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大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
11/97

10話 東京

月曜日の朝、ついにこの日が来た。

「姉ちゃん、俺東京行ってくるから」

「はあ、だから何?」

「俺もついにシティーボーイになるんだよ。

夜中に外でどんちゃん騒ぎしちゃおっと、

憧れてたんだよなー」

「東京1回行ったからってシティーボーイになれるわけじゃないよ。それに夜中に外出歩いてると補導されるからできないよ」


「そうか、普段夜は家にいるから忘れてた。

参ったな、買っておいた花火セットが無駄になっちゃう」

「あんた何しに行くのよ。浮かれてると痛い目見るよ。ただでさえ危ないんだから、母さんからも言ってよ」


「村丸…お土産よろしくね!」

「もー、母さんまで」

「もちろん!期待しててくれよ!」



辻堂駅で集合し、皆で行く。

正直電車はよく分からない。乗り換えだったり何番線とか多すぎだと思ってしまう。

「おはようございます」

「「おはよー」」「「おはよう」」

既にみんな揃ってた。

俺が最後になってしまった。

「それじゃあ行くよー」

「はい」


俺はみんなの後ろに着いていく。

目的地は新宿だ。

藤沢駅で1回乗り換えて、そこからは乗り換えはしないみたいで、1時間くらいで着く。

意外と簡単だ。


電車の中では窓の外を観てる。

今めちゃくちゃびっくりしたのが、外の景色がゆっくりに見える。

ハッキリクッキリと見えるようになってた。

これは身体能力が上がったおかげか。


高校生になってからは電車に乗ってなかったからこんなに違うことに気づかなかった。

確かに今思い返してみれば、ベットに仰向けで寝ながらスマホをいじってる時に手から落ちて顔に当たってたのが、最近は避けれるようになってた。

俺のセンスかなと思ってたがダンジョン効果だった。

ダンジョンってすげー。


流れる景色を目で追いながら時間をつぶす。

昔から決めてる事だが、電車内では声を出さないと決めてる。

家族、友達と乗ったとしてもだ。それは事前にみんなに伝えてる。

これが俺の流儀だと。


途中で赤ちゃんを抱っこしてる女性が乗ってきた。電車に揺られてると、赤ちゃんと目が合ったからニッコリスマイルをプレゼントしたら、泣いてしまった。

すみませんでした。悪気はないんです。


そうしてると気づいたことがあった。

吊革を掴むのを忘れてた事に、今まで大きな揺れが何回もあったが特にバランスを崩すことがなかった。

ダンジョンってすげー。


電車を堪能してるとあっという間に新宿に着いた。

駅からは10分くらいで着く。

「おー!建物でかいし、道路も広いですね」

思わず声が出た。

「ねー、何回来ても思うよ」

菊地先輩もそう思ってたみたい。

「人多いからはぐれないようにね」

「了解」


それから10分くらい歩いて。

「着いたよ、ここが暗舞高校」

「なんか、最先端って感じですね」

「そう、去年改修工事が終わって綺麗になったんだって」

なんかよく分からないけど湾曲したガラスがいっぱい使われててなんかすごそう。


「こっちね!」

菊地先輩に着いていくとまた目の前には別の建物があった。


「ようこそ!暗舞高校へ!」

まだ40mくらい離れてるが6人組に大きな声で出迎えられた。


コツ。

「高嶺先生!よろしくお願いします。」

黒いスーツを着た20代くらいの金髪爽やかイケメンの男の人が突然、高嶺先生の前に花束を持って現れた。180cmは超えてそうだ。

翼くんと同じくらいイケメンだ。


能力なのだろうが、6人組の中で1番背が高い人がこっちに向かって歩き出したと思ったら既にここにいた。

「ありがとうございます。今日からよろしくお願いします」

先生はサラッと流す。

「「「「お願いします!」」」」


後ろから5人が歩いてきて合流する。

「先生!先に行かないでくださいよ!」

「ごめんごめん、

高嶺先生を見つけたらついね。それで、高嶺先生。僕と結婚を前提にお付合いをお願いします」

おっと、

「ごめんなさい。今は仕事に集中したいので」

おっと、

「そうですか。でも僕は絶対諦めませんよ」

おっとっと、

「先生、脈ないんだから何回やっても結果同じですよ。去年から何も変わってないですよ。」

「僕は諦めきらないんだ!去年高嶺先生に一目惚れしてから、忘れられないんだ!」

去年もしてたのか。なんかこれが俗に言う残念イケメンなのかな。


「あの人大丈夫なんですかね?」

隣の菊地先輩に小声で聞いてみた。

「うん、大丈夫だと思うよ。去年初めて会った時からあんな感じだから、それにあれでも、あの人すごい人なんだよ」

「そうなんですか」

そんなふうには感じない。


「日本で10数人しかいない下層で活動してる人だし、到達階が日本で4番目の50階って発表されてるし、ファンクラブまであるんだよ」

マジか。想像以上にやばい人だった。

確かによく見るとそんなオーラがありそう。たぶん。


「マジですか。そんなすごい人が教師やってるんですね」

「まぁ、特に規制がないからね。

今の時代、副業を禁止してる企業は滅多に無いしね」

「そうなんですか」

「下層で活動してる人は別次元の存在だと思った方がいいよ。特に能力がおかしいから」

「めちゃくちゃ気になります。見てみたいですね」

「あの人なら頼めば見せてくれるよ。陽気な人だから。

何回か会ってるけどダンジョン内でもずっとあんな感じだからね」


「立ち話もここら辺で、部屋に移動しますか」

「そうですね」

建物の2階にある大きな畳の部屋に荷物を置いてた。


向こうの生徒が皆の前に出て、

「えー、部長の東です。

今日から暗舞高校と明詩高校で、3泊4日の合同合宿を始めます。人によってはキツくなると思いますが、安全第一でこの合宿を終わらせましょう!」

「「「はい!」」」

暗舞高校は男子3人、女子2人。

明詩高校は男子2人、女子2人。


顧問 佐野道春(さの みちはる)

金髪イケメン高身長でスラッとしてる

3年部長 原田(はらだ) 直人(なおと)

眼鏡、黒髪七三 キッチリしてそう

2年 新田(にった) 夏美(なつみ)

茶髪ポニーテール、ふっくらしてる、優しそう

2年 丸山(まるやま) 遥輝(はるき)

黒髪短髪、目の下に隈がある

1年 (たいら) 佳奈(かな)

黒髪ボーイッシュ、背が高い

1年 坂上(さかがみ) 清麻呂(きよまろ)

赤髪で髪が逆だってる、眉毛が丸い、気性荒らそう なぜか手から腕にかけて蔦を巻いてる

要注意人物確定


「それじゃあまずは運動着に着替えてもらってから、2人組になってストレッチからしようか。

その後、ダンジョンに行きます」

俺はジャージに着替え外に出て、石川先輩とストレッチをする。


ダンジョンは歩いて3分の所にある。

俺は荷物がほとんどないが、先輩たちはギルド経由で武具を送って貰ったようだ。

こっちのギルドも造りは同じになっていた。


革防具を着て、ナイフを腰に掛けて準備万端だ。

ダン証をかざし、いざ新宿ダンジョンへ!


ちなみにダンジョン内部はどこも同じ構造だが、

その場所でまた、階を上がる条件をクリアしないといけないため1階からだ。

先輩たちは何回も来ているため、1階からは俺と鈴鹿だけだ。

地道に行こうか。

こっちには佐野先生がついてきてくれる。

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