表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大竹村丸物語  作者: 骨皮 ガーリック
10/97

9話 苦戦

この作品内では、ダンジョン内の動物型のモンスターは

カタカナで表記して、野生動物は漢字で表記してます。

ダンジョンモンスター▶︎トラ

地上に棲む野生動物▶︎虎


以降もよろしくお願いします。

あれから、夏休みに入って、数週間。

部活は週に3回の月水金にある。

鈴鹿に付き添ってもらいながら、順調に進んでいたが、ついにこの俺を阻む存在が出てきた。


それが赤点の追試だ。

1週間使って行われる補習、既に中間と期末でいつメンとなっている3人が補習を受ける。


と、冗談は置いておいて。

今苦戦しているのは11階のオオカミだ。

俊敏さに加えて数匹の連携がとにかく厄介だ。


ここまで来ると、俺の身体能力も結構上がってるが、この数を捌くのは難しい。

棍棒での攻撃はリーチがあるが、両手を使うから2手3手で遅れがでる。


連続攻撃には向いていない。

初めて鈴鹿の手を借りることになった。

囲まれた時は、能力による足止めをしてもらいその隙に一体ずつ倒す。


やっぱり優秀すぎる。完全に動きが止まる。

足が地面とくっつくから四足歩行の場合何も出来なくなる。

既に次の階に行くことは出来るが、1人で倒せるようになるまでやった方が、今後の為と鈴鹿に言われた。

それがダンジョン部全体の方針と言っていた。


この5体の連携に足止めをくらっている。

部活がない日も来ているが、1人だと危険だから8階のツノが2mあるシカで、訓練をしてる。


シカは俺の棍棒にも傷をつけるくらい硬い角を振り回して突進してくる。

最初はとにかく攻めて攻めて攻めまくって倒したが、今となってはギリギリまで避けず、棍棒でいなしてシカがバテてきた時に顔面にフルスイングを決める。

速さに慣れると案外できる。


だが、体が大きい分耐久力も今までのモンスターとは桁違いだ。

10回以上のフルスイングが必要だった。

俺の武器は俺のアイデンティティである、棍棒をこれからも使っていきたい。

なるべくナイフを使いたくは無い。


鈴鹿に迷惑がかかるから、聞いてみたが気にしないでと返された。

オオカミが常に5体で動いている。

棍棒を振るとかなり大きい隙ができるから、これをどうにかしないと話にならない。


繰り返し戦うことで、動きに無駄があることが分かりどんどん削って連撃の回転数をあげていく。

それでも5体を捌ききれずに鈴鹿に手伝ってもらっている始末。


何日も通い続けて思い至った新しい戦法。

フルスイング後の余韻により2手目3手目が遅れてしまう。

そこで、フルスイング後直ぐに棍棒を消しその後直ぐに新しい棍棒を出し、フルスイングすることで若干の短縮が可能になった。


それでも厳しい現状。

それから数日、棍棒という武器の形に囚われすぎて頭が固くなっていた。

棍棒は殴る武器としか考えてなかったが、俺のはただの棍棒では無い。

いくらでも替えがある棍棒なのだ。


今までも戦闘中に、消して出してを繰り返していた。

そして、ダンジョンに初めて潜った時のことを思い出した。


1階のウサギば逃げ足が速く捕まえられなかった。

そこでウサギの逃げ道を先に無くしておくことで、あっさりと捕まえることが出来た。


つまり、相手の武器を潰すだけでこっちが有利な状況を作り出せることがわかった。

オオカミの1番の武器は連携だ。

その連携を崩せればこっちが有利だ。

現に3体なら同時に相手をしても勝てる。


今更思い出した。

連携が得意な相手の連携を崩すのは常套手段だ。

俺の親友が言っていた。



そんなわけで囲まれて連携をとられる前に近づいてくるオオカミに向かって棍棒を投げた。

もちろんオオカミは棍棒を避ける。

この数秒があれば十分だ。

連携が乱れたオオカミを順番に殴っていくだけの作業となる。


そんなわけで長かった11階とはおさらばし、

次からは12階へと挑む。



充実した夏休みを過ごしていると、部長から報告があった。

「えー、夏休みも後半になりました。

そこで来週23日の月曜日、3泊4日の合同合宿があります。

例年通り東京の暗舞高校とです。

あちらさんに失礼のないように、有意義な時間を過ごしましょう」

「「「はい」」」

「詳細はプリントを配ります」

おー、話には聞いてたがついに合宿だ。

東京か、行ったことないな。

楽しみだぜ。


暗舞高校のダンジョン部の前の顧問が、明詩高校の前の前の顧問と仲が良かったらしく、特別に合同合宿の許可を貰えたそうだ。


そもそも、学校によってはダンジョンに行くことが禁止されている。

学校側もダンジョン部を作るのは大変なんだとか。

保護者からのクレームなんかもあるらしい。

能力の使用による迷惑行為、いじめに悪用などなど。


そのため他の学校と関わるのはそれ以上に厳しくなっている。

顧問の能力が信頼されてるからできることだと言っていた。感謝だぜ。



さてさて、12階のモンスターはトラだった。

体長は3mと野生の虎と同じくらいだ。

それでもやはり身体能力では差がある。

ジャンプ力もすごくそして何より、その柔軟性は打撃武器である俺の棍棒とは相性が悪い。


爪を受ければ棍棒にも傷が付く。

上手く爪を避けて懐に潜り込んでフルスイングをするが体が浮くことすらない。

ダメージはあるだろうが、持久戦になりそうなのだが、トラの攻撃は単調だから俺に当たることはほぼない。

体力勝負だ。


15分間のフルスイングを受け続けてようやく倒すことが出来た。

以降もこれの繰り返しだ。


15階までは次の階に行くための条件が同じで10体倒すことだ。10体目は10分で倒すことが出来た。明日からの土日はこの階で特訓だな。

ここなら1人でも問題ないだろう。

今回受けた傷はひとつもない。



そして月曜日

土日にトラを倒しまくり、結構力が増したと思う。7分で倒すことも出来た。

そんなわけで今日は駅集合。

なんでかって?

いざ東京デビューじゃ!!

レッツパーリィー!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ