりました。後で聞いてみます。
それじゃあ続き行ってきます」
「了解」
さてと、
ヒャッハー!俺様の力を思い知らせてやるぜ。
この大竹村丸に怪我させたこと、誇るがいい!
我輩の前に立ちはだかるというのなら、その全てを殴り飛ばして先へ進もうぞ。
私を阻む者は何人たりとも許さない。
某の人生の糧にしてくれよう。
俺様に殴られたいやつからかかってこいやー!
拙者が歩く道こそ正道じゃ。
我、壊す者なり。
おっと、失敬。
久しぶりに出てきちゃったよ、いたたたた。
歴代の一人称が勢揃い。
テンションは最高潮、さぁ行こうか!さらなる高みへ。
1体に棍棒を投げつけ、向かってくるやつに再度投げつける。
さっきと同じように横に回り込んで、ブレーキを踏んだとこで顔面にフルスイング。
(おりゃあ!)
オオカミ戦でやった連打を叩き込む。
(でりゃ!ふん!ぶろあ!さあた!あんだ!ぎぃやー!)
倒れたところにナイフでグサリ。
どうやら弱点は目のようだ。
目を潰すと怯むことがわかった。
が、どの生物も目を潰されたら怯むんじゃないかと思い至る。
その後もじっくりと3体倒した。
その間に周りのバイソンが結構倒されてた。
原田部長にとっては暇つぶしで倒せる相手のようだ。
それからキリが良かったからお昼休憩することになった。
ほかの班はもう済ませたようで、2人で近くのファミレスに入った。
「ここは僕が払うけど遠慮しないで頼んでいいよ。なんせ、ダンジョンでガッポリだからさ」
「お言葉に甘えさせてもらいます。ありがとうございます」
「ささ、どんどん食べよう」
ピンポーン
店員さんを呼んで
「それじゃあ、俺はチーズハンバーグとライスで」
「僕はドリアとマルゲリータにカルボナーラをお願いします。以上で」
「すごい食べますね」
「昔から大食いでね。でも体は大きくならないんだ」
「確かに細くも太くもないですね」
「まぁ、困ってないからいいんだけどね」
料理が運ばれて、食べ始める。
「原田部長はどんな能力なんですか?チラチラと視界の端で突然バイソンが吹っ飛ばされてましたけど」
「僕は気弾ってやつかな。エネルギーを丸めて固めて操るんだ。ビー玉くらいのサイズでもそこに込めたエネルギー量で威力が上がるんだ」
「へー、なるほど。ファンタジーな能力ですね」
「それに乗って移動もできるんだ。見えないけどそこに実体としてあるんだ」
「めちゃくちゃ便利ですね!」
「そうだね。今も実は椅子に座ってる訳じゃなくて気弾に乗ってるんだ。見てご覧少し浮いてるだろ?足も浮いてて、これがなかなか楽しいんだよ」
確かに椅子にはシワが無いし足も浮いてる。
面白そう。
「さて、食事も終わった事だし戻ろっか」
「はい。ご馳走様でした」
13階に戻って気弾を見せてもらった。
突然棍棒が粉砕された。
威力やべー、そして空を飛ぶ原田部長はバイソンと追いかけっこをしている。
今回も慣れのおかげで後半は問題なく倒せた。
最初の一撃以外は貰わなかった。
最初は焦ったが、着々と力が着いてきてるのがわかる。
バイソンを倒せたんだ、もう怖いものなんてないぞ!
「14階行ってもいいですか?」
「うん、いいよ。ただ一筋縄ではいかないよ?14階はね。」
ふっ、原田部長俺の事を甘く見すぎですよ?
どんなやつだろうと目ん玉抉ってやんよ!
これが俺の編み出した必勝法!目潰し!
バイソンよりやばい動物なんて…
黒渦で14階に。
…いたーーー!
びっくりして顎外れそうになっちゃったよ。
これ1人で倒せるの?ゾウさん。
「こ、これは、はは、」
上手く喋れない。
だってこれって、いくらなんでも大きすぎるって!
んーと、えーっと、5mくらい?大きすぎてよくわかんない。
牙が俺の棍棒より大きいし、鼻はそれ以上。
無理じゃん?
「これ倒せますかね?」
「がんばれ!」
うん、やるしかないね。
ん!目に届かないよー!




