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第四話 部活、始動!

全校生徒への声掛けというど根性の結果、クラスメイトを部に入れることに成功した詩衣。

残り三人の部員は集まるのか……。


どうぞお楽しみください。

猿海さるみ先生! 部員集まりました!」

「何!?」


 得意げに言う私に、猿海先生は驚きの声を上げた。


「え、お前、本当に……?」

「紹介します! みんな入ってー!」


 廊下で待っていた女の子達が職員室に入ってくる。


「あの、賀井かい陽子ようこ、一年です……」

「同じくいっちねーん! 東海林しょうじ満鈴みすずでーす!」

数寄すき柚葉ゆずは。二年です」

打井うちい敏求としも! 同じく二年だ!」

「そして私! 忍庵おしあん詩衣しい! 五人揃ってー!」


 私はポーズをビシッと決める!


千遂せんすい高校スキューバ部っ!」

「スキューバ部!」

「……」

「……」

「……」


 ……あれ!? 満鈴ちゃんしかポーズしてない!

 あ、陽子ちゃん、ちょっとだけしてる……。


「と、とにかく! 五人集めました! これで部活再開でよろしいですね!」

「え、あ、う、うん……」

「では手続きを!」

「お前その圧何なの!?」


 そう言われたって仕方がない。

 必死に達成したんだ。

 何としてでも今ここで部活の承認をもらわないと!


「わ、わかった……。職員会議で話しておくから……」

「えっ!? だって五人集めたら部活できるって……!」

「それはそうだけど、俺の学校って訳でもないんだから、一存じゃ決められないだろ……」

「そんなのずるいです! 約束は守ってください!」

「何をそんなに焦って……、え、お前、何か今じゃないとダメな理由でもあるのか?」


 ぎく。


「後ろのメンバーに名前貸しだけの奴がいるとか……」


 ぎくぎく。


「とりあえず部活を再開させた後なら、退部で減っても来年の新入部員までは猶予があるからなぁ……」


 ぎくぎくぎく。


「とりあえずルール上はそれでもいいんだけどよ……」


 許された!?


「お前、海に潜れれば何でもいいと思ったんだろ。だが俺は言ったはずだ。何が何でも戻りたくなる仲間を作れって。今のお前じゃ海には連れて行けない」

「うぅ……」


 そんなこと言っても、全校生徒に当たってこれだったんですよ……?

 

「部活の申請はしておいてやる。部室の鍵も貸してやる。だからきちんと話をしろ」

「……はい……。じゃあみんな、一旦部室に……」


 鍵を受け取ると、足取り重く私達は部室へと向かった……。




「さ、じゃあ説明してもらえるかしら」


 部室に入って座ったところで、数寄先輩が聞いてくる。

 クールビューティな感じだけに、真顔で詰められると怖い……。


「あたしらさぁ、とりあえず名前だけ貸してくれってめっちゃ頼むから人助けだと思って付いて行ったけど、何か事情あるなら話してほしいな」


 打井先輩も腕組んで怖い感じ……。


「サルせんせーとなんかあんのー? 気になるー!」


 満鈴ちゃんまで……。


「あの、猿海先生、すごく真剣だった……。私もちゃんと事情知りたいよ……」


 陽子ちゃん……。


「……わかった。全部話す。信じてもらえるか、わからないけど……」


 そうして私は話した。

 子どもの頃、海に落ちたこと。

 その時の光景を何度も夢に見て、それをもう一度見るためにこの高校に来たこと。

 そして聞いた廃部の話。

 猿海先生との再会。

 そして『海に魅入られた者』の伝説……。


「……だから私は、みんなにお願いしたの……。この話をしなかったのは、きっと信じてもらえないと思ったから……」

「……」

「……」

「……」

「……」


 だ、誰も何も言ってくれない……。

 沈黙が怖い……。

 ……でも!


「お願いします! 私どうしてもあの光景をもう一度見たいの! だから」

「ばーか」

「!」


 打井、先輩……?


「そういうことは早く言えよ。そんだけマジなら今日だけと言わず、しばらく手、貸してやるよ」

「打井先輩……!」

「あたしもその光景ってやつ、興味あるしな!」


 聞いてくれた! わかってくれた!

 私の夢の話なんて、誰にもわかってもらえないと思ってたのに!


「仕方ないわね。一度関わった人が海で死にました、なんて聞いたら寝覚め悪いし」

「数寄先輩……!」

「その代わり、絶対海で死なないでね。卒業後もずっとよ。あなたの苗字、珍しいから一発でわかっちゃうもの」

「はい!」


 数寄先輩、怖い人かと思ったけど、優しい人だ……。


「あたしさー、そういう怖いのとか変な話とか苦手ー」

「満鈴ちゃん……」

「だからー、楽しくやろうよー。きれいな海見たいってだけでいいじゃーん。そんならあたしも一緒に見たいしー」

「……うん! うん! そうだね!」


 満鈴ちゃん……! 苦手でも助けてくれるんだね……!


「……あの、私、詩衣ちゃんがそんなに大変なこと抱えてるなんて知らなかった……」

「陽子ちゃん……」

「でもあの胸に詰め物してた時感じた、放っておけなさの理由がわかった気がする……」


 そのことは忘れて……。

 あれは今思い出しても恥ずかしい……。


「だから詩衣ちゃんを海になんて取らせない! 私達で絶対守る!」

「あぁ!」

「えぇ」

「もっちー」


 嬉しい……。

 嬉しい嬉しい嬉しい!

 私は今まであの光景にたどりつくことしか考えてなかった。

 そんな私を、みんな真剣に助けようとしてくれてる……!


「よっし、そうなると、幽霊部員ってわけにもいかないな! いざって時に助けに行けないと困るし!」

「そうね。資格の取り方について調べておきましょう」

「べんきょーはにがてー」

「みんなで頑張りましょう、ね?」

「うん!」




 数日後、無事スキューバ部は再開の承認が下りた。

 ここから私達はダイビングに必要なCカードを取得するために動き出すことになる。

 大丈夫。

 みんなとならきっと大丈夫だ!

読了ありがとうございます。


キャラの名前が適当ですみません!


忍庵おしあん詩衣しい  ocean sea

賀井かい陽子ようこ  海洋

東海林しょうじ満鈴みすず 海の入った苗字で響きが気に入った marine

数寄すき柚葉ゆずは  スキューバ

打井うちい敏求としも  ダイビング


許してください……。

ネーミングセンスはないのです……。


ちなみに猿海さるみ先生は、『猿海さるみ浪太なみた』で、ましらと海を『う』と読んで、太郎を逆にしたりとあれこれいじりましたが、元ネタは浦島太郎です。

海猿やんけ!は四話まで書いて気がつきました。


これが名前ネタを思いついた瞬間はには「俺天才じゃね!?」とか思うのがなお性質たちが悪い……。


どうか見放さず、次話もよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 東海林(しょうじ)ですが、うちの田舎では東海林(とうかいりん)です(会社の同僚にいましたので) 昔、東海林(とうかいりん)氏が庄司(しょうじ)という役職で、うちの田舎から他の土地の移った際…
[良い点] 五人、集まりましたね。 ノリのいい満鈴ちゃん、熱血っぽい敏求先輩、クールビューティな柚葉先輩、そして頑張って詩衣ちゃんのノリに着いていこうとする健気な陽子ちゃん。 個性的で魅力的なメンバー…
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